ローマの「ネロ」という名前を知っている人は世界の歴史についての知識が相当豊富な人かもしれない.

      

   ネロ Nero Claudius Caesar Drusus Germanicus

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%AD
 

2000年前のローマ時代が如何なる時代であったかは,イタリアに旅行をしたことがある人ならば大体のイメージは湧くだろう.ローマの街にはその当時の建物やインフラが未だに残っている.凄いレベルの文明であったことは確かである.但し,統治の仕組みはかなり苛烈で,ローマ帝国第5代皇帝ネロは要職に就く者や民衆を平気で蹂躙していたようである.特に,重要な点として,「...ネロの暴君ぶりは元老院議員の生死まで左右した。62年にプラエトル(法務官職)にあった者が宴席でネロの悪口を言った咎で処刑された...パッラスを含む多くの元老院議員が処刑された。65年に元老院議員ガイウス・カルプルニウス・ピソを皇帝に擁立する計画が発覚し、ピソに連座してセネカが自殺を命ぜられている。...55年のブリタンニクスの殺害に始まり、59年に母(アグリッピナ)、62年に妻(オクタウィア)、65年にセネカを殺害、加えて64年に発生したローマ大火の犯人としてキリスト教徒を迫害した....」とある.
 で,そのローマ王であった暴君ネロだが死後の世界で如何なる生活をして来たかが私は気になっていた.最近,偶々読んでいた本に面白い記述があったので,今回はそれを記すこととする.☟は地獄のある場所に辿り着いた「陸軍士官」と地獄にいるある人物との会話の一幕である.文献1)


...ネロはあの方(皇帝)の家来で御座います.あの方に比べるとネロなどはヘッポコの弱虫です.幾度となく皇帝に反旗を翻したが,その都度いつも見事に叩き潰されてしまいます.けれどもネロも中々狡猾な男で,いつも監視者の隙を狙って逃げ出してはひと騒動を起こします.そして,捕まる毎に皇帝から極度に惨たらしい刑罰を受けます.いや,ネロ虐めは皇帝の1番お気に召した楽しみの一つで御座います....

 成程,死後の世界では生前とは打って変わって実に情け無いものだ.この本が書かれたのが今から100年程前であるから,実に1800~1900年間の長きに亘りネロは地獄にい続けているという訳だ.しかも,生前民を苦しめた所為で因果応報により自分が全く同じような目に遭っているのである.地獄の皇帝や為政者に幾度となく殺されて,虐められて過ごしているが,ネロは2025年現在も未だに霊界の比較的高い所でさえも這い上がって来れないに違いない.これは今現世に生きている我々にとっては大きな教訓である.権力を振り翳し,民を蹂躙する連中の死後の世界はそれはそれは厳しい酷い惨たらしいものであろう.
 つい最近,ネパールで暴動が起こって酷い汚職の疑惑のある首相や外務大臣が袋叩きに遭い,裸にされて叩かれて川に落とされる場面が映像として世界に知れ渡っている.

 

 

公金を横取りし私腹を肥やす汚れた権力者はこうなって当然である.だが,現世のうちにカルマの解消があった方が良いかもしれない.地獄に落ちると,ネロの如く1000年を超える時間が経っても,地獄の皇帝や民からの袋叩きは絶対に止まない.日本政府を裏で操る金融財閥の権力者共も今のうちに覚悟しておいた方が良いぞ.死後の世界,地獄の世界が如何に残虐極まりないものであるかを各々本でも読んで予め勉強しておいたらいい.

文献
1) John Sebastian Marlow Ward・浅野和三郎 訳:死後の世界,潮文社,pp.230-231,(1985).