以前も書きましたが僕が店に戻った時は2代目店主の父親がディスカウントストアとして酒屋を経営していまして、最高年商2億7千万でしたが粗利が8%でした。
そんな帳簿を見た時にこのままじゃやってても意味がないし面白くないと思ったんです。



【やり方を変えたかったんです】

僕が仕事を始めた3年目くらいに父親に相談しました。
「このままじゃやってても意味がないし仕事をしててもつまらない!やり方を変えてみない?」と。

父親は今まで何十年も酒屋としてやってきているし自分のやり方で右肩上がりに成長させ、大きな負債を抱えたのを返済した凄い経営者だと思っていましたし、父親にもその自負はあったと思います。

いくら息子とはいえそんな仕事を始めて3年くらいの若造に言われて頭にきたと思いますが、僕も今後自分でやっていかなければいけない仕事が面白くないと続かないと思ったので引き下がれませんでした。

まぁ対立したところで勝てるわけはないので自分で実績を作って認めさせるしかないと思ってました。



【認めさせるには実績を】

父親に認めさせるには自分で実績を作らないとと思い新潟清酒を担当したりリキュール・スピリッツをやってみたり。

その時に力を入れ始めたのが本格焼酎でした。
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(これが今の店舗と言うか古民家で父親の実家の玄関です)


本格焼酎は当時ウチでも大手メーカーさんの5種類くらいしか置いてなかったし、その程度あれば十分にまかなえていました。
その程度だった本格焼酎に力を入れようなんて当然父親にも反対されました。

でもそこは押し通してやってみたんです。


【知らない銘柄をオススメして】

本格焼酎は5種類でまかなえる時に僕みたいな若造にオススメされても最初は誰も聞いてくれませんでした。
だけど根拠のない自信があり絶対に売れると思い込んでいました(笑)

でも自分がお客さんの立場になってよく考えると見たことも聞いたこともない銘柄をオススメされても信用できないし、失敗したら嫌だなぁって思うよなぁって今になっては思いますね。

お客さんからしたら知らない銘柄かもしれませんが僕は自分で飲んで美味しいと思ったからオススメしていたわけで、自分でも気に入らない商品をオススメしていたんじゃないんです。

そんなことをしばらく続けているとお客さんから「こないだオススメしてもらったの美味しかったよ」と言っていただけるようになってきました。

本当に嬉しかったです。


【美味しかったよの一言で頑張れました】

お客さんからの「美味しかったよ」の一言で仕事が頑張れましたし、仕事をしていて楽しかったんですね。

自分で探して自分で気に入った名も知らぬ銘柄を来ていただいたお客さんにオススメして「美味しかったよ」って言ってもらえるのって、酒屋としては最高の誉め言葉であり僕にとっては最大の賛辞でした。

結果的にそのことでお客さんとの関係性が強くなり「次にオススメは?」と言っていただけるんです。

そしてお客さんが口コミでウチを紹介してくれるようになり「誰々さんにここに行けば何かしらあるよって聞いたんだけど」と言う新規のお客さんが来てくれるという連鎖反応まで起こりました。


【お客さんとの会話が楽しかった】

有名銘柄じゃなくても自分が好きな銘柄を来ていただいたお客さんと会話をしながら買っていただくのが本当に楽しかったですね。

だからなのか雑誌に掲載されるような銘柄やネットで人気になっているプレミアム銘柄は当時は一切扱っていませんでした。
ウチで前から売っていて後から他の販売店さんの力で有名になった銘柄はありますけど、当時は扱わなかったというか扱えなかったというか。

でもそれがかえって今となっては良かったと思っています。

有名銘柄をもし扱っていたならばお客さんも多かったでしょうし、売るのも楽だったと思います。
しかし並べただけで売れるのは楽しくないと僕は思うんです。

誰も知らないような銘柄を自分で見つけて実際に飲んでみて自分で好きになって、それをお客さんに説明しながら売っていくのが僕には合っていたのかもしれないですね。

だってその方が楽しいんですもん。


【当初の目的と変わっていました】

やり方を変えたいけど父親を説得するには実績を作らなきゃ!と思って考えたことだったんですけど、その方法として力を入れ始めた本格焼酎で「お客さんとの会話の楽しさ」や「美味しかったと言われることの嬉しさ」を感じてからは、実績を筒親に叩きつけてやり方を変えるという考え方は消えてましたね。

そんなことよりも自分が楽しかったことの方が大きかったです。

先日のエクスマ塾で藤村先生が「仕事で迷ったらどっちが儲かるかじゃなくて、どっちが楽しいかで選ぼう」とおっしゃっていましたが、まさに僕がそうだったことに改めて気付きました。

当初の目的としては変わってしまいましたが楽しいことを続けることによってお客さんに認知され、震災前には売り上げ金額は大幅に下がりましたが粗利を倍以上に増やすことができたので間違ってはいなかったのかと思うので、これからも自分が楽しめるような仕事をしていきたいと思います。




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