12月 1日(水)
AM07:45-
【EGO-WRAPPIN'とメス豚の太股】
昔.....「テルマ&ルイーズ」という映画を観た。
なんてことはない映画なのだが、ラスト・シーンが好きで、ずっと記憶に残っていた。
女性ならではの潔さというか、アホさ加減の先の可愛らしさというか.....。
女性だけの芝居を作ってみようと思った時、ふと、この映画を思い出したのである。
女だからこそ、女らしさとは? 女にしか感じることのできない痛みって、快楽ってなに?
生理であったり、出産であったり、堕胎であったり.....。
わたしが経験不可能な、もっとも初歩的な入口から入ってみた。
感覚でいうならば、陰口という扉を開け、尿道を通過して子宮という迷宮に迷い込んで.....みたいな。
おそらく、43年生きてきて、ここまで女性という生き物に興味を持ったことはない。
この感覚を、もっと早くに知ろうとしていれば.....
「あの女とも別れずに済んでいたのではないか?」
「中学生ぐらいの子供がいても不思議ではないんじゃないか?」
様々な想いが、過る。
女性が嫌いな男はいないが、どちらかというと、わたしは苦手である。
女性に好かれたくない男はいないが、わたしは、限られた女性に信頼を得ていれば充分な臆病者である。
ただ.....女性キャストのみの芝居を作ることになった以上、誰よりもその方々を好きにならなければいけないのだ。
わたしにとっては、ほとんど苦痛の域といえる。
ヘソ曲がりなわたしは、まずは嫌われることから入る。
好きを前提に入ってしまうと、言いたいことがいえなくなってしまうのみならず、好かれる必要はないわけで、好きになることに専念する為にも、嫌われる可能性有りの遠い距離感から、どれだけ距離を詰められるか? のゲームともいえる。
なかなか、好きになれないでいた。
好きになろうとすればするほど、空回りする。
どこかで、好きになろうではなく、好かれる必要はないのに、好かれたいが勝ってしまっていたからかもしれない。
となると、もう待つしかないのである。
待つ.....待つ.....。
待って、よかったです。
わたしは、待つことがなにより苦手なんですが、待っててよかった。
昨日の稽古で、ようやく、大好きになれました。
素敵な、方々です。
太股晒して、パンツ丸出しで、「なにが悪い!」って奴等になってくれました。
板の上に立つ者は、奴等であって欲しいです。
お客様よりも、高いところに立つわけですから.....。
どうか、わたしが大好きな【奴等】を可愛がってやって下さい。
坂上 忍