当時共に出陣した青江以外の4振りやそれを命じた審神者はもちろんのこと、本丸にいた刀剣男士たちも皆、”仲間が折れた”という事実に強いショックを受け、心に深い傷を負ったはず。
そんな中、青江はみんなを笑顔にしたい一心で、自分自身が負った心の傷には気づかないふりをして飄々と笑い、仲間にも笑いなよと促し、時に無理矢理にでも一緒に笑ってあげたりしてきたのかな。
その一方で、もともと実戦刀で戦慣れしているという自負があった青江は、戦場で仲間を守れなかった不甲斐ない自分を責め続けていたのかもしれない。
だから『もっと強くならなければ』という焦りをずっと抱えていて、仲間が増えるたびにその焦りはどんどん大きくなり、ついに耐えきれなくなって旅に出ることを決意した。
刀剣男士はお互い対等な関係であるはずなのに、どうして青江が『守らなければいけないものが増えた』『僕がもっと強ければ彼らは刀のままでいられたんだ』と、その責任を一人で抱え込む必要があったのか疑問だったけれど、歌仙の一件を踏まえれば納得がいく。
旅立ちの前、必ず無事に戻ると約束してほしいという主に、折れてしまうかもしれないから約束はできないと返したのも、一見残酷に思えるけれど、万が一のときに少しでもショックが少なくて済むよう、主に心の準備をして欲しかったのかもしれない。
そして旅の中でこれまでずっと目を背けてきた自身の中の様々な後悔と向き合い、『自分にそんな資格はない』と心の奥底にしまいこんでいたささやかな願いを吐露することで、青江は自分が本当はどれだけ傷ついていたのか、どれだけ辛かったのかを自覚することができたのだと思う。
だからやっと泣くことができたのだと思うし、素直に自分の弱さを認めてあげることもできたのではないか。
だから、旅から帰ってきた青江はあんなにも可愛いのだ。自分の弱さを受け入れることで片意地を張らず自分の気持ちを素直に表に出せるようになってきたから。
その結果こっちは毎度毎度本当に大変なのだけれどそれはとりあえず置いといて、そんな青江がきっと一番守ってあげたいと思っている『かわいい子』である今剣との今後が気になる。
なぜ今剣が祭であんなにも青江に懐いていて、そんな今剣を青江もあんなに可愛がっていたのか、今なら分かる。
今剣の記憶が戻ったとき、どうか青江がそばにいますように。もう一度あのときのように二振りが顔を寄せ合いながら、今度は心の底から笑い合えますようにと、そう願わずにはいられない。
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