すごい中学生! | 稲葉紳一のブログ

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様々な学びをサポートします。項目が、学び、青春、給食・栄養、中学1~3年の学習内容、自然観察、等に分かれています。各項目それぞれに学びがあると思います。

すごい中学生
 最近~数年前、新発見をした中学生がいます。いずれも、素朴な疑問『なぜ? どうして? 本当にそうなの?』から、それを調べたり確かめたりすることから、今まで常識と思われていたことが違うという発見につながっています。皆さんも日常生活において、普段から『素朴な疑問』を大切にしてほしいと思います。
 ノーベル賞を受賞した偉大な科学者の小柴氏も「常識を疑うことが科学の原点である。」と言われています。

①セミの寿命
   今まで、セミは幼虫として地中に長く生活し、成虫となって地上に出てからは、 約2週間の寿命と考えられていて、誰もそれをを疑うことなく、それが常識となっていました。しかし、ある中学生が『本当に2週間しか成虫として生きていないのだろうか?』と思い、実際に調査しました。多くのセミを採集して、背中にペンで目印をつけ、自然界に放ちました。それを何日も続けました。その結果、3週間や4週間も前に自分が目印をつけたセミを採集することができたのです。正確な寿命は、まだ確定していませんが、今まで常識的に考えられていた『2週間』とは大幅に違うことを発見したのでした。
      
②西から昇る太陽
   朝、太陽は東から昇り、夕方、西に沈む。当たり前のことである。しかし、あるアニメのテーマソングの歌詞の中に「西から昇ったお日様が、東に沈む~」というものがあり、そんな太陽の動きを見ることは無理だろうか? と思い、様々な計算をした。地球の自転速度、太陽の見かけの動く速度(角度)、中学校で習った速度の計算や、中学3年生の数学で学ぶ「三平方の定理」等を使って考えた。その結果、夕方、東京のスカイツリーのエレベーターに乗って上昇すると、わずか数十秒の時間ではあるが、西から少しずつ昇る太陽を見ることができるということを証明できたのである。
   ちなみに、計算上、地球の自転速度よりも早い速度で西に向かって走っても、西から昇る太陽を見ることができる。ではどのくらいの速度かというと、東京あたりの緯度の地点では、時速、約1700キロメートル以上の速度となる。
      
③花弁にも存在する気孔
   気孔は植物の葉の裏に多く存在し、二酸化炭素や酸素の出入りや蒸散等のはたらきをしている。葉の表側にも少しある。そして茎の部分にも少しある。しかし、花弁(花びら)部分には全く存在しないと考えられていた。世の中の植物学者でさえ、それは常識的なこととして疑うことはなかった。しかし、本当にないのだろうか?と思って、多くの種類・多くの数の花弁を顕微鏡で調べた結果、ものすごくわずかな量ではあるが、花弁にも気孔があるということをつきとめたのである。
      
④ダンゴムシの役割
   庭にいるダンゴムシ、これが嫌いという人もいる。そのダンゴムシを退治すると、植木鉢の植物にカビが生えることが多くなった。そんなことから、『もしかしたら、ダンゴムシが何かカビを予防する物質を出しているのではないだろうか?』と考え、様々な実験を繰り返した結果、カビの生育を阻害する物質が出されていることを突き止めることができたのである。
   なお、この発見は、小学校4年生の時に、何らかの防カビ作用があることを発見し、中学生になって、ダンゴムシとワラジムシのフンの中に含まれる細菌が出す物質が関係していることを突き止め、高校生になった時に、フンに含まれる細菌39種類のうち、13種類の菌から防カビ作用のある揮発性物質が出ていることを発見し論文として発表された。
      
⑤蚊に刺されやすい人・刺されにくい人
   姉弟の2人で、蚊に刺されにくさに差があり、どうしてだろうか?と疑問に思い、いろいろ考えた。姉と弟で、血液型も同じだし、食べるものの好き嫌いにも差がない。男と女という差なのだろうか? しかし父母や友人も調べたら、男女の差はない。ではなぜ? 様々なことを試していくうちに、靴下の匂いに蚊が集まってくることがわかった。それも、単に汗の匂いではない。特定の菌が繁殖することによって発生する気体に蚊が反応するということを発見したのである。ちなみに、汗や二酸化炭素にも少しは反応し、その場所に蚊が集まってくることは以前から確認されている。