書籍の多くのページを使って近年話題となったジャニー喜多川さんや松本人志さんのニュースに関して触れている。ニュースダイエット※1をしている僕にとっては時事に触れる機会となった。

 これを読むまでよく知らなかったのだが、ジャニー喜多川さんはもっとも多くのコンサートをプロデュースした人物であり、もっとも第一位のシングル曲をプロデュースした人物として、2010年にギネス世界記録に認定された方である。


 また、生前一件の刑事告訴もされていないし、裁判で有罪判決も受けていないどころか刑事事件として告訴さえされていない方でもある。


 じゃあ、ジャニーズはなんで自称被害者に法を超える救済や補償までしたの?企業名まで変えてしまう事態となったの?どうしてか即答できますか?


 一つの答えとして、キリスト教的価値観の国々から指摘されて途端に手のひら返しをしたからである。日本のマスコミ主導があったからである。


 今のマスコミは自称被害者が声を上げさえすれば何ひとつ証拠がなくても「勇気ある告発」などと称え、その証言の信憑性を確かめようとせず「セカンドレイプ」として封じてしまう体質がある。


 小林氏は『「人権」は国境を超える価値とは思わない、国ごとに違うものであり「絶対」ではない。全ての文化を優越で比べることなく対等にその多様性を認める「文化相対主義」の立場が重要視されるべきだ、』と論じている。


 確かにイラク戦争の時にアメリカはイスラム女性の全身を覆い隠す服装「ブルカ」を「人権侵害」として撤廃しようとしたが、今でもブルカは必要とされている。アフリカで女性に「割礼」している国があるが、今も歴史に根付いた儀式として行われている。


 その国の歴史があって根付いた人権、というか「文化」を他所の国の人がやってきて、野蛮だの残酷だのと決めつけて、キャンセルしていいものであるはずがない。


 僕自身も普段からクライエントを見るときに3つの視点を大切にしている。生物・心理・社会的(その人の身体のことや、周りの環境、それらを通じてその人がどう考えているか)な視点、生育歴(その人が生まれてきて今までの生活がどうったか)、個別性(その人自身のもっている特性)はなんなのかである。これまでの歴史を無視して、今現在だけでその人の事を知ることは不可能なのだ。それでその人のことは理解できないし、理解しないまま心理支援に入る事は、心理職としてどうなのかと感じてしまう。


 話は戻るが、最近ニュースから遠ざった生活を送っている。何故なら朝一番から不安を煽るニュースばかり。確かに現代人は、祖先代々から生き残るために不安を感じることができて、そして対策できる遺伝子が残ってきた、という人類の歴史がある。しかし、20年前と比べて事件自体の数は増えていないどころか認知件数だけでいえば5分の1以下に減少している※2。しかし、不安を煽るニュースの数は数倍になったと云う。朝一番から不安を煽るニュースを聞いて、楽しく過ごせますか?僕は無理でした。だから朝ニュースを見ることを辞めました。1年ほど続けているがだいぶ生活は楽しくなった気がします。(以上)


ニュースダイエット‥ニュースを敢えて見ないこと

日経新聞2022123日記事


参考文献 小林よしのり(2024.ゴーマニズム宣言SPECIAL日本人論.東京:扶桑社