政治に関心がないと言いながら、昨日から維新の会の批判ばかりになってしまった。

 大阪維新の会は、当面は9月後半の堺市長選に集中したいようである。では、それを迎え撃つ現職堺市長側はどうなのか。

 「堺は一つ」をスローガンとするらしい。政令指定都市堺を、3つほどの特別区に分割して堺市をなくしてしまうのは反対、ということであろう。

 個人的な希望ではあるが、堺市は大阪市とは別であり一つではないことを、もう少し協調できないのだろうか。


 堺の知り合いから、少しおかしな話を最近聞いた。堺市のホームページの市政情報に、市の最高決定会議である「庁議」の報告がでているのだが、そのなかに千利休と与謝野晶子さんの資料館を整備する条例の概要が載っているらしい。

 早速見てみた。そこで、この施設の名称が「堺市立歴史文化にぎわいプラザ」になっていることに、唖然としてしまった。


 確かに、都市に賑わいは大事である。昨日の新聞でも、堺市役所の開庁記念式典で竹山市長は、堺旧港での複合商業施設建設、市役所前の交流広場整備、市民会館建て替えなどで都心部を活性化し、これからも住んでみたいと思えるまちづくりに取り組むと語ったらしい。

 施設を作ることも必要かもしれないが、問題はどのような施設を作るかである。


 名は体を表すというが、千利休さんと与謝野晶子さんの資料館が、賑わいプラザでは訳が解らない。利休さんのどこが、賑わいなのだろう。堺の茶室は、ヨーロッパにまで知られた「市中の山居」ではなかったのか。

 堺の市中の山居に興味を抱いて、全世界から大勢の観光客が来て賑わうのはいいが、最初から賑わいプラザと名づけてどうなるのだろう。このへんのセンスのなさは、いかんともしがたい感じがする。


 堺市ホームページは、文化観光局長による案件説明に「質問・意見等なし」と記している。

 庁議は、局長以上30人ほどで構成されているようである。誰も本当に、質問・意見はなかったのであろうか。

 都市の宝である歴史や文化を、安易に観光に利用しようとする命名としか思えない。


 この施設のある場所は市民病院跡地で、文化観光拠点整備事業として準備されてきたらしい。

 観光客用に広い駐車場やトイレも整備し、民間施設として湯葉と豆腐の梅の花、およびスターバックスコーヒーが、利休さん晶子さんの資料館の隣接地に入ることが決まったと聞いたことがある。

 しかし、資料館がにぎわいプラザなら、スタバが市中の山居になるのだろうか。考えるだに、不思議な命名である。


 維新の会も現職市長もどちらもどちら、どちらにも投票する気になれないと堺の友人は嘆いたが、全くそのとおりである。