桜の開花はいつも楽しみで、
なんとなく、うきうきわくわくしてしまう春です。
春の心はのどけからまし、とはよく言ったものです。
 

今年の朝ドラの主人公は、女性初の弁護士にして判事、家庭裁判所長の

三淵嘉子さんがモデルだそうです。
女性初の弁護士といえば、もうお二方
中田正子さん、久米愛さんがおられ、
中田さんは、鳥取にゆかりのある方です。
最後まで住まわれた地は、旧岡崎平内邸
岡崎平内は、志野流茶道を学んだ方でもあります。
 
さて、お花見といえば、
花見団子。
桜色、春色といってもいい、
淡い紅、緑、白の三色が定番です。
 
お団子とは、粉を練って蒸しつくりますが、
色や混ぜるもの、かけるものによって、
月見団子、草団子、みたらし団子などと分かれ、
季節ごとに供され、ふるまわれるものです。
峠の茶屋のお菓子は、大抵、団子が出てきますが、
それほど身近で簡単なおやつだったのでしょう。
 
ちなみに、団子と餅の違いは、基本的には、
うるち米を水で混ぜて蒸してこねるのが、団子。
糯米を蒸して搗いてこねるのが、餅。
ということのようです。
 
花見団子の色は、先から
薄紅色、白色、緑色
となっているのが定番です。
花の色、残った雪の色、下に萌える緑
の順番ということです。
また、秋の色を避けて、
「あきない」
という縁かつぎをしている
という説もあります。
 
ちなみに、茶席の菓子で著名な
末富さんの花見団子は、先から
薄紅、緑、茶(餡)
となっております。
茶は大地の色なのでしょう。
団子も、三つ連ねる場合と、いちばん先を少し離す場合と
お店によって違いがありますね。
 
花見団子の始まりは、豊臣秀吉の醍醐の花見の宴で
秀吉が菓子として供したことから、
広まったと言われております。
 
茶席でいただくときの作法もついてに書いておきましょう。
菓子器からとるときは、そのまま串を持って
懐紙にとります。
お箸が付いていましたら、お箸を使って取りましょう。
食すときは、
串から団子を一つずつ外して
いただきます。
菓子切や黒文字を使うか否かは
お流儀によって分かれますので、
ご自身の流でどうぞ。
 
春宵一刻値千金。
送別と新たな出会いの時期で
あわただしいことではありますが、
春のこの季節を存分に満喫できますように。
       桂月庵 記

 

<花を愛でる>会記例
軸 「花開天下春」
花 椿

花入 竹一重切

香合 花筏香合
茶器 春の野棗
茶杓 銘「花衣」
茶碗 黄瀬戸
主菓子 花見団子
干菓子 胡蝶(和三盆)、つくし(有平糖)