【タイトル】
BABYLON
【アーティスト】
SADS
【リリース】
2000/6/7
【トラック】
[1]Welcome to my BABYLON
[2]PRAYER
[3]アジト
[4]Feeling High & Satisfied
[5]ストロベリー
[6]What Can I Do
[7]Liberation
[8]忘却の空
[9]LATE SHOW
[10]GENTLE DARKNESS
[11]DARLIN'
[12]STUCK LIFE
[13]SAD PAIN
[14]Conclusion of my BABYLON
[15]赤裸々 ―new mix―
[16]CRACKER'S BABY ―new take― 
[17]SANDY ―remix―

【総合評価】3.3


 ヴォーカル清春を中心としたロックバンド。清春といえば[SADS]の前に[黒夢]ではあるが、1999年の[黒夢]の活動停止を機に[SADS]の活動がスタートしている。ややこしいのはこの2つのバンドは一緒の時間軸にはなくあくまで並行していたのであり、その後[黒夢]の活動を再開させた時期もある。[SADS]の第一期としては1999~2003年まで。

 少なくとも自分の同年代で周りに海外のロックに刺激を受けている人間はいなかったように思える、よって当方における「尖ったロック」のイメージというのは[黒夢]及び[SADS]から来ている。


 この作品は新盤で入手しているが今考えてもよく手を出したなと我ながら思う。ハッキリ言って[黒夢]にも[SADS]にも少しも嵌まっていない、購入の決め手としては『忘却の空』に違いないがその楽曲を採用したドラマは当時ほぼ全く知らない。ジャケットは紫に黒い蝶という若干手に取るのを躊躇い、しかも土台以外が紙仕様なので後々の保管を心配してしまう。

 その結果として100%の満足を得られてはいないが、後悔もあまり無い。その後も何度も聴き直すという事も正直なく、むしろ忘れていたくらい。そして今回改めて所有している事を確認してそこで満足していた、当方にとって不思議な存在のアルバム。


 知っている方は分かるだろうが清春の作る歌詞は曲調に沿ったと表現すれば良いのか、「えげつない」のが割と普通。むしろ近年のロックが生ぬるいと表現すべきかもしれないが、歌詞カードのデザインもゴリゴリにヴィジュアルロック色が出ている。

 しかしながら実際はラジオを中心にメディア出演を拒むような事もなく、インタビューには淡々と答える。ゲスいネタを扱う番組でも応じるどころか、全くのオープン。大笑いすることもないが、控えめに表情を崩すこともある。一般に見て思うイメージと違うせいか、そこに惹かれる根強いファンが少なくない。

 直結しないまでもそれを示しているのがオリコン順位。シングルは活動から暫くトップ5以内、以降も1ケタの順位を獲得している。当然ながらアルバムにも反映されておりこの『BABYLON』は1位を獲得した。


 [SADS]としては2003年に一旦活動を休止し、この間[黒夢]も活動再開をして一応終着点まで活動を続けた。その後色々あって[黒夢]そのものが使えなくなった、この辺の事情は調べればすぐに出てくる。取り敢えず[SADS]の方は2010年から再び活動しており、ライブ活動が中心。

 [SADS]のプロモーションでは清春のみの出演がほとんどなのでバンド全体が見えてこないが今のメンバーは4人ということになっている、これで過去のメンバー変遷を見ると驚くほど入れ替わっていたりする。(完)