水だけをエネルギー源として車を走行させたとする発明家がニコラ・テスラをはじめとして多く存在する.フリーエネルギー技術とは入力のエネルギーよりも得られる出力エネルギーの方が大きい永久機関技術のことである.フリーエネルギー技術を発明した技術者の中でもアメリカの発明家スタンリー・メイヤーについてはテレビ等で大いに名を馳せた技術者であり,その死因が大いに着目された点でネット上では有名である.(今後,物故者は歴史的人物として敬称は付さないことにする.)
スタンリー・メイヤーのアメリカのテレビ映像
スタンリー・メイヤーについては私は2011年にベンジャミン・フルフォード氏の講演動画の中で知った.その後,フルフォード氏の著書を入手し読んでみて興味が大いに沸いてきた.
スタンリー・メイヤーの発明技術の内容は水分子に正負の高電圧パルスを作用させ,省電力で大量の水素・酸素混合ガスを発生させ,この酸水素ガスを内燃機関エンジンに周囲空気と混合させつつ噴射し車を走行させるというものである.この技術を開発したスタンリー・メイヤーによるとアメリカ大陸を水80ガロンのみで横断走破したとしている.
通常の水の電気分解ではKOHなどの電解液を大量に加えてH2,O2分子の単独の状態でガスを別々に収集させるもので,当然乍ら入力エネルギーが出力エネルギーよりも大きい.
一方,スタンリー・メイヤーの技術資料によると特殊なLC共振回路の仕組みを用いることで,数ワットの入力で大量の水素酸素混合ガスを発生させ,更に,レーザを用いて電子を抽出し,高い出力を得ている.出力の一部を入力に戻せば永久機関が成立する.永久機関は現在の物理法則に反する.然し,フリーエネルギー技術は実は100年以上も前から国内外問わず存在が報告されて来た.ということは,現代科学の物理法則自体が間違っている可能性が大いにある.
EUでは2040年迄にガソリンエンジンやディーゼルエンジンが搭載された自動車の製造が終了となる.我が国も逸早く電気自動車や水素自動車へ転換すべきである.これまで,水素エネルギー利用技術については工場の副生水素や再生可能エネルギーからの水素製造に多くの研究者が注目してきた.スタンリー・メイヤーは既に1980年頃から現在よりも更に一歩先を行くエネルギー源として地上にほぼ無限に存在する「水」そのものに着目していた.スタンリー・メイヤーへのインタビューによると,彼は既に1980年代後半にはこの技術開発をほぼ完了させ量産体制にシフトしつつあったし,アメリカのテレビにも出演し,国際エネルギー問題シンポジウムS.A.F.E.でも基調講演をし,ワシントンD.Cの当局で特許のプレゼンも行っていた.燃料として石油を使用しないので石油産業にとってはこの技術が進展し大きい成果を上げれば大打撃となる.石油産業の斜陽が叫ばれて長年経過しているが,未だ多くの人々は石油の恩恵ばかりに目が眩み環境汚染の問題には本格的に取り組んでいない. 21世紀のクリーンエネルギーとして幾つかある中で「水」の有するエネルギーに着目し,しかも,水素を製造する過程で殆ど化学的・電気的エネルギーを消費しないような技術が現に存在していたことになる.
スタンリー・メイヤーの発明の根幹となる技術は特殊トランスVortage Intensifier Circuit, VICである.通常のトランスは銅製のエナメル線を使用しているが,スタンリー・メイヤーが開発したVICのトランスの二つの塞流コイルはフェライト系ステンレスSUS430製のエナメル線製である.磁性を持つこのSUS430製のエナメル線は市場に出回っていない材料故に現状では入手が大変困難である.塞流コイルが磁性をもつステンレス製である所為で,共振時に電極では電流抑制が起きて,効率よく水分子の分離が起きるとのことである.通常の水の電気分解と異なるのはこの点である.VICの基本構造は100年以上前のニコラ・テスラが発明した2重巻きコイルから発展したものである.ニコラ・テスラの発明は多くあるが,その極一部しか世の中では認知されていない.
私はスタンリー・メイヤーの特許や技術資料を英文で一通り読んで装置の一部を自作してみたが,残念ながら全くうまく機能しかなかった.そこで,このブログではスタンリー・メイヤーの発明の内容を伝えることを主眼としてここに公表することを意図し,今後シリーズ化して行きたい.意欲のある若い技術者がこれを参考にして是非再現してほしい.
スタンリーメイヤーが書き残した特許や技術資料については次のサイトが詳しい.
次回以降スタンリー・メイヤーの多くの資料の中から,先ずは,ニュースレターから和訳をしてみる.