私は今後国公私立問わず「大学」は不要になると考える.
 この大学不要論を唱える人々の中で古くは1970年代に「大学解体論」(亜紀書房)なる著書を書いた当時東京大学工学部助手の宇井純氏のような卓抜した先見の明のある人々が少なからず存在した.また,最近では堀江貴文氏のように有名な方もいる.ホリエモンこと堀江氏の言説を私は全面的に支持している訳ではないが,この点だけは私は好意的に見ている.彼はYoutubeで「大学に行かなくても今はネットで勉強できるし,現状はこの社会は実力社会だから給料は学歴には殆ど関係ない.大学に行かなくても民間企業として,或いは近隣住民として大学の施設を借りて実証試験をしたり,ある程度自由にできる云々」と述べている.
 一方,社会的な大変革が近々起こる可能性がある.その根拠は世界経済安全保証改革法National Economic Stabilization and Reformation Act 通称「GESARA法」の施行によりお金の仕組みが大幅に変わるからである.今,若者の多くは仕事をして高い給料を得たいが為に仕方なく嫌々大学に行って大卒という学歴を獲得しているのが現状である.しかし,量子金融システムQFSに基づいた世界共通のベーシックインカムUBIが配布されると,働いて仕事をして給料を貰うという古いシステムが徐々に崩壊するだろう.働かなくても一定量のお金は与えられるので,就職に熱を上げる必要はなくなる.自分が得意とする分野に進む,或いは,関心のあることを楽しむという社会になるだろう.
 では,今の大学は具体的にどのように変化させるべきか.先ず,学生は殆ど大学に入学しなくなるので,入試自体が形骸化するか「無し」となる.授業は少人数制となる.学生は一応就職活動をして企業から内定を貰い,そこで企業側から中退でも入社を認めるとなれば大学卒業さえもしなくなる.卒業研究なる面倒なことに取り組む学生は極少数であろう.そのうち教授会が開催され大学を民間企業として例えば,合同会社○○研究所というふうな組織に改める,となる.私は国公立という看板を掲げている多くの組織がこのGESARA法施行でほぼ全て解体されると見ている.民間の私的研究所だから入社してくる人々は年齢男女を問わず自分の関心と研究テーマが合致する部署に配属される.研究テーマについては当分は大学の時代に教授が取り組んでいたものとなるだろうが,数年で別のテーマに取り組まざるを得なくなるだろう.研究すべき科学分野は物質科学ではなく精神世界の方面に移っていくだろう.嘗て,レーザー技術の発明でノーベル賞を受賞したチャールズ・タウンズ氏がある論文で,「大学での研究というのは21世紀にもなると神とか宇宙,宗教などの精神世界や霊の世界の探求が主となるだろう.」という意味のことを述べている.ノーベル賞受賞者が全員素晴らしい人物であるとは私は思わないが,彼のこの発言は大変貴重であり今後大学の存続や解体に係わる人々が心すべきことであると強く感じる.
 GESARA体制への移行の進捗は実は順調である.大手マスコミはこのことを全く報じないが,日本でも明治以降の古い政治体制にある種の変化が密かに起こっているようである.ロシアを中心とするBRICS諸国では既にGESARA体制に移行しつつあるとみる経済アナリストもいる.したがって,今後の大きな社会の変化に大学関係者も対応するべく心の準備をしておかねばなるまい.いつまでも過去の唯物主義科学を中心とする研究業績をひけらかして大威張りしていると,後で大きな反省を強いられるだろう.