こんにちは。
雨が続いているので家で読書をされている方も多いと思います。
さて、中井シゲノさんという大霊能者について書かれた「神と人のはざまに生きる」という本をご存知でしょうか?
明治生まれの方で既に亡くなっていられますが、今でも本を読んで時々中井シゲノさんゆかりの場所を巡ったりされる方がおられるようです。
ネット検索すると奈良にある白高神社がゆかりのある場所が上がっていますが、ちょっとした心霊スポットとしての扱いになっています。
数年前に私も行きましたがまさに心霊スポットにふさわしい廃墟っぷりで、草木がうっそうと生茂り先に進むのを躊躇われるような場所になっています。
そんな中井シゲノさんを実際に知る人を二人知っていますが、それはウチの父と伏見稲荷の元禰宜だった方。
「神と人のはざまに生きる」の中に13歳の弟子がいるような話が書かれていますが、それが父親ということです。
祖父と中井シゲノさんが稲荷講の教会長仲間だったようで、祖父がまだ子供の頃の父親を天王寺にある玉姫教会に修行や見聞を広める目的で出入りさせていたという事からも、もの凄い方であったのは事実です。
そんな父親が実際に自分の目で見て一番驚いたのが、祝詞を奏上していた時に空中浮遊、つまり浮いていたそうです。
浮くと言っても1メートルとかではなく、数センチ程だったそうですが、地面から浮き上がっている姿を見て大変驚いたそうな。
稲荷の元禰宜さんも見た事があり、稲荷にまだ奉職したての頃、玉姫教会の初午祭に伏見稲荷からの勅使で派遣された上の方の随行として付き添いで行った時に浮き上がる姿を見たそうです。
決して細くない、どちらか言えばぽっちゃり系な方だったそうですが、そんな方が浮いてたから驚いたそうです。
そんな中井さんは若い頃に目が悪くなり、特に片目がほとんど見えない位の生活面でも介添えがないと支障が出るレベルだったとか。
元々から能力はあったけど、浮ける程の力があったわけではなかったようで、視力を失ってから大霊能者になったそうです。
古事記や日本書紀に登場する久延毘古 (くえびこ)という神様がいますが、この方は案山子であり畑の神様なんですが、知識豊富で物知りな神様。
大国主命の国造り際に海から船に乗ってきた小さな神様の名前がどうしても分からずに、名前を知るべく尋ねたのが独足の案山子の神様、久延毘古です。
また天照大神が岩戸隠れの際に刀や斧、鉄鐸を作った鍛治の神とされる天目一箇神(あめのまひとつのかみ)は独眼だったとされています。
昔から独眼や片足は神や神に近い存在と考えられ、ギリシャ神話においてもキュクロープス(サイクロプス)も優れた鍛治の技術を持つ独眼の巨人の神であり、日本だけでなく世界的にこのような考え方があったという事です。
何かを失う事により、その引き換えで特別な力が授かるという点では、視力を失う事で神の領域に近くなった中井シゲノさんがまさにそうであるといえますね。
そんな中井シゲノさんは子供さんもおられ、弟子は3人程おり、信者も多かったようですが死後は誰かが跡を継いだという話もないようで、その後は不明で連絡もつかなかったようです。
ゆかりのある白高神社は廃墟となっているし、玉姫教会があった安居神社に訪ねても今では所在等何も分からなく全てが不明。
不明づくし、まさに伝説の人ですね。
ちなみに父親が一度
「どうやったら、先生みたいになれるんですか?」
と尋ねたそうですが、一言
「ひたすら修行なさい」と言われたそうです。
中井シゲノさんも勿論、滝行をはじめ修行は熱心にされていたとの事です。そりゃそうです。
天から与えられた才能もあるんでしょうが
努力なくして成功なし
偉人に言われると納得します。
本日もありがとうございました。
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