この記事は、Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2022 19日目の記事です。

 

18日目の記事は Kazuyuki Ito さんの「NVIDIA A10 搭載のベアメタル GPU インスタンスに KVM を立てて、ゲスト VM に vGPU を割り当てる」でした。

 

A10を4枚搭載されたベアメタルインスタンスを、vGPUに分割してKVMと組み合わせて有効活用するのですね。

 

毎年のことながら、皆様の大作を横目に緩く行きたいと思います。

 

今回は、Oracle Cloud VMware Solution (以下、OCVS)がハマりやすいユースケースを

 

いくつか共有したいと思います。

 

クラウドでVMwareソリューションは各社出しているのですが、その中でもOCVSが採用されやすいケースとなります。

 

今後VMware環境をクラウド化したい方々に向けて是非ご覧いただけましたら幸いです。

 

 

  ユースケース1「コスト(クラウド利用料)を抑えたい」

 

実は、OCVSは他社のクラウドベンダーよりも物理コア単価が一番安くなるように価格設計がされています。

 

また、2022年12月現在提供されているノードの種類も、一番多い状態です。(今後さらに増える予定)

 

そのため、ノードの種類が多いのでコストメリットが高いサイジングを行うことが出来ます。

 

さらに、アウトバウンド通信についてはそもそもOCIは月10TBまで無償です。

 

無償枠を超えた場合も、単価が他社より圧倒的に安価です。

 

Windowsライセンスについては、BYOLが可能です。

 

SPLAで買い直す必要はありません。

 

また、1ノード当たりのスペックが高いので高集約をすることが出来ます。

 

ソケットライセンスやプロセッサーライセンスの製品とは相性が良いですね。

 

これらのメリットから、トータルコストをお安くすることが出来るのはOCVSの良いところですね。

 

 

  ユースケース2「パッチのコントロールがしたい(内製化したい)」

 

実は、クラウド上で提供されているVMwareソリューションの中でパッチのコントロールが出来るのはOCVSだけです。

 

オンプレと同じ運用が出来るのはOCVSだけですよー。

 

塩漬けを良しとはしませんが、塩漬けが出来る唯一のクラウド上のVMware環境となります。

 

他社の場合はフルマネージドなので、どんどん上がっていきます。

 

VMC on AWSは既にESXiのバージョンが8なのですね。

 

ミドルウェアのサポートとか大丈夫なのかなと少し心配になります。

 

メジャーバージョンアップすると、サポートについて各ミドルウェアベンダーが検証したりすると思います。

 

で、お墨付きが出ないといけないと思うのですが、その前にあがったりしたら。。。

 

コントロールできることが大事な環境って、ありますよね。

 

また内製化したい場合にも、管理者権限があるとか、パッチコントロールとか、OCVSだから良い点があります。

 

 

  ユースケース3「Oracle Databaseを使用している」

 

Oracleの製品ですからね、ココで負けたらだめですよね。

 

もう少し具体的に紹介すると、例えばOCVS上でOracle Databaseを利用していたとします。(Standard Editionとする)

 

この場合、他社クラウドではノードが自動的に増減する仕様があるため、待機ノード数の特定が難しいケースがあります。

 

OCVSではノードが自動で増減したりはしないので、Oracle Databaseを利用する(ライセンス数を特定する)のが簡単です。

 

また、EnterpriseEditionを物理サーバーで利用しているケースや、RAC環境を利用したいケースでは、

 

Oracle CloudのPaaSが力を発揮します。

 

RACがクラウド上で利用できるのはOracle Cloudのみです。

 

また、Oracle CloudのPaaSでOracleDatabseを利用すると、かなりリーズナブルに利用することが出来ます。

(Base-DB Serviceの価格はこちら

 

OCVSとセットで活用することにより、DatabaseはPaaSへ、アプリケーションサーバー群はOCVSへ、

 

コストを抑えた形でのクラウドリフトを行うことが出来ます。

 

 

  ユースケース4「Horizonを活用したVDIを構築したい」

 

実は、クラウドでのVDI活用でも、OCVSは力を発揮します。

 

何故かというと、2022年10月のMSの規約改定によりVMC on AWSにはOfficeを持ち込むことが出来なくなっています。

 

そのため、VDI環境を作りたい場合には大問題になるのです。

 

OCVSでは、そのような問題はありません。

 

ですので、是非安心してOCVSでHorizonを活用してVDI環境を構築しましょう。

 

DaaSの製品が無いOracleCloudでは、VDIのご要望をいただいた際にはOCVS + Horizonという選択肢になります。

 

ユースケース1でお伝えしたようにコストを抑える形でご提供できると思いますので、VDI環境のクラウド化を検討されている

方々にもご活用いただければ幸いです。

 

 

  ユースケース5「AMDのCPUを使いたい」

 

実は、クラウドのVMwareソリューションの中でAMDのCPUを利用できるのはOracle Cloudのみです。

 

AMDのCPUはコア数が多いので、集約率を上げることが出来ます。

 

また、特に最新世代Genoaで大きく伸びたのですが、コア性能とPerformance/Wattの優位性があります。

 

例えば同じ32コア同士のCPUの比較でもEPYCの方が高い性能(1.55倍)を整数性能で出しており、

 

少なくともIntel Ice Lakeに対して性能でGenoaが問題になることはないと考えています。

 

さらに、AMD Secure Encrypted Virtualization (SEV)を初代EPYCから提供しています。

 

これは、仮想マシンごとに独立した暗号キーでメモリーを暗号化するというものです。

 

暗号キーはCPUソケット内の独立したSecure Processorで管理するため、仮にvSphereが乗っ取られたとしても取得することはできないようになっています。

 

代償としてvMotionができなくなるなど、お客様をかなり選ぶ機能だとは思いますが、

 

防衛系・公共系・創薬系など個人情報を扱われている方々には考慮していただく価値のある機能と考えています。

(AMDさんの受け売りですw)

 

 

ということで、以上5選参考になりましたら幸いです。

 

来年もOracle Cloudをよろしくお願いいたします。