綾瀬ひまわり園 べーくはうす | 足立区のパン屋さん 台東区のパン屋さん

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フリーアナウンサー篠崎 菜穂子が、足立区、台東区など下町のパン屋さんを紹介します。

ベル2007年10月24日 

ケーブルテレビ足立「足立情報タイム530」でご紹介しました音譜


綾瀬駅からバスに乗り「綾瀬七丁目」バス停から徒歩5分の所にある「綾瀬ひまわり園 べーくはうす」さん。

こちらは主に知的障害者の方が通っている施設。現在は18歳から50代の方までいらっしゃるそうです。

門を入ると正面にパンを焼いている部屋が窓越しに見え、パンの販売は入口を入ってすぐの玄関で11:30頃から販売されます。

一つ一つ丁寧にビニールに入れられたパン達が、可愛らしいワゴンにずらり。販売も作った方たちが直接行います。まさに作り手の見える安心なパンですね。出来上がったパンが次々と運ばれてきます。パンに名札がないので、買うときもまるで宝探しのような感覚!(笑)

こちらの施設が出来たのが11年前の平成8年9月。その当時はこういった障害者施設でパンを焼いている所は23区内にはなかったそうです。その頃はちょうどバブルの時期で知的障害者の方の仕事も少なく、立ち上げの時の開設準備委員会で「何か自分達で生産出来る自主生産品が欲しい」と考え、パン作りが持ち上がりました。

現在の施設長である宮崎智昭さんは、パンは好きだったもののパンを焼いた経験は全く無し。そこで1ヶ月間横浜のパン屋さんへ修業に行き、同時に本などで独学で勉強をして、開設と同時にパンの製造を始めました。

もちろん皆さんもパンを焼くのは初めてだったそうですが、教えるとみんなすんなりと作業に取り組めたそうです。宮崎さんは「職人さんには到底かなわない。だから良い材料を使ってパンを焼こう!」と思ったそうです。

そんなことからスタートした綾瀬ひまわり園 べーくはうすさん。地域の皆さんにべーくはうすさんのパンを少しでも知ってもらえるように、袋を目立つ黄色にしたり、ビラを配ったり。

最初はお客様の方も疑心暗鬼だったそうですが、食べてみたらとっても美味しい(笑)。おかげで今では地域になくてはならないパン屋さんになっています。

イベントなどにも引っ張りだこで、口コミで人気はどんどん広がり、泣く泣くお断りするほどだそうです。パンを焼いていらっしゃるのは、職員2名とパートさん1名、利用者が12(14)名。利用者の内、なんと半分の6名は開設当初からの11年選手!もうベテランです。

以前、パン屋さんで働いていた経験者の方もいてかなりの腕前とか。それぞれの障害に応じた作業を担当していて、中には計量など、驚くほどに正確な利用者の方もいるとか。皆さん、本当に真剣に一所懸命パンを作っています。以前は職員の方が担当していた焼きの作業も、現在は志望して利用者の方も行っているそうです。皆さん、パンを焼くことが本当に大好きなんですよね。そんな思いで焼いたパンが美味しくないわけがありません(^^)


朝は6:30頃から作り始め、11:00過ぎには配達されていきます。綾瀬ひまわり園さんのパンが買えるのは、他に足立区役所内・茶房「ゆうあい」さん、千住・石洞美術館隣りの茶館「妙好」さん、毎週水曜日のみ「Lソフィア」などです。他にも直接納品をしたり、配達をしています。各種学校のイベントや地域のお祭り、週に1度ほど保育園や幼稚園での給食にも出されているそうです。大忙しですね~。

こちらは、水曜日の「Lソフィア」の様子。この日は机を忘れてしまったそうで、ベンチで販売していました。11:20頃からどんどん人が集まり始め、車から降ろしきらないうちに皆さん、お目当てのパンをGETしていました(笑)。特に大型パンは大人気。あっという間に売り切れです。こちらではクッキーも販売していました。素朴な味わいの手作りクッキーです。

べーくはうすさんのパンの種類はおよそ30種。1日400個近く作ります。生イーストを使用してもちろん生地から手作り。生地に余計な添加物は入れていません。

メニューの8割くらいが開設当初から変わっていない定番だそうです。それに年2回くらいのペースで新作を出しています。お客様はほとんどが常連さんで、驚くことに30代の男性が多いとか!はまって毎日買いに来る方もいるそうですよ(笑)。

べーくはうすさんのパンの特徴はなんと言っても「重さ」。具をたっぷりと入れ、買った時のお得感を大事にしています。添加物などで変に膨らませてもいません。施設長さんが一番おすすめという「特製あんぱん」は、まず餡子を1つずつ丁寧にお団子状に丸め、それを生地に包んでいきます。通常はあんべらを使って、生地の中に餡子を入れて行くのですが・・・。

こうして行程を増やして手をかけることで、より良い商品にしているそうです。餡子も10種類の中から1番美味しいものを選び、4年前には再び見直しも行いました。そんなべーくはうすさんの人気のパンを伺うと、「上食パン」、「特製あんぱん」、「チーズブレッド」、「いなかパン」。特に上食パンは人気でほとんどが予約とか。当日の朝までOKで、電話でも大丈夫です。

施設長さんも余った時にたまーに買えるほどの貴重なパンだそうです。いなかパンはその食パンの生地を丸めて石焼にしたもの。

ななめにスライスしてトースターで焼くと美味しいそうですよ。また現在、障害者のパンコンテストに出場していて「カルツォーネ」が1次予選を突破・・・とべーくはうすさんのパンの美味しさが次々に実証されていきますね~。

また嬉しいことに、この放送日(10月24日)から個数限定で新作の「おやきパンシリーズ」を作って下いました!!放送でご紹介したのは、「大納言とお餅入り」。

中には大納言の餡子と角切りのお餅が入っていて、食感がとにかく面白い。普通のあんぱんとはまた違った美味しさです。生地も薄く、餡子と一体化。軽~く食べられてしまいますよ(笑)。このおやきパンシリーズはこれからもカレーなど種類を増やしていきたいそうです。


さて、ここでべーくはうすさんから大切なお知らせです。皆さんもうすでにご存知の方もいらしゃると思いますが、
小麦粉などパン作りに欠かせない材料が値上げをしています。その為、来年1月から、べーくはうすさんでもパンの値上げを行うそうです。でもこの美味しさを守っていくためならば納得です。


お客様にとって「買って喜ばれるパンを焼いて行きたい。そしてそれがまたやりがいにつながっていきます。」とおっしゃる施設長さん。利用者の方にとっても、パンを焼いて販売することで、一般のお客様とのコミュニケーションができ、それがまたとても貴重な経験になっているそうです。

とにかく皆さん、一所懸命。作業も早く丁寧です。常に声をかけあって、チームワークも良く、仲も良い。本当に皆さん、生き生きと楽しそうにパンを焼いています。そんな皆さんの笑顔に囲まれて焼かれたパンたちは、心も身体も温かく優しくしてくれますよ!

パンの紹介はこちら!→「綾瀬ひまわり園 べーくはうす 2


食パン綾瀬ひまわり園 べーくはうす

   住所 足立区綾瀬7-2-7

   電話 03-3629-3231 

   FAX 03-3629-3241

   営業日・時間  土・日曜日・祭日休み  AM11:30~PM4:00