対立より対聯(たいれん)の妙 | 四ツ谷の鍼灸師のブログ

対立より対聯(たいれん)の妙

少し視点を変えて、考えてみましょう。


昨今の世の中はあらゆるところで対立的に物事を捉えています。陽明学の安岡正篤氏は対立で無く対聯をもって物事を解決することを薦めています。


対聯的解決について、氏は次のように説明しています。以前労使間での賃上げ運動が続いたときに、労働者側が一万円の賃上げを要望し、経営者側が五千円しか出せないと回答し、七千五百円で妥結したとする。

この時双方が二千五百円損をしたと感じる。この様な解決方法では無く、双方が納得し未来に希望を持てるように知恵を出すべきであると説いています。


    それは労使双方に共通する増収増益について、何を為すべきかを協議すべきであると。

 

   第一次世界大戦直後にスウェーデンとフィンランドの間に発生した国際紛争オーランド諸島問題は、1921年国際連盟の新渡戸稲造事務次長が出した裁定によって、今も関係者の平和が守られています。


 身体のことについても、症状に対立的に臨むのでなく、対聯的に取り組むべきであると考えます。病は先に述べた通り、病因によって引き起こされます。病因に対応できる免疫力を保持して備えなければなりません。


  城防衛に例えますと、崩れた城壁を修復強化して弱体化した所を整備して、予期される脅威に備える必要があります。


 身体は免疫力を強化することにより、安心して過ごすことができます。「痛い・硬い・つる」などの症状排除に努めるのではなく、原因を是正する生活習慣の改善に知恵を絞るべきであると考えます


 東洋医学では、気・血の流れを良くすることで健康の維持増進を図ると考えています。そのポイントになるのが呼吸法の改善です。


  呼吸法は、腹式呼吸と鼻呼吸を実践するのがお薦めです。血の流れを良くするには、身体を温めることです。温浴による湯治がお勧めです。特に40℃以下のぬるま湯による半身浴は、簡単で、誰もが続けることが出来る健康法です。