【タイトル】
Every Single Day
―Complete BONNIE PINK (1995~2006)―
[DISC 2]
【アーティスト】
BONNIE PINK
【リリース】
2006/7/26
【トラック】
[1]So Wonderful
[2]Daisy
[3]You Are Blue,So Am I
[4]過去と現実
[5]Sleeping Child
[6]Tonight,the Night
[7]Take Me In
[8]眠れない夜
[9]Thinking Of You
[10]New York
[11]LOVE IS BUBBLE
[12]Private Laughter
[13]Soldiers
[14]A Perfect Sky
[15]Last Kiss

【総合評価】3.2


 DISC2は今の「BONNIE PINK」となってからの作品が中心ではあるが、ギリギリ「Bonnie Pink」時代の作品もある。シングル曲収録という事に関してはこちらのほうが割合としては高い。


  散々オリジナルアルバムの評からタイトル名を伏せつつ引っ張ってきた『A Perfect Sky』がここでようやく登場、この曲なら知っているという方はかなり多いと思われる。当時この曲のヒット及びシングルリリースとこのベストアルバムリリースが正に重なっていた事から、売る側は無論収録されていることを強調して推しまくる。それで手に取った方もいるだろう。

 当方のように半ば研究に近いスタンスで聴くのなら意味は大きいが、『A Perfect Sky』に引っ張られて高揚を煽る曲が割と入っているようなイメージで全体を聴くと肩すかしを食らう。それで期待外れだったと思っていたとしても、そもそもこの曲が当アーティストにしては際立たせている楽曲であると気付かなければならない。

 しかしそのことに気付いて教えてくれるメディアはほぼ皆無であり、周りで[ボニーピンク]をよく聴いている人間もいない場合が残念ながら多い。そして自ら聴いて初めてその現実を知らされる事になる、もし試聴でも出来ていればそれが見つめ直す大事な時間をくれるのだが。


 『A Perfect Sky』はDISC1から数えて実に27曲目。そこまで引っ張るかと思われるかもしれないが先程述べた通りこのベストアルバムの1ヵ月前にリリースされたばかりの「新曲」、通算シングルにして21枚目の作品なのである。なのでこの曲しか知らないとベストアルバムリリースに違和感を抱くかもしくは驚く、「自分が今までの楽曲を知らなかっただけなのか」と思うのは正しい感想ではあるが100%自己責任とも言い切れない。

 辛辣なことを言えばバラバラの周期で新曲をリリースしていたアーティスト側にