9月のまとめ
2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
■ブラック・アゲート
お菓子の上田さんしか知らなかったので、著者名確認してびっくり。哺乳類寄生性のアゲート蜂と人間との攻防…と書くと、いかにもバイオハザードめくが、むしろ社会派?(社会派の定義しりませんが、イメージとして)寄生の恐怖よりも、システム不備のせいで崩壊していく倫理や人間を描いている。私はバイオホラーを期待して読んだので、ちょっと残念。ラストも、西村寿行ばりに蜂の天敵が山のように飛来して大団円か、科学者が頑張って遺伝子操作して蜂全滅を図るか、と思ったんだけど…。
読了日:9月30日 著者:上田 早夕里

■女ともだち
人って、何にでも慣れるんですね。さすがに「爽やか」とは言いませんが、そんなにドロドロもしてないような。どろ…くらい?登場人物の人間関係が複雑だったせいか、あまりインパクトを感じない作品でした。犯人誰だっけ?とちょっと考えないと出てこないくらいの薄味加減。私の記憶力のせいかもしれませんが(笑)。
読了日:9月27日 著者:真梨 幸子

■眺望絶佳
スカイツリーの新人らしい初々しさ溢れる往信に頬が緩み、「~常に堂々と立っていなければなりません」という東京タワーの凛とした復信に涙線が緩んだ。東京タワーって、女性なんですか!?これからも足元の我々を二人で見守っていて欲しい。間の短編は「よろず化けます」と「おさななじみ」が好き。
読了日:9月26日 著者:中島 京子

■白ゆき姫殺人事件
美人OL殺人事件の犯人を、記者の取材に対して語るという形で浮き彫りにしようという試み。この記者が低俗週刊誌所属なので、結局は噂話の域を出ないのだが、それだけに個々が事実を自分目線の思い込みで捻じ曲げて語るので、情報操作のように容疑者が一人に絞り込まれていく。うーん、なんだか薄かった。はっきりしているのは被害者と犯人だけで、犯行の動機や「本当にそうだったのか」ということさえも、薄ぼんやりとしているのが歯がゆい。巻末の資料は読むのが苦痛だったほど。普通に書いてくれた方が良かったと思う。
読了日:9月24日 著者:湊 かなえ

■くちぬい
坂東眞砂子氏の著作は、どうも男女間が生々しくて苦手なんですが、今回もそんな印象。夫が定年する年齢だから65歳としても、妻は50後半?何十年もつれ添ってて、性交渉がないことがそんなに気になる年かなぁ。妻がもの凄く気にしていて、喧嘩の種になったりしているのに違和感が…。いや、仮にそういうものだとしても、そこを掘り下げなくても、と思ってしまうのね。犬にしても、そんなに可愛がってるなら、どうして家の中に入れてやらないのか…感性が合わない人の愚痴を延々聞かされたような著作でした。
読了日:9月22日 著者:坂東 眞砂子

■千年鬼
表紙がコミカルだったので、コメディを期待して手に取りました。が、読んでいくにつれて、どんどん哀しい方向へ物語が収束していく気配が漂うので辛いです。子鬼は民を助けたかっただけなのに…。天上人のいかにも役人的な物事の進め方に憤り、褒美の結果に涙し、『千年』の重さに叫びそうになる、心動かされまくりの物語でした。そうそう、これタイトルと著者名が手描きなんですよね。気づいたときになぜか嬉しくなりました。
読了日:9月20日 著者:西條奈加

■鍵のない夢を見る
思ってたほど読後感は悪くない。前評判を聞いて、覚悟していたせいかも。誰でもはまってしまいそうな、日常の中の落とし穴を描いた作品。直木賞の基準がわからないなぁ。辻村さんならもっと別の、掴める著作があると思うんだけど…。タイトルは各話の主人公が陥った『悪夢』のような現状のことだろうか。鍵がないから抜け出せない、というような。
読了日:9月19日 著者:辻村 深月

■今日のごちそう
初作家さん。ごちそうというのは、豪華な食事のことではありません。人生の一日としての「今日」食べる一食分の糧としての「ごちそう」。上手く説明できないけど。食べ物本好きの私ですが、短編で話がぶつ切りのせいか、あまり引きを感じず、なかなか読み進められませんでした。短編嫌いじゃないんですが、何かが合わなかったみたい。
読了日:9月18日 著者:橋本 紡

■約束の森
初作家さん。ドーベルマンのマクナイト目当てで。置き去りにされたうえに虐待を受け心を閉ざしてしまった犬と、生きる気力を無くした元公安の男との種族を超えた愛の物語…として読んだ。出てくる動物がみんなすごく良い味出してる。オウムのどんちゃんも猫のタイガーも大活躍。欲を言えば「もっとマクナイトを!」(笑)それと、犬を喋らすのは作品のトーンに合ってないような。最初から死亡フラグがピンピン立ってた彼が…だったのは唯一想定外だった。
読了日:9月15日 著者:沢木 冬吾

■渋谷に里帰り
たぶん初めて読む作家さんだと思うんだけど、何故か小路さんの著作だと思い込んでいて、読み終わった後でもそれで違和感ありません。坂岡女史の件は他人事とは思えない。女性だと言うだけで、同期どころか後輩男子より給料安いのは当たり前。役職がついてても新人の男子にお茶淹れなきゃなんなかったり。そしてもちろん、給料も安かったり。大会社で先進的な企業だと違うのかもしれないですね。でもね、坂岡女史。「その人じゃなきゃできない仕事」なんてのは、ないんだって。だから大変なのは、引き継ぎの人だけなんだよー。
読了日:9月13日 著者:山本 幸久

■クローバー・レイン (一般書)
大崎さんの業界ものは安心して読める。良い物語が必ずしも出版される本、売れる本とイコールではないという、大手出版社ならではの大人の事情をどう克服して出版にこぎつけるか。読んでいるこちらも、どきどきいらいらわくわく。作家達との交流も悲喜交々なのがリアル。原稿受け取ってもらえないの辛いだろうなぁ。主人公の過去話は少し陳腐だと感じたが、最後の最後で心掴まれた。私、若王子の怒りがイマイチよくわからなかったんだけど、一緒に怒られてしまいそうだ。
読了日:9月13日 著者:大崎梢

■チマチマ記
空港で飼い主とはぐれ、流れ流れて宝来家で飼われることになった猫の兄弟チマキとノリマキ。そのチマキ視点で語られるから『チマチマ記』。にゃんことご飯の部は文句なく可愛らしく美味しそうなんだけど、やたらカロリーカロリー煩いのにはげんなりする。一切の説明なしに、猫語を解する人や彼岸の方が当たり前のように登場することに少々困惑しつつ。これまた当たり前のように「生まれは男子だけど中身は女子」な人が出てきての、恋愛模様一歩手前みたいな。この設定、意味あるの?と思うが、それが長野まゆみなんだろう多分。
読了日:9月12日 著者:長野 まゆみ

■うちのまる ~養老孟司先生と猫の営業部長
養老家のまると先生の、いちゃいちゃ写真集(笑)。まると一緒に写っている養老先生の表情が、常にめろめろなところがたまりません。スコの遺伝疾患についても、さらりとですが触れてあります。『可愛いもの』を作出しようとする人間の情熱は、ときに残酷ですね。
読了日:9月12日 著者:有限会社 養老研究所

■ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖
舞台は幕末の京都。古道具屋「とびきり屋」のおしどり夫婦の古道具の見立てが冴えます、が…ほとんど奥方に持っていかれてる感じが。目利きは「ええもん」をたくさん見ることが大切、となると、老舗の道具屋のお嬢さんだった奥さんに、可哀想だけど真之助は勝てないのかなぁ。幕末の京都だけあって、だんだら羽織の方も出てきますが、それが芹沢鴨なのが不満。鴨、憎たらしいんだもん。
読了日:9月9日 著者:山本 兼一

■片付けられない女は卒業します
初辛酸。片づけられない女ったって、単なる自虐ネタで言ってるだけだろう、な~んて思ったら。載ってた写真、マジでした。ある意味、究極の自虐ネタでした。こんなの発表したら、ますます結婚が遠のくよ辛酸さん…。何をするのも「霊が…」というフレーズがついてくる彼女ですが、どこまでが本気でどこまでがネタなんだろう?マンション買うお金があるなら家政婦を雇うとか…新居は美しいままで維持できているのか、気になります。
読了日:9月7日 著者:辛酸 なめ子

■薔薇密室
初皆川(たぶん)。最初は時代があっちこっちへ飛ぶので、気持ち的にどこに焦点を合わせたらいいのかわからず、なかなか読み進められず。感情移入できる人物がいなかったので、常に物語を俯瞰しているような感じだった。黴毒が思ったよりも重要な鍵になっているのが、ちょっと意外。賑やかし程度だと思っていたので、そこは満足。あと10年若ければ、耽美の世界に嵌れたかも知れないが、今の私にはちょっとくどかったかな。読了後、ユーリクの一途さがやりきれず、物悲しい気持ちになった。「小序」は少しの救いにはなるが…。
読了日:9月6日 著者:皆川 博子

■文人悪食 (新潮文庫)
文豪のお気に入りの美味しいものを覗き見しよう、くらいの軽い気持ちで読み始めたんですが、私はタイトルを誤解していたようです。『悪食』でしたね。別に何もとんでもないものを食べているわけではないんですが、各々の生きざまが凄まじすぎて、読んでいて美味しいものどころじゃありませんでした。普通の本なのに、悪夢を見て「やめてええ」って叫びながら飛び起きました…。子規の晩年を思い返しながら寝たせいかも。安心して読めたのは池波さんくらいで、後の方達は破天荒すぎ、早死にしすぎ、結核多すぎ、薬中多すぎ。作品を見る目が変わりそう
読了日:9月4日 著者:嵐山 光三郎

読んだ本の数:17冊
■ブラック・アゲート
お菓子の上田さんしか知らなかったので、著者名確認してびっくり。哺乳類寄生性のアゲート蜂と人間との攻防…と書くと、いかにもバイオハザードめくが、むしろ社会派?(社会派の定義しりませんが、イメージとして)寄生の恐怖よりも、システム不備のせいで崩壊していく倫理や人間を描いている。私はバイオホラーを期待して読んだので、ちょっと残念。ラストも、西村寿行ばりに蜂の天敵が山のように飛来して大団円か、科学者が頑張って遺伝子操作して蜂全滅を図るか、と思ったんだけど…。
読了日:9月30日 著者:上田 早夕里
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■女ともだち
人って、何にでも慣れるんですね。さすがに「爽やか」とは言いませんが、そんなにドロドロもしてないような。どろ…くらい?登場人物の人間関係が複雑だったせいか、あまりインパクトを感じない作品でした。犯人誰だっけ?とちょっと考えないと出てこないくらいの薄味加減。私の記憶力のせいかもしれませんが(笑)。
読了日:9月27日 著者:真梨 幸子
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■眺望絶佳
スカイツリーの新人らしい初々しさ溢れる往信に頬が緩み、「~常に堂々と立っていなければなりません」という東京タワーの凛とした復信に涙線が緩んだ。東京タワーって、女性なんですか!?これからも足元の我々を二人で見守っていて欲しい。間の短編は「よろず化けます」と「おさななじみ」が好き。
読了日:9月26日 著者:中島 京子
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■白ゆき姫殺人事件
美人OL殺人事件の犯人を、記者の取材に対して語るという形で浮き彫りにしようという試み。この記者が低俗週刊誌所属なので、結局は噂話の域を出ないのだが、それだけに個々が事実を自分目線の思い込みで捻じ曲げて語るので、情報操作のように容疑者が一人に絞り込まれていく。うーん、なんだか薄かった。はっきりしているのは被害者と犯人だけで、犯行の動機や「本当にそうだったのか」ということさえも、薄ぼんやりとしているのが歯がゆい。巻末の資料は読むのが苦痛だったほど。普通に書いてくれた方が良かったと思う。
読了日:9月24日 著者:湊 かなえ
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■くちぬい
坂東眞砂子氏の著作は、どうも男女間が生々しくて苦手なんですが、今回もそんな印象。夫が定年する年齢だから65歳としても、妻は50後半?何十年もつれ添ってて、性交渉がないことがそんなに気になる年かなぁ。妻がもの凄く気にしていて、喧嘩の種になったりしているのに違和感が…。いや、仮にそういうものだとしても、そこを掘り下げなくても、と思ってしまうのね。犬にしても、そんなに可愛がってるなら、どうして家の中に入れてやらないのか…感性が合わない人の愚痴を延々聞かされたような著作でした。
読了日:9月22日 著者:坂東 眞砂子
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■千年鬼
表紙がコミカルだったので、コメディを期待して手に取りました。が、読んでいくにつれて、どんどん哀しい方向へ物語が収束していく気配が漂うので辛いです。子鬼は民を助けたかっただけなのに…。天上人のいかにも役人的な物事の進め方に憤り、褒美の結果に涙し、『千年』の重さに叫びそうになる、心動かされまくりの物語でした。そうそう、これタイトルと著者名が手描きなんですよね。気づいたときになぜか嬉しくなりました。
読了日:9月20日 著者:西條奈加
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■鍵のない夢を見る
思ってたほど読後感は悪くない。前評判を聞いて、覚悟していたせいかも。誰でもはまってしまいそうな、日常の中の落とし穴を描いた作品。直木賞の基準がわからないなぁ。辻村さんならもっと別の、掴める著作があると思うんだけど…。タイトルは各話の主人公が陥った『悪夢』のような現状のことだろうか。鍵がないから抜け出せない、というような。
読了日:9月19日 著者:辻村 深月
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■今日のごちそう
初作家さん。ごちそうというのは、豪華な食事のことではありません。人生の一日としての「今日」食べる一食分の糧としての「ごちそう」。上手く説明できないけど。食べ物本好きの私ですが、短編で話がぶつ切りのせいか、あまり引きを感じず、なかなか読み進められませんでした。短編嫌いじゃないんですが、何かが合わなかったみたい。
読了日:9月18日 著者:橋本 紡
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■約束の森
初作家さん。ドーベルマンのマクナイト目当てで。置き去りにされたうえに虐待を受け心を閉ざしてしまった犬と、生きる気力を無くした元公安の男との種族を超えた愛の物語…として読んだ。出てくる動物がみんなすごく良い味出してる。オウムのどんちゃんも猫のタイガーも大活躍。欲を言えば「もっとマクナイトを!」(笑)それと、犬を喋らすのは作品のトーンに合ってないような。最初から死亡フラグがピンピン立ってた彼が…だったのは唯一想定外だった。
読了日:9月15日 著者:沢木 冬吾
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■渋谷に里帰り
たぶん初めて読む作家さんだと思うんだけど、何故か小路さんの著作だと思い込んでいて、読み終わった後でもそれで違和感ありません。坂岡女史の件は他人事とは思えない。女性だと言うだけで、同期どころか後輩男子より給料安いのは当たり前。役職がついてても新人の男子にお茶淹れなきゃなんなかったり。そしてもちろん、給料も安かったり。大会社で先進的な企業だと違うのかもしれないですね。でもね、坂岡女史。「その人じゃなきゃできない仕事」なんてのは、ないんだって。だから大変なのは、引き継ぎの人だけなんだよー。
読了日:9月13日 著者:山本 幸久
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■クローバー・レイン (一般書)
大崎さんの業界ものは安心して読める。良い物語が必ずしも出版される本、売れる本とイコールではないという、大手出版社ならではの大人の事情をどう克服して出版にこぎつけるか。読んでいるこちらも、どきどきいらいらわくわく。作家達との交流も悲喜交々なのがリアル。原稿受け取ってもらえないの辛いだろうなぁ。主人公の過去話は少し陳腐だと感じたが、最後の最後で心掴まれた。私、若王子の怒りがイマイチよくわからなかったんだけど、一緒に怒られてしまいそうだ。
読了日:9月13日 著者:大崎梢
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■チマチマ記
空港で飼い主とはぐれ、流れ流れて宝来家で飼われることになった猫の兄弟チマキとノリマキ。そのチマキ視点で語られるから『チマチマ記』。にゃんことご飯の部は文句なく可愛らしく美味しそうなんだけど、やたらカロリーカロリー煩いのにはげんなりする。一切の説明なしに、猫語を解する人や彼岸の方が当たり前のように登場することに少々困惑しつつ。これまた当たり前のように「生まれは男子だけど中身は女子」な人が出てきての、恋愛模様一歩手前みたいな。この設定、意味あるの?と思うが、それが長野まゆみなんだろう多分。
読了日:9月12日 著者:長野 まゆみ
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■うちのまる ~養老孟司先生と猫の営業部長
養老家のまると先生の、いちゃいちゃ写真集(笑)。まると一緒に写っている養老先生の表情が、常にめろめろなところがたまりません。スコの遺伝疾患についても、さらりとですが触れてあります。『可愛いもの』を作出しようとする人間の情熱は、ときに残酷ですね。
読了日:9月12日 著者:有限会社 養老研究所
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■ええもんひとつ―とびきり屋見立て帖
舞台は幕末の京都。古道具屋「とびきり屋」のおしどり夫婦の古道具の見立てが冴えます、が…ほとんど奥方に持っていかれてる感じが。目利きは「ええもん」をたくさん見ることが大切、となると、老舗の道具屋のお嬢さんだった奥さんに、可哀想だけど真之助は勝てないのかなぁ。幕末の京都だけあって、だんだら羽織の方も出てきますが、それが芹沢鴨なのが不満。鴨、憎たらしいんだもん。
読了日:9月9日 著者:山本 兼一
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■片付けられない女は卒業します
初辛酸。片づけられない女ったって、単なる自虐ネタで言ってるだけだろう、な~んて思ったら。載ってた写真、マジでした。ある意味、究極の自虐ネタでした。こんなの発表したら、ますます結婚が遠のくよ辛酸さん…。何をするのも「霊が…」というフレーズがついてくる彼女ですが、どこまでが本気でどこまでがネタなんだろう?マンション買うお金があるなら家政婦を雇うとか…新居は美しいままで維持できているのか、気になります。
読了日:9月7日 著者:辛酸 なめ子
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■薔薇密室
初皆川(たぶん)。最初は時代があっちこっちへ飛ぶので、気持ち的にどこに焦点を合わせたらいいのかわからず、なかなか読み進められず。感情移入できる人物がいなかったので、常に物語を俯瞰しているような感じだった。黴毒が思ったよりも重要な鍵になっているのが、ちょっと意外。賑やかし程度だと思っていたので、そこは満足。あと10年若ければ、耽美の世界に嵌れたかも知れないが、今の私にはちょっとくどかったかな。読了後、ユーリクの一途さがやりきれず、物悲しい気持ちになった。「小序」は少しの救いにはなるが…。
読了日:9月6日 著者:皆川 博子
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■文人悪食 (新潮文庫)
文豪のお気に入りの美味しいものを覗き見しよう、くらいの軽い気持ちで読み始めたんですが、私はタイトルを誤解していたようです。『悪食』でしたね。別に何もとんでもないものを食べているわけではないんですが、各々の生きざまが凄まじすぎて、読んでいて美味しいものどころじゃありませんでした。普通の本なのに、悪夢を見て「やめてええ」って叫びながら飛び起きました…。子規の晩年を思い返しながら寝たせいかも。安心して読めたのは池波さんくらいで、後の方達は破天荒すぎ、早死にしすぎ、結核多すぎ、薬中多すぎ。作品を見る目が変わりそう
読了日:9月4日 著者:嵐山 光三郎
