膝のお皿が内側もしくは外側にはずれる病気で、小型犬に多いです。
わが家の柴っこコハナさん(推定9歳女の子)も内側にはずれます。
 
「コハナさん、膝のお皿がはずれるのね~」↓

 

この投稿であえて手術について触れなかったんですが、けっこう相談が多いんですよね。
手術については獣医師でも意見が真っ二つに分かれるので、飼い主さんたちを混乱させてしまい申し訳ないです。
 
「膝のお皿を正常なあるべき位置に戻すべき(手術賛成派)」
「痛みなどの症状がなければ生活に問題はない(手術控えめ派)」
 
手術賛成派の先生の考え方も間違いではありません。治すことは当然獣医師の仕事です。
痛みが強く歩行に支障があったり、筋肉やじん帯への影響があり手術が必要な子もいます。
 
私は症状がなければ、積極的には手術は考えない派です。
サプリメントを使ったり、床が滑らないように工夫したり、肥満にさせないよう、気を配ればなんとかやり過ごせることも多いからです。
ヒトは膝のお皿がはずれたら歩けないですし大変なことですが、ワンコは前足の方に6~7割の重心がかかっているので、後ろ足は多少のトラブルがあっても生活が可能です。
 
手術については、かかりつけの先生としっかり話し合ってほしいと思います。
1回の手術で完治しないこともよくあります。すぐに再手術になることもありますし、シニアになってから再発することもあります。
 
知り合いの先生はいつも「膝蓋骨脱臼とか骨折とか、整形外科は簡単に手を出しちゃいかん!」と言っています。
「切った、戻した、縫った」で簡単に済む手術ではありません。
整形外科は骨、筋肉、じん帯、神経やらとても複雑な分野ですので、手術を決めたら経験豊富な獣医師や専門医にお願いすべきでしょう。
 
膝蓋骨脱臼と一言で言っても、みんなそれぞれ症状が違います。
いつも応援してくれている方々には参考にしてもらえたらと思い、あくまでも経験上、そして個人的な考えですが、今回思い切って書きました。
 
写真:大あくび中のコハナさん。