陸上自衛隊悪魔の辞典 「ふ」 | 作家・篠山半太の雑用紙(著述業・法学・政治学・語学・時事・映画評論・教養)

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作家・篠山半太が著述業・法学・政治学・語学・時事・映画評論・教養などについて雑感を書き留めるブログ。

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ファントム:(名詞)F-4。複座型のある空自の戦闘機。古い。技術がないと乗れない。「体力だけ」のパイロットはイーグルに回される。ファントムはファントムドライバー、イーグルはイーグルライダーとパイロットを呼ぶことに象徴される。


フィーバ:(名詞)戦闘地域前縁のこと。FEBA。フロント・エッジ・オブ・バトル・エリア。


フーアー:(間投詞)Hooah。アメリカ陸軍及び空軍で主に「了解」の意味。他にも語義はあるが、「No」の意味だけは絶対につかない。


フォネティック・コード:(固有名詞)口頭で通信する(「送る」)際、アルファベットの聞き間違いが起こらないようにするための言葉。通信科は知っている人が多いが、自衛官全てが知っているわけではない。ABCのアルファ・ブラボー・チャーリーからZのズールーまで。自衛隊、海上保安庁、警察では使用する。なぜか消防では聞いたことがない。


武器庫:(名詞)銃架の中の小銃が主。隊舎の中にある。防弾チョッキや防護マスク、銃剣まで「武器」扱いなのでしまってある。武器陸曹が管理。


復命復唱:(標語)ふくめいふくしょう。射撃訓練の際、安全管理のために号令を口で復唱すること。


武校:(固有名詞)ぶこう。武器学校の略。因みに自衛隊では「兵器」の語は使わず、「核武器」など「武器」と言う。


不寝番:(名詞)ふしんばん。寝ずの番。


部外:(名詞)非自衛隊の世界、の意味。シャバ。対義語は「部内」。身内意識の塊。自衛隊では、「身内の恥は隠すもの」である。


部隊:(名詞)自衛隊員が複数名集まったもの。二人でも立派な「部隊」であり、そのために指揮権のルールがある。戦闘時は進んで、指揮官の掌握下に入らなければならない。


部隊章:(名詞)常装・制服の右肩につける。師団・旅団が下、職種の色が上。連隊ナンバーが、職種の部分の上につく。ただし、予備自衛官は部隊に所属していないのでつけられない(現在、有事の際にどの部隊に回されるかの内示は行われている)。


部隊符号:(名詞)作戦図などにおいて、部隊の規模や職種を表す記号。NATOの兵科記号に準拠。


普通科:(名詞)歩兵のこと。タコや地形や匍匐(高さに応じ第一から第五まであり)で銃火をよけること、交互躍進で速やかに移動すること、隊形を維持すること、夜戦時は静粛移動を確行すること、早駆けすること、偽装で視認性を落とすこと、野戦築城すること、銃剣突撃し陣地を制圧することなどが仕事。特に陣地制圧は、普通科しかできない。天敵は敵の機関銃陣地(対人)と火砲(対陣地)。特科の遠距離砲撃で敵陣地をフルボッコにし、戦車で蹂躙し、歩兵が占領するのがセオリー。長距離の機動時には、戦車と行動を共にするために96式装輪装甲車や89式装甲戦闘車があることが望ましいが、調達価格が高すぎて行き渡っていない(機械化されていない)ことが問題である。敵の人海戦術に高機動車(日本版ハマー)で立ち向かうのは恐ろしすぎる。野戦特科は性質上、戦場の一番後ろにいるので、戦闘職種では一番安全。一番危険なのは地雷原の処理から入る施設科。気合いと根性と柔軟さが求められる。


物干場:(名詞)ぶっかんば。洗濯物を干す場所のこと。外にある。隊舎によっては乾燥室があることもあり、その場合は非常に早く乾く。現在は暖房のある乾燥室が主流だが、いまだに物干場と呼ぶ者もいる。なお、陸自にはいまだに二槽式洗濯機が残っている。別に二曹が洗ってくれるわけではない。


部隊勤務経験:(名詞)字義の通り。よく使う言葉。自衛隊は、「星の数より飯の数」の世界である。


物品愛護の精神:(名詞)自衛隊にはモノがない。カネもない。不用決定がなければ処分ができない。従って、官品は非常に大切に扱われる。


不動の姿勢:(名詞)気をつけのこと。手首は体側(たいそく)に密着させ、消防警察のように指は伸ばさず、米軍式に握り拳。親指は外側。足の開きは男子六十度(正三角形の角度)、女子五十五度と決まっている(東消は男子六十度、女子四十五度)。


普特機施:(名詞)ふとくきし。正面。戦闘職種のこと。頭文字を取ってそう呼ばれる。戦前の砲工歩騎。脳筋イメージで語られることが多い。単に「特科」と言えば野戦特科なので、失礼な話だが高射特科を入れる場合と入れない場合がある。


不用決定:(名詞)①装備品を廃棄するための決裁。装備品は官品なので、勝手に捨ててはならない。②停年(定年)退職のこと。陸上自衛隊において、自衛官は一種の「装備品」である。


不用電灯:(名詞)いらない照明。電気代の予算がないので、消せと指導される。例文、「不用電灯消せ」。


ブラックプロパガンダ:(名詞)間接侵略の手段の一。現在は北朝鮮と中国の軍事同盟が行うことを想定している。国内の左翼・過激派・労組などを「事実に基づかない情報」をもとにたきつけ、厭戦気分を充満させること。事実に即した情報に基づいた情報戦は、「ホワイトプロパガンダ」と呼ぶ。


ブラックボックス:(名詞)空自用語。飛行機のアメちゃん関係の部品。米軍しかいじれない。整備員泣かせ極まれりである。


プレス:(サ変名詞)アイロンをかけること。OD作業服の場合は、背中の折り目と腕と足が決め手になる。


普連:(名詞)普通科連隊の略。「ふれん」と発音。また、単に「連」と言えば普通科連隊のこと。つまり一普連は「いちふれん」、又は「いちれん」である。


分屯地:(名詞)副駐屯地。海空で言う分屯基地。ヴァイスキャンプ。駐屯地より小さく、医務室がないことも多い。