この御神示「超能力の開顕」(二)の最初に「はじめに」として次のことが縁信氏によって記されている.「御神示にあるように超能力の開顕は,吾々が想像するほど難しい行ではないと.近年,テレパシーや念動や空中浮揚などの出来る人が世界のあちこちにかなり居ることを諸雑誌で伝えている.ヒマラヤの山間部のある部落民は,其の何割もの人が空中浮揚で難なく谷間を飛び越えるという.これらは皆精神的な技法によるものである.その基本の行が”洗心と瞑想”ということになる.」
 この通信があった1982年から今年でもう40年経つが,巷で多くの人々が超能力を発現させてテレパシーやら空中浮揚が出来るようになったかというと,全くそのようなことになっていない.寧ろ,この文明の利器であるところのスマホばかりを弄り,肝心の精神の鍛練を怠っている.実に情けないことである.では,前回からの続きを読んでみよう.

「超能力の開顕」(二) (取次の神より) -続き-

 さて,汝等地球人に,超能力を開顕せよと申せば,是如何にも尋常にては得難き至難なる能力の開顕の如く思うなれど,前述せし如く人間本来自然に有する能力にして,是今,汝等が一時その能力を失念為し有る耳にて,汝等が危困為す程得難き能力にては非ざるなり.
 汝等想起せよ.汝等地球人は昔日より空中を飛翔せんと為す願望を抱きし事有るを.亦睡眠中に空中を飛びたる夢を経験せしに有らずや,此等今日汝等の潜在意識の内に抑圧為し有るも,是,嘗て汝等が空中を実際に飛翔せし在るも過去の記憶の再現なり.是を疑うもの有らんも,其の記憶中に全く存在しなき映像が如何にして夢中に再現され得るや,過去の記憶に残りたる映像と,現在の記憶との混同せし形にて夢の映像が実現され得るを知るべし.然らば,何故過去・現在の記憶が夢中にて混同するやと問う者有らん.汝等知るべし.是,人間の潜在意識と申すもの,過去・現在の区別は有れ,是を悉く包括為す記憶装置の一面を有する「今」の連続の意識なるが故なり.
 亦,是精神感応能力に於て然り.汝等が夢中にては言葉を一切交じ得ずして其処に登場され有る人物の意志を知るに有らずや,是,精神感応能力の記憶が夢中にて再現されたる映像なり.亦,潜在意識の世界には言語の必要性なきを物語るものなり.汝等が夢中にて,現実の言葉にて表わさんと意識為す時,速やかに其の夢より覚醒為す事実を憶うべし.是,言語にて表されんと為す時,四次元より三次元に意識の焦点が引き戻され,時間空間の制約を受けん為なり.
 是くの如く汝等地球先進人類の殆どの者達は,過去に於て超能力を備えし時有りしことを物語らん.
 更に現在汝等は「眼を以てものを語らん」と申すに有らずや.此の時一瞬の間の精神集中状態に拠る精神感応能力の働きし時なり.亦「以心伝心」と申すも是なり.汝等此の能力を再び吾がものと為すべく努力を惜しむなかれと申すなり.なれど断り措かん.今優良星界人達の悉くが,其の精神力にて土石を運び,自らの肉体を飛翔せるには非ずして,其の能力の有する者,一部の者耳なり.なれど精神感応能力は彼等の悉くが備え有る通常の能力なり.故に汝等地球人も.精神感応能力を備えよと申すなり.(続く)


<解説>
・我々地球人に超能力が開顕されると言えば,是はいかにも通常では中々得られない至難の業であるように思うけれども,前にも述べたように,これは今我々が一時その能力を忘れているだけであって,我々が困窮するほど難しい能力ではない.
・思い出してみると,我々地球人は昔から空中を飛ぼうとする願望を抱くことがある.また,睡眠中に空中を飛んでいる夢を経験したことがないか?
・これらは現在我々の潜在意識の中に抑圧されているけれども,これはかつて我々が空中を実際に飛んでいた過去の記憶の再現である.
・これを疑う者があるかもしれないが,その記憶中に全く存在しない映像がどのようにして夢中に再現されるか,過去の記憶に残っている映像と,現在の記憶との混同した形で夢の映像が実現され得ることを知るべきである.
・そうであれば,何故過去現在の記憶が夢中で混同するのかと問う者があるだろう.これは人間の潜在意識というものは過去現在の区別は有るけれども,これを全て包含する記憶装置の一面を有する「今」の連続の意識であるからである.
・また,テレパシーにおいてもそうである.我々が夢中では言葉を一切交えることは出来ないのに,そこに登場する人物の意志を知ることがあるのではないか?
・これは正にテレパシーの記憶が夢中にて再現されている映像である.
・また,潜在意識の世界には言語の必要性はないことを物語っている.
・我々が夢中で現実の言葉で表そうと意識するとき,直ぐにその夢から醒める事実を想い出してみよ.
・これは言語で表そうとするとき,四次元から三次元に意識の焦点が引き戻され時間空間の制約を受ける為である.
・このようにして我々地球先進人類の殆どの者達は過去に於いて超能力を備えていた時があったことを物語っている.
・更に現在我々は「眼でものを語る」というではないか.この時一瞬の間の精神集中状態によるテレパシーが働いている.
・また,「以心伝心」というのもこれである.
・我々はこの能力を再び吾がものとするべく努力を惜しんではならない.
・しかし,断っておくが,今優良星界人の全てがその精神力によって土石を運び,自らの肉体を飛ばせるのではない.その能力を有する者は全体の中の一部の者だけである.しかし,テレパシーは彼等の全てが備えている通常の能力である.
・したがって,我々地球人もテレパシーを備えよと言っているのである.

 今回も実に多くのことが語られた.睡眠中の夢のことが深く語られた.夢を深く分析することがある種の能力の発現に繋がるかもしれない.嘗て,霊界を探訪したスウェーデンボルグも自身の霊能力の発現は夢日記をつけるようになったからであると記録している.したがって,睡眠中の夢を朝起きて直ぐに記録する習慣を身に付けることから始めたらいいかもしれない.私は夢を記録しようと決心して既に2年程経つが,未だ何も能力は発現されていない.

引用=城戸 縁信:超能力の開顕(二),宇宙の理,ザ・コスモロジー,No.114,(1982).