旦那が行ってみたいと言っていた常磐道。
でも、子供たちはなんとなく連れて行きたくなくて、旦那と2人で行ってきました。

久しぶりに2人きりのドライブ。
天気もよくて、SAでソフトクリーム買って
食べたりして、楽しかった。


でも、第1原発が近づくにつれて、だんだん景色が変わります。

道路から見える町並みに、動くものがない。
人も、車も、ない。
田んぼも畑も雑草が生え放題で、屋根瓦が崩れたままの家が目立つ。

「もしかして、ここってもう立ち入り禁止のとこ?」

気付くまで時間がかかりました。

高速道路の両側に見える景色には、汚染物を入れた黒い袋がたくさん。
一面真っ黒になった田んぼ。
本当なら、綺麗な稲穂をつけるはずの田んぼが…野菜を実らせるはずの畑が…黒い袋で埋め尽くされていました。

それは民家の目の前にもおかれています。

見ると、
立派な家が多いんですよ。
新しい家もたくさんありました。
原発の恩恵を受けていたからなのかは分かりませんが、そこには豊かな暮らしがあったんだろうなぁと思いました。


「あれだ、第1原発だ」

旦那が指さす方を見ると、遠くにそれがありました。

震災以来、何度もTVで目にしてきた第1原発。
実際自分が見てみると、言葉が出ませんでした。
あれのせいで、どれだけの人がいまも苦しんでいるんだろう。
人生が180度変わってしまった。
福島が変わってしまった。

道路に何ヵ所か線量計が設置されていましたが、一番線量の高い場所では5.2を示していました。
4年たって、何キロも離れた場所なのに。

その時の気持ちをうまく表せる言葉がみつかりません。
でも、TVの画面を通してみた時とは違う感情でした。
ここが私のふるさとだったら…。
切ない気持ちでいっぱいになりました。

あの空気感、あの景色。
つらいけれど、自分の目で見なければ分からないのですね。


『福島にはもう住めない』

もしかしたら、そうなのかもしれない。
そうなってしまうのかもしれない。

それでも、私は福島に住んでいます。

どうか、これ以上の悲劇がおきませんように。