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8月のまとめ
読んだ本の数:16冊
■147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官
デビュー作同様、読み出したら止まらない。法医昆虫学、アメリカの作品には良く出てきますね。
キャラも魅力的だし、たくさんの謎が収束していくところはゾクゾクしました。読ませる力は凄いと思います。
惜しむらくは、ラストがなんか走りすぎかな…。仄めかされていた犯人の異常性とは裏腹に、動機が思い出
せないほど薄かった気がします。そこはもっと納得させて欲しいところ。
ラブ要素も不要。チームに恋愛が絡むと薄っぺらくなるので、できればなしの方向で。
あと、食事のお供には向きません。一生分のウ○という単語を見た気がします(笑)。
読了日:8月26日 著者:川瀬 七緒
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■昼寝の神様
初作家さん。表紙のわんこ、『銀シャリ』が気になって手に取った。
八百万の神がおわすとされる日ノ本、その神の数が減ってきている…という衝撃的なエピソードで始まるが、
あまり膨らまずに終わった感じ。
色恋沙汰をメインに持ってきたのが失敗だったかも。個性的なキャラもいっぱい出てきたのに残念。
『アイドル写真集を包むビニール袋の神(うろ覚え)』には笑わせてもらった。
読了日:8月25日 著者:松尾 佑一
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■ディミティおばさまと貴族館の脅迫状 (優しい幽霊7)
結婚した後に相手が貴族の跡取りだとか、本当は違う名前だとか判明するって離婚モノじゃないんですかね…。
本筋は犯人がなかなかわからず(私には)程良いサスペンス風味なのに、今回もまたロリが…。
しかも自分は毎回よろめいているクセに、それを棚上げして旦那の貞節を疑うとかあり得ないんですけど~。
ロリさえ真面目に生きてくれれば、こんなにイライラしなくてすむものを…。
読了日:8月23日 著者:ナンシー・アサートン
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■おいで、一緒に行こう―福島原発20キロ圏内のペットレスキュー
原発事故のせいで、愛する人を、安心できる家を、毎日の食事を、お世話してくれる優しい手を突然失った
動物たち。そればかりか、原発20キロ圏内からは、立入り禁止のため、人の姿も消えてしまう。
そこへあえて踏み込みレスキューするのは「母性から」だと言う中山さん。
法で終生飼育を謳っているのに、いざとなったら「捨てて行け」と言う国。ソ連でさえ、
チェルノブイリのとき、家畜を避難させるトラックを用意したというのに。
結局は個人が頑張るしかないのだろうか。何もしていない私は、せめて猫シェルターに寄付しようと思う。
読了日:8月22日 著者:森 絵都
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■ディミティおばさまと村の探偵 優しい幽霊6 (RHブックス・プラス)
全員がか顔見知りの狭い村なのに、そんなに殺人事件ばっかり起こってたら全滅してしまうじゃないか…
という懸念は、移住者で解決。犯人には度肝抜かれましたが。
ロリの悪癖さえなければなぁ。
他の男性と仲良くしていることを夫に告白して、「夫婦の絆が深まった!」って意味わからないんですが…。
読了日:8月22日 著者:ナンシー アサートン
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■ディミティおばさま幽霊屋敷に行く 優しい幽霊5 (RHブックス・プラス)
ロリが元上司の依頼で蔵書の鑑定に赴いたのは、幽霊が出るという噂の古い館。
住人は偏屈な年上夫と資産家で無垢な妻。今回はサスペンスの香りがぷんぷんします(笑)。
毎回既婚者のロリが男によろめくのにはげんなり。アメリカでは、恋愛絡みじゃないと売れないとか、
裏事情があるのかしら。
読了日:8月20日 著者:ナンシー アサートン
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■ディミティおばさまと聖夜の奇跡 優しい幽霊4 (RHブックス・プラス)
表紙のレジナルド可愛さに読んでいると言っても過言ではない。毎回ちゃんと内容を反映していて感心する。
キリスト教圏の方たちは、もっと嬉々としてプレゼントを選んでいるのかと思いきや(笑)。
そんなにしんどいならお互いに止めれば?と思うが、盆暮れのご挨拶や年賀状みたいなもんなんでしょうね。
しかしロリの周辺には、やたら美形が多くない?
牧師の説教へ繋げたいからなのはわかるけど、あまりにロリが俗物過ぎてちょっと引いた。
読了日:8月19日 著者:ナンシー アサートン
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■ブルー・ベル (ハヤカワ文庫―ハヤカワ・ミステリ文庫)
初作家さん。主人公が一匹狼じゃないハードボイルドを読むのは初めて。
キャラの立った仲間たちとの関係が良い味を出している。
一番驚いたのは、飼い犬のパンジイがメスだったことか。きちんとその理由までも説明されている几帳面さ。
今作のヒロインのベルに最初から死亡フラグ立ちまくりなのが気がかりで、心配で心配で一気呵成にラストまで。
一件落着、の直前の悲劇に呆然とした。人とはなんと儚いものなんだろう。だからこそ美しいのか。
