アメリカで活躍され、日本各地で数多くの講演やシェルターで指導をされている獣医師の西山ゆう子先生。
私の尊敬している先生であり、「ハナより」の英語版に協力して下さいました。
Facebookにアメリカでの見解を投稿され、参考になるのでアメブロに全文のせることを許可して頂きました。香港での犬の感染についてです。
前半は知りたかったことが分かりやすく書かれ、後半の「保護施設への収容について」はアメリカと日本で違うこともあると思いますが、参考になさってください。
心配なことがあれば、かかりつけの獣医師に相談してくださいね。
西山先生に心より感謝申し上げます。
以下より、全文そのまま記載しています(読みやすいように改行はしています)
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新型コロナウイルスに感染したヒトに飼われているペットを、どう扱えばよいのか。
特に動物収容施設、動物愛護団体、ペット関係施設に持ち込む場合の注意事項。
特に動物収容施設、動物愛護団体、ペット関係施設に持ち込む場合の注意事項。
新型コロナウイルスが世界的にパンデミックとなり、COVID-19ウイルスに感染、
発症する人が今後も、世界中に継続的にみられる時期が続くと予想されています。
先の香港からのレポートで、COVID-19に感染、発症した飼い主の犬から、
先の香港からのレポートで、COVID-19に感染、発症した飼い主の犬から、
3回にわたり、ウイルスPCR検査が弱陽性と出たというレポートがありました。
飼い犬2匹のうちの1匹だけに、弱陽性反応が出て、
犬には呼吸器症状を含めた病状はない、ということでした。
これを読み、
「結局犬は感染したのかしないのか」
「さらに他の犬や人に伝染することがあるのか」
「無症状の犬から、人に感染させることはあるのか」、と、
さらなる疑問を持たれたことかと思います。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、アメリカ獣医師会(AVMA)、 世界小動物獣医学会(WASVA)が、それぞれ、現時点における専門委員会としての見解を示しています。
また、ロサンゼルス郡の獣医公衆衛生課(County of LA, Veterinary Public Health)に関しては、直接問い合わせて、動物収容施設やシェルターが、これらの動物を扱う時の注意事項について、現在の指導要綱を確認しました。
あくまでも、一般論ですので、ご自分が動物のシェルターや収容施設をお持ちの場合は、
具体的には、ご自分が住まれる地域の保健衛生課、獣医師会に確認した上で、
最終決断していただけたらと思います。
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判明していること。
・現時点では、新型コロナウイルスCOVID-19は、ヒトからヒトへ限って感染するウイルスであり、ヒトから犬、猫への感染があり、ペットが発症し、ウイルス増殖を起こす、
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判明していること。
・現時点では、新型コロナウイルスCOVID-19は、ヒトからヒトへ限って感染するウイルスであり、ヒトから犬、猫への感染があり、ペットが発症し、ウイルス増殖を起こす、
という事実は否定されている。
・ヒトからペットに「付着」したウイルスが、他のペットや、ヒトに伝染するという事実も、
・ヒトからペットに「付着」したウイルスが、他のペットや、ヒトに伝染するという事実も、
現在のところ否定されている。
・しかしながら、香港の犬の鼻から、ウイルスの陽性反応が出た事実から、
・しかしながら、香港の犬の鼻から、ウイルスの陽性反応が出た事実から、
できうる限りの予防策をとるように勧められている。
・すなわち、COVID-19ウイルスに感染したヒトは、自身で犬、猫の世話をしないで、
・すなわち、COVID-19ウイルスに感染したヒトは、自身で犬、猫の世話をしないで、
他の人が世話をするべきである。また、自分が新型コロナに感染している場合は、
なでる、抱く、キスする、食器を共有するといったことは、一切おこなうべきではない。
・どうしても自分で世話をしなくてはならない場合は、世話する前後に、手洗いをし、
・どうしても自分で世話をしなくてはならない場合は、世話する前後に、手洗いをし、
マスクを着用し、できるだけ接触を避けるべきである。
・他の人が世話をする時は、前後の手洗いと消毒、マスク、ゴーグル、手袋の着用といった、感染予防対策を十分に行うこと。接触は最低限にすること。
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・他の人が世話をする時は、前後の手洗いと消毒、マスク、ゴーグル、手袋の着用といった、感染予防対策を十分に行うこと。接触は最低限にすること。
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動物保護施設への収容について。
もし、COVID-19に罹患、発症したヒトと濃厚接触したペットを、動物収容施設に向かいいれる場合。以下のプロトコールに従うべきである。
もし、COVID-19に罹患、発症したヒトと濃厚接触したペットを、動物収容施設に向かいいれる場合。以下のプロトコールに従うべきである。
・在舎の動物と完全に離れた個別の隔離室を作り、
COVID-19ウイルスと接触した犬、猫は、必ずそこの隔離室内で飼育すること。
・例え、犬、猫に症状がなくても、隔離部屋から出さず、
・例え、犬、猫に症状がなくても、隔離部屋から出さず、
隔離部屋の中だけで飼育することが望ましい。
食器やタオルなどはすべて別にして、散歩に出すことも望ましくない。
・また、隔離室の中でも、複数の動物がいる場合は、
・また、隔離室の中でも、複数の動物がいる場合は、
それぞれの個体が接触をしないように、できるだけ個別のケージで飼育すること。
・もし、犬、猫が病状を示したり、具合が悪くなった場合は、
・もし、犬、猫が病状を示したり、具合が悪くなった場合は、
直ちに管轄の保健衛生課に連絡をして指示をあおぐこと。(アメリカの場合の指導要綱)
・隔離部屋に入る人、隔離部屋のペットの給餌などの世話をする人は、
・隔離部屋に入る人、隔離部屋のペットの給餌などの世話をする人は、
1人か2人の限られた人にすること。
・隔離部屋に入る時は、前後の手洗いはもちろんのこと、マスク、ゴーグル、手袋、
・隔離部屋に入る時は、前後の手洗いはもちろんのこと、マスク、ゴーグル、手袋、
防御エプロンといった、完全防御装備を着用すること。
・通常のシェルタープロトコールと同じように、隔離部屋内な衛生的に、
・通常のシェルタープロトコールと同じように、隔離部屋内な衛生的に、
きれいに保つように心がけること。
・通常シェルターの消毒方法で、隔離部屋も消毒すること。
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・通常シェルターの消毒方法で、隔離部屋も消毒すること。
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まだまだ未知の部分が多い以上、ウイルスと濃厚接触した犬、猫も、
しっかりとした感染予防防備をした上で、隔離して飼育しなくてなりません。
新型コロナウイルスに感染した飼い主からの、犬、猫を、引き取る場合は、
新型コロナウイルスに感染した飼い主からの、犬、猫を、引き取る場合は、
以上のことを実行できるかというのを考慮した上で、施設に入所させるかどうか、
検討するべきかと思います。
少しでも参考にしていただけたらと思います。
少しでも参考にしていただけたらと思います。
