アルフレッド・アドラーってどんな人か知っていますか?

 アドラーのことを久しぶりに学び直したくて「1時間でアドラーがわかる」と謳う本を読んでみました。アドラーって誰?分からない方のために簡単に説明します。
 
 1870 年にオーストリアのハンガリー帝国で生まれ精神科医として個人心理学(アドラー心理学)を創始した人です。この心理学は「人は目的(目標)に向かって生きる」という考えをベースに人間の行動や心理を理解するもの(目的論)になります。 
 
 ここで言う「目的論」の反対が「原因論(決定論)」になります。原因論とは、世の中の出来事を原因で説明する態度のことを指します。
 
 また、「人間は個としては元々弱い、だから集団を形成した。集団を形成したから動物界の頂点に立てたのである。」という考え(共同体感覚)を基本としており、この感覚を持ち続ける事が人生の幸福に繋がると説いています。
 
 この考えは、同じオーストリアハンガリー帝国生まれのドラッカーや、「7つの習慣」でも有名なディールカーネギー等の思想とも基本は同じと考えられており、そのため先に生まれたアドラーのことを「自己啓発の父」であると言う識者がいるようです。
 
 フロイト主催の討論グループに参加していた時期があり、アドラーのことをフロイトの弟子と紹介する人もいるのですが実際は「同僚の関係」になります。
 
 書き出しに「久しぶりに学び直したくて」と書きましたが、個人的にアドラー心理学は好きなんです。何故なら、理論として分かりやすいから。この考えを理解していると、生きることに希望を持てるからです。例えば、なにかで失敗した結果を見て、原因はこれこれと考えるのではなくて、こういう目的があってこの失敗をしたのは想定内だから仕方ないね。と考えれたらどれだけ気持ちが楽になるだろうか。また、その行動の目的が誰かの為に役立つものであればどんなにやりがいを感じられるだろうか。と考えるからです。
 
 近年、アドラー心理学は臨床に基づかないからなどの理由から「心理学ではなく文学である」と言われたり、「心理学に詳しいと話すから話を聞いたらアドラーでしたw」などと揶揄する識者がいるのを見聞きするが、それなら何故アドラーの思想は亡くなって100年も経つのにこんなにも支持されるのだろうか、と考えるに至るのです。

 なにか一つ参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。(了)

参考文献:図解決定版勇気の心理学アルフレッド・アドラーがI時間でわかる本/中野明