【タイトル】
HISTORY OF ERIC CLAPTON  [DISC 2]
(エリック・クラプトンの歴史)
【アーティスト】
ERIC CLAPTON
【リリース】
1987/7/1
【トラック】
[1]SEA OF JOY
[2]ONLY YOU KNOW AND I KNOW
[3]I DON'T WANT TO DISCUSS IT
[4]TEASIN'
[5]BLUES POWER
[6]TELL THE TRUTH
[7]TELL THE TRUTH―JAM
[8]LAYLA

【総合評価】3.6


 前回[DISC 1]からの続き。[DISC 1]では『SPOONFUL』という演奏時間が約17分に及ぶ楽曲が入ってたが、[DISC 2]にそこまでの楽曲は入っていない。両方に共通しているが、大体長くならない楽曲はインスト(instrumental)だったりする。


 『ONLY YOU KNOW AND I KNOW』は本人が在籍していた[デレク・アンド・ザ・ドミノス]のデイヴ・メイソンの作品。それをデラニー&ボニーという夫婦デュオ(当時、のち離婚し解散)がカヴァーして、そのライブにエリック・クラプトンがライブツアーに帯同していたというエピソードが存在している。そういう訳で、このアルバムの楽曲に入っている女性コーラスはボニー・ブラムレットではないかと思われる。

 今でこそエリック・クラプトンが参加している事が注目されそうではあるが、当時の事情を探ってみるとクラプトンとしては迷走していた時期のようで、はっきり言って親交のあるアーティストに乗っかっていたというのが表現としては近い。技術としては既に文句の付けようが無かっただろうから、サポートとしてはこれ以上ない戦力に違いないが。


 全体として[DISC 1]に比べて[DISC 2]の方が軽快なナンバーが多い。『TELL THE TRUTH』もそうだったりするのだが、次の『TELL THE TRUTH―JAM』はほぼ別物。あれだけ軽快だったのにテンポを落とし歌唱部分も省いてゆったりしてしまった、原型は辛うじて残っている。


 最終曲の『LAYLA』は御存知「いとしのレイラ」、CMに採用されていたりもするが[DISC 2]の曲目では最も有名であろう楽曲。印象的なイントロから歌までは知っている方が多いと思うが、それは演奏時間3分くらいまで。そのあとをギター+ピアノの演奏で引っ張り、この曲も実は演奏時間が7分と長い。


 言っておく必要があるかどうかは分からないが、今回の作品はレンタル落ちだった。聴いた印象ははっきり伝えられる一方で、情報が大枠なのは各楽曲の詳細やライナーノーツも恐らく入っているであろう歌詞カードが無かったので何とかひねり出すしかなかったのである。

 そして元々の価格を見ると5000円を超えており思わず驚く。当時の2枚組がそういう感覚だったのか、はたまた音源が貴重であったためか。いずれにしろ1/20以下の値段になって購入した身としては肩身が狭い、しかしレンタル落ちとなって暫くの間購入される事がなかったのも事実である。


 作品として「エリック・クラプトンの歴史」などと銘打っているが、正直基本のキを押さえることが出来たのか当方としては実感できていない。しかも個人的にこの作品を購入した際、似たような時期にリリースされた作品をもう1枚実は入手している。今回のアルバムが参考になっていれば良いのだが、結果は次回に続く。(完)