【毒】舞台 「ORANGE」@下北沢 本多劇場 | 江里の独身脱出計画

江里の独身脱出計画

なんとか脱出できたけれど…出戻らないように頑張ります…。

TEAM NACS:音尾琢真主演 舞台「ORANGE」下北沢 本多劇場へ見に行ってきましたRunning



舞台は神戸、そして通称「オレンジ」と呼ばれる特別救助隊(レスキュー隊)。
彼らの想いや日々の闘いを、阪神淡路大震災と絡め、真実を元に描いたお芝居・・・

という前触れで楽しみにしていた本作。

江里の独身脱出計画

▲一番左が、音尾琢真さん


正直、私が期待しすぎたのか、「置いてけぼり」感が半端ない作品でした五月女風13
こういう実際にあった災害を取り上げた作品は、例えフィクションの要素が多くても
単純に「つまらない」なんて、まるで人でなしみたいで言いづらいのですが、正直、見たことを後悔。

劇場では、笑い&涙に包まれていて、とても好評だったようなので

きっと私の心が、疲れすぎていて素直に受け取れなかっただけだとは思うのですが・・・。



ネタバレになるので、今後この作品をご覧になる予定の方は見ないでくださいね。


江里の独身脱出計画

▲下北沢 本多劇場。すごく狭い空間なので舞台までの距離が近くて良い!


<良かった点>



・舞台演出&装置が素晴らしかった。

 →限られた空間・同じセットをライティングだけで、災害現場・消防署と見事に再現できていた。


・舞台を小さな劇場で見るのが初めてで、小道具等は暗転した際に

 俳優さん自身がセットしているのがウッスラ見えてビックリした。



・PEOPLE PURPLE:植村さん、上地さん、音尾さん(これは贔屓目かも)の演技。

→この三人は舞台が長いのかしら?声の張りが他の出演者達と違って物凄く届いていた。


・震災当時の、救助隊の立場がちょっとだけ垣間見れた。

→「倒壊した家屋に声をかけ、返事があった時だけ救助。返事がなかったら次の現場へ。」という指令があったとのこと。

 あの状況では仕方が無いとは言え、救助隊の方々、救助対象とはならなかった被災者の気持ちを考えると

 いたたまれない気持ちでイッパイになりました。





<私的にダメだった点>



・緊迫した火災現場のスローモーションの演出(=演者がゆっくり動く)に白けた。しかも下手。


・現場に向けてダッシュするシーンで、他のシーンでは普通に舞台を左右に駆け回るのに

 ある一場面だけ、会場に背を向け、足踏み状態で「ポカーン」となった。


・笑いの沸点が相当低くないと笑えない→笑えないと置いてけぼり感がハンパない


 例1)沖縄から赴任してきた新人隊員(=上地さん)が、神戸の方々にコテコテの沖縄弁で捲くし立てる→関西人「は?」→ドッカーンと笑い


 例2)「ミス・沖縄」であるブサイクな女のことを、「あいつのミスは失敗のミスやろ」→ドッカーンと笑い

  

 ・・・まぁ、そんなレベルのボケが延々と続き、そのたびに ドカーンと笑いが起こる

   相当、演者に思い入れがあって「箸を転がしただけでも微笑ましい」存在でないと笑えないと思う

   そんな会場なので、笑えないと&泣けないと気後れしてしまってますます置いてけぼり。



・「隊長の命令が絶対」の火事場で隊長の命令を無視&救助者を抱え身動きが取れない先輩の制止を振り切る→死ぬ→フィアンセが葬式で先輩に「なんであなたは生きてるんですかー!どうして彼を助けてくれないんですかー!」
 
