検証 | SHINN hair create SHINNのブログ

SHINN hair create SHINNのブログ

大分市要町にある美容室・SHINN hair createです。

今回のブログはマニアックです。
先日営業終了後、当店で美容メーカーさんを交えて薬剤レベルの検証を行いました。

今回の検証は只の検証ではなく、縮毛矯正毛にパーマをかけるという難しい検証です。

事前にパーマウィッグに縮毛矯正をかけてばっちりストレートにしています。
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右半分はアイロンプレスを強めにして少しダメージをだしています。毛先はダメージが出やすい様に量感を極力減らしています。
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この縮毛矯正毛にパーマをかけるという事がどれだけ難しい事かと申しますと、ゆで卵を生卵に戻せと言っている様なものです。たんぱく質がアイロンの熱で変異しているので、「普通」の状態ではない髪です。
縮毛矯正毛にパーマをかける場合は同じ熱変性でリッジを出す、デジタルパーマが最も有効です。
只、当店はデジタルパーマの取り扱いはしておりません。デジタルパーマが良いとか悪いとかではなくて、エアーウェーブの操作性とダメージ抑止力、スタイルの再現性が私は気にっていたので後者を導入しました。

エアーウェーブの最大の特徴はクリープとガラス化という反応でウェーブを形成する所です。意味合いが少しずれるかもしれませんが、パスタ(髪の毛)を湯がいてほぐして(クリープ)固める(ガラス化)と言ったニュアンスですかね・・?ホット系パーマに比べ温度が非常に低く、低ダメージでウェーブ形成が容易です。ウェーブの再現力も高く、ロッド回転数に対してほぼ同一のカールがでます。(0.25回転程ダレがある感じもありますが・・)

そのエアーウェーブと酸性領域で還元が行われるラクトンチオールをコラボさせて実際にウェーブ形成がどこまで出来るか試してみました。
パーマ液は強い順に大まかに言うと、チオグリコール酸系、チオ+シス系、シス+チオ系、シス系、コスメ系、酸性系と分かれます。チオ~コスメ系までは薬剤のPH値がアルカリ領域にあるので簡単言えば痛みやすいです。ただアルカリ性でないと毛髪のキューティクルが開かず液が浸透せずウェーブ形成ができません。なのでダメージレベルに合わせて上記のパーマ液を使い分けます。
今回使ったラクトンチオールはPH値が酸性領域にあるため、還元が凄く柔らかく行われます。但しダメージレベルが1~2の毛髪では薬剤反応が弱すぎ、全く反応示しません。ダメージレベル3~5の毛髪に対しての薬剤です。ダブル還元の際にもよく用います。

さて、実際にワインドをして薬剤塗布です。半分ずつ薬剤を分けて比率を変え検証をしてみました。
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薬剤や比率、放置タイムは企業秘密の為詳しく書けませんが一応テストカール画像です。(美容師さんなら画像を見ると察しが付くとと思いますが・・)

テストカールが済み中間水洗を終えていよいよクリープ+ガラス化です。
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つくづく思うのですがラクトンチオールはフェイクカールが凄いです・・2液に移る際は勇気がいります。

ロッドアウト後、プレーンをしてのドライ前の状態。左右のウェーブの差です。
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ドライ後。見事なまでの差です。薬剤を半分づつ変えての結果です。バックは更に細かくロッドごとに薬剤を変えています。
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正面から見て右のウェーブは見事かかりました。

このダメージレベルとたんぱく変性では、ある特定のやり方で問題無くかかるという事が立証されました。但しダメージレベル、変性の度合い、ハレーションの進行度によっては施術不可能の場合もありますが・・

基本的に縮毛矯正毛にはパーマをかけるのは危険という認識には変わりません。やはりリスクは高いのです。只、髪型を変えたい!と思ったらすぐに変えたくなるのが女心・・出来る限りその期待に答えれるようにしておく必要があります。こういう難しい技術を解決するのも美容師冥利につきます。