ベルにはもっと、人生の喜びを味わって欲しかったのに。
読了日:8月18日 著者:アンドリュー ヴァクス
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■残穢
読み始めたら途中でやめられず、一気読み。
怪異と怪異の間に「私」の冷静な解説が入るので、恐怖の山場が一旦沈静されていい感じ。
穢れが数珠繋ぎに遡っていくので、最後の方にはどの家に何があったのか把握できづらい…私だけ?
2006年の夏に「私と夫」にあった「いろいろなこと」が気になって仕方ない。
最恐だという実話怪談「八甲田山」も気になるところ。でも怖いから、多分読まない…。
普段気にしていない物音って、気になりだすとものすごく怖くなる。敵は己の想像力か。実に夏向きの本。
読了日:8月17日 著者:小野 不由美
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■裏閻魔
初作家さん。凄い力でぐいぐい惹きこまれて一気読み。
深夜枠のアニメでやってそうなストーリー展開と煌びやかな男性二人、好みは分かれると思いますが
女性は好きそうな気がします。
なし崩しに不老不死にされてしまった男と、彼を慕う少女の純愛物語…と書いてしまうと陳腐ですが、
日々、文字通り成長していく少女が主人公の見た目年齢を追い越したあたりから、一気にテンションが上がります。
閻魔が唯一の仲間だと思っていた猫のくだりは泣けました…。
読了日:8月14日 著者:中村 ふみ
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■よろずのことに気をつけよ
江戸川乱歩賞受賞のデビュー作。まずは『呪い』がテーマということで期待して読んだ。
ラストのバタバタ加減と謎解き部分がイマイチなのは勿体ないが、鶴の鳴管のくだり等、人が気持ち悪いと
思うツボを心得ている作家さんだと思う。
タイトルにもなっている念仏がもの凄く好み。乱歩賞なのに、横溝の臭いがプンプンするところも好みだ。
これからに期待。選評にあった警察との協力の件も、会話の件も私は気にならず。
読了日:8月12日 著者:川瀬 七緒
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■鬼談百景 (幽BOOKS)
「残穢」の予約の順番が回ってくる前哨戦として。
装丁が凝ってる。特に裏表紙の見返しは単なる赤ではなく、血を連想させるような色。
内容は期待しすぎていたせいか、学校の怪談的な話がほとんどを占めていたせいか、思ったほどの怖さは
なかった。練馬の一家殺人のことだろうな、と思われる怪談が印象に残る。
怖さだけで言うなら、加門 七海の「怪談徒然草」の方がよっぽど怖い。
読了日:8月11日 著者:小野不由美
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■話虫干
最初は、明治時代の学生の話か…となかなか読み進みませんでしたが、タイムスリップ?あたりから俄然
スピードup(笑)。SFとファンタジーとミステリとオタク心が混ざり合った、不思議なお話でした。
初めて『こころ』を読んだ中学生のときは、「なんて辛気臭い話なんだ!」と思いましたが、
物語を愛したが故に物語を改変してしまうという、話虫の気持ちはよくわかります。
不幸な登場人物を幸せにしてあげたい、それが二次創作の原動力ですもんね。
英国の英雄的鷲鼻探偵には、謎を解決する勢いで頑張って欲しかったのに中途半端で残念でした。
読了日:8月9日 著者:小路 幸也
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■けむたい後輩
三人三様の嫌な女。私は栞子よりで読んでしまった。それはそれで問題ありそうな(笑)。
何をやっても抜群の才能を発揮する、病弱なお金持ちの娘って…存在自体がウザいじゃないですか…。
栞子も自分で立つ気がないんだったら、早く見合いでもして結婚すれば良いのに。
真美子の栞子への盲目愛は、最後にガツンと一発くらわすための布石なんだとしたら、
真美子こそが一番恐ろしい女だと思う。
読了日:8月7日 著者:柚木 麻子
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■猫除け 古道具屋 皆塵堂
相変わらず装丁が可愛い。猫だらけで素敵。
正直、前作を読んでから時間が経っているので、人間関係ほとんど忘れてた。
今回は主人公が変わって、叔父と妻に騙され、何もかも失った男が生きる気力を取り戻すまでの人情もの。
なによりも前作よりもにゃんこの鮪助さんの出番が多かったのが嬉しいところ。
三冊めがあるならば、今度は鮪助さんが大活躍する話も書いて欲しいな。
読了日:8月3日 著者:輪渡 颯介
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■サファイア
今回はいつもとちょっと違う湊さん。最初の頃の黒さはありつつ、そこに感動をプラスした感じ。
一皮剥けた?
「ムーンストーン」にはうるっときました。DV夫は許せないけど。
「サファイア」「ガーネット」は、湊さんの実体験が反映されているのでは?と思わせる冒頭から引き込まれました。
次作も楽しみにしています。できればもっと、どろどろしたヤツを。
読了日:8月1日 著者:湊 かなえ
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訴えますニャ
































