【タイトル】
るろうに剣心 ―明治剣客浪漫譚― ベスト・テーマ・コレクション
【アーティスト】
(various)
【リリース】
1998/3/21
【トラック】
[1]そばかす/JUDY AND MARY
[2]Tactics/THE YELLOW MONKEY
[3]涙は知っている/涼風真世
[4]HEART OF SWORD ~夜明け前~ /T.M.Revolution
[5]1/2 /川本真琴
[6]It's gonna rain!/Bonnie Pink
[7]1/3の純情な感情/SIAM SHADE
[8]永遠の未来/アニメタル
[9]宿敵見参/アニメタル
[10]The 十本刀/アニメタル

【総合評価】3.5


 アニメーションの放映は1996~1998年。コミックスでも人気があったので、知名度は割と幅広い。それでも放送終了から20年も経っているので、リアルタイムで観ることが出来た世代は若くても20代半ば。

 そもそも当時はゴールデンタイムでアニメーションがそれなりに視聴率を取れていた、放映期間3年というのも今では有り得ない。今の観る価値も無いバラエティ番組で他局の看板番組に抵抗するくらいなら、アニメーションで他局に立ち向かう方が案外恥を晒さずに済むと思うのだが。


 この番組では『そばかす』と『1/2』をOP(オープニング)の前期後期で固定して、ED(エンディング)テーマを周期的に変えていった。大枠の物語が替わるごとにEDが切り替われば、どのEDの時期にどの話を放映していたか判りやすい。しかしながら一時期1つ前の楽曲に戻るなどコロコロ変わっていたような覚えがある、ただの記憶違いだろうか。

 何にせよテーマソングはスマッシュヒットの足掛かりになりやすい、この作品の収録曲も軒並みヒットした。『It's gonna rain!』に関しては楽曲がそこまでヒットしたとも、[Bonnie Pink]の名も大いに広がったとも思えないが当方がずっと覚えていただけでも意味はあったように感じる。


 90年代アニメーションのテーマソング集は「テーマソング」+「オリジナル」パターンも少なくないのだが、今回はテーマソングが割合として多めなのでJ-popのオムニバスでも良いくらいではある。とはいえ全10曲というのはちょっと少ないか。

 実を言えばEDがもう2曲あった。1つは和泉容の『ダメ!』、最初から最後までほぼ欠かさず毎週観ていた記憶があるのに最後のEDのメロディーが浮かんでこない。動画サイトで見つけて聴いてみてもやはりピンとこない、和泉容でそもそもピンと来ていない時点で既に曖昧な事が明白。そしてもう1曲はL'Arc~en~Cielの『the Fourth Avenue Cafe』、この曲に関してはまぁまぁ記憶にあるが流れていた期間が1ヶ月くらいだったので観ていなければほぼ知られていない。1ヶ月で打ち切られたのは「大人の事情」なのだが、ここで今更詳細を説明する必要もない。


 この漫画になると映画による「実写版」の話がちらつく。当方としては率直にどの映画も予告をTVで横目に見て終わり、本放送があっても気にも留めなかった。実写にはどちらかと言えば否定的だが、何も見ず頭ごなしに全否定するほど偏った考え方まではしない。ただ「るろ剣」に限っては、キャストが格好が良すぎるもしくは品が良すぎる。そして戦闘シーンばかりを宣伝で全面に押し出されても何処か引いてしまう、漫画が良かったのは真剣な部分と時折挟むコミカルな部分の緊張と緩和であってそこを表現できずほとんど消すようならばそれはただのアクション映画でしかない。


 結論としてこのアルバムを推すというよりは、各アーティストが収録曲の時期にリリースしたアルバム作品をピックアップしていくのが良いと思っている。いわゆる大ヒットを生み出す前後で少しばかり時期がズレた所に意外と秀作がアルバム曲で生まれていたりする事がある。普通には見逃される事も当然考えられるので、音楽好きならそこを掬い上げれてオイシイと思いたいものである。(完)