尾瀬 赤田代温泉 「温泉小屋」さん | 良田 寛(ペンネーム) 新老いらくの記

良田 寛(ペンネーム) 新老いらくの記

いつのまにか「老いらくの記」という言葉が似合う、それなりの歳になってしまいました。
精一杯生きてきた事を何かに残したい、足跡を何かの形で残したいと思っています。

 尾瀬の山小屋は、概ねどこに泊まってもそこそこ快適な時を過ごすことができる。湧水の豊富さ故に、ほとんどの山小屋には風呂がある。ただ湯を沸かす燃料は空輸されている。そのなか、赤田代(見晴から40分くらい)には温泉が湧く。自然に流れ出す鉄分を含んだ温泉で湿原が赤くなることから赤田代と呼ばれている。山小屋は二軒、「温泉小屋」さんと「元湯山荘」さん。ただ元湯山荘さん、今はお休みされている。温泉が出るこのエリアは、尾瀬沼、尾瀬ヶ原では唯一のものだ。温泉ファンとしては、今回の尾瀬行きのチャンスを逃すはずはない。
 温泉小屋には午後4時前に着き、さっそく一風呂いただいた。

風呂そのものは、大浴場とはいかないが、4〜5人は入れる大きさ。鉄分を含む赤い湯が湯船を満たしている。循環ではないが、掛け流しでもない。源泉の温度は24度、加熱して湯船へ供給されている。お湯の量が少なくなるか、ぬるくなれば、蛇口をひねって熱い湯を入れる。風呂に入れる時間は、15〜19時まで。環境が環境だけに、普通の温泉宿のようにはいかない。もっと熱いお湯が潤沢に湧いていれば、加熱する必要もなく、もっと温泉を楽しめるのだろうが・・・。
 6月初め、ミズバショウの季節とあって、温泉小屋は混んでいた。もちろん尾瀬を歩くことが目的で宿泊されているものだと思う。さすがに温泉だけを求めて来られている方はいないのではないか。ただ尾瀬の大自然の中に浸って、空には天の川があって、さらに温泉にも入れる・・・。これはこれでとてもぜいたくと言うものだ。次回来る時も、おそらく「見晴」の山小屋ではなく、ここ「温泉小屋」さんに泊まるだろう。3時前に宿に入り、3時きっかりに風呂に入る。そうすれば、尾瀬の新鮮な熱い温泉を堪能することができる。

 「温泉小屋」には、本館・別館があり、それぞれ男湯・女湯、計4っの風呂がある