美人とは平均顔のことであるという事実からもわかるように、人は欠けているものがないもの、あるいは過剰でないものを求める。その一方で、病んでいるもの、傷ついたものにも惹かれててしまう。
昔栗山千明さんがNHKのトーク番組に、眼帯をつけた綾波のフィギアを持って来て「この怪我してるのがいいんですよ」と語っているのを見て衝撃を受けたのを覚えている。
ちなみにその数年後、エヴァ第一回の運ばれていく綾波を見てああ、確かにいい…と思った。
というわけで、頚椎ヘルニアという完全に欠けているものと、頚椎カラーという余計なものをつけた私はどのように人の目に映るのか、というのを考えてみたい。
衣装メイク及び表情はなるべく私という個性が消えるようにしたかった。首が回らないので撮るのわりと難しかった…。たとえば振り返りはできないし、横も向けない。素直に撮ると携帯で首が隠れる。
結局、頚椎カラーは私には見慣れすぎて、最早衣装にしか見えなかった。
その一方で他の欠損、たとえば運動できなくなったせいで失われたくびれや、右膝の擦り傷なんかがひどく気になった。これは起き上がるのが困難だったときについた傷だけれど、私には意外な発見だった。大きな嘘より小さい嘘の方がばれやすいというのに似ている。
なんだか写真一杯撮ったのでせっかくなので少しずつ貼って行きます。