→ぶっちゃけ「はぁ?」でした…。

  本作の脚本家:宇田さん、実際に神戸の震災を経験した消防士の方に

  インタビューをしたそうなので、災害現場の再現はとっても良かったと思うのですが

  この部分は意味が分かりませんでした。

  命令無視して命を落とす&その隊員が勝手に神格化していた先輩が攻められるって流れ・・・

  全然感情移入できずでした。

  阪神大震災の部分はほんの一部で、普段の消防隊の様子が大半なので

  そういった部分のインタビュー&情報収集をもっとした方が良さそう。

  いくらフィクションにしても話の流れが安易すぎ。



・全体的にセリフが聞き取りづらい。音尾さん・植村さん・上地さん以外の俳優が滑舌悪すぎ

 →抑揚が独特な関西弁な上に、緊迫した現場を再現しているから大声で叫ぶ場面

  レスキューの演出で動きが多いため、俳優も息があがっている人が多かった

  しかも火災現場では防火マスク?を着用しているので、声がこもってしまって

  全体的に「え?なんて?」って所ばっかりだった・・・。

  ひどかったのは、後述する女性キャストと、あとは阿部力さんはサ行が苦手なのかな。



・上地さん以外の女優陣が全員アニメ声な上に、シャウト系の発生(泣き叫んだり、大声で呼びかけたり)なので何言ってるか分からない

 →しかも、全員似たようなアニメ声なので、誰が誰だか途中分からないことが多々。

   どんな基準で人選したのか気になってしまうほど。



・某女優の泣きの演技がAKB前田敦子のモノマネ「私のことが嫌いでも~・・・」の口調ソックリで・・・



・セリフ詰まりが多く気になった。

 →特に川岡大次郎さん・・・大事な場面でつまりすぎ。

  隊長役の人も、お年のせいか「えー」とか「あー」とか、セリフ前に多くて気になってしまった。

  演出なら仕方ないけど。


江里の独身脱出計画

▲阿部力さんには藤原紀香さんから、音尾さんには「ハナタレナックス」「カリー軒」などから

お花が寄せられてしました!



そんな感じで、終始、何にも気持ちは動かされず、サラーっと終わっていきました。

実際のレスキュー隊員がやっている特殊な縄結びだとかをカナリ練習した、と

公開前のラジオで音尾さん・川岡さんは仰っていましたが、見ている側からすると

そんな部分、どうでもいいんですよね・・・。



終了後、2度3度と演者の方が舞台に出てきてくださり、挨拶をして下さいましたが

「はよ終われ」としか思えませんでした。

その挨拶で、阿部力さんが「僕は舞台の経験が浅いのですが~」と言われていたのですが

「だろうね」とか悪態つきたくなっちゃって、残念な気持ちでイッパイになり下北沢を後にしました五月女風14



「あんたは人の心がないのか?泣けないのか?」と言われれば

確かにウルっとくる箇所はあった。 けど、"人の死"で涙を誘われてもね・・・

そして、舞台に限らず、映画・ドラマ・本などの感想で「泣ける」っていうの・・・どうも好きじゃないんだよね。

今作も「泣かせりゃいいんだろ」的な?ニオイが感じられて、そこもまたダメだったあせる



あと「舞台はライブだから」とかいう言い訳がたまに、演劇好きな人&役者から発せられるけど

今回は私の中では「最低限」にすら届いていないと感じた。

再演とのことで、主演以外は大分若返ったようだけど、前作の人選を見ると

地味だけど舞台経験のある俳優さんが多くて、そちらの方が良かったんじゃないかと思った。

少なくとも「なんて言ってるか分からない」なんてストレスは感じずに済みそうDASH!



私自身、TEAM NACSの作品(DVDでしか見たことがありませんが)は結構好きな物が多いのですが

これも多分メンバーが好きだからで、演劇に詳しい人がみたら「まだまだ」なのかもなぁ。

そんな贔屓目バリバリで見たNACS作品の中でも、「苦手」と思った「WARRIOR~唄い続ける侍ロマン」

脚本家が今回と同じ宇田さんだったようで・・・予習が足らなかったことを反省。 

私は、きっと宇田さん作品が苦手なんだろうなぁ。



7月~は、今度は大泉洋&橋爪功主演 「ドレッサー」が始まるので

そちらの舞台を見て「やっぱりダメだ五月女風3」と思ったら、以降は演劇物はDVDだけにしよっと。

あ。でもこの「ドレッサー」、演出が三谷幸喜なんだよなぁ・・・

笑えないんだよなぁ・・・彼の映画・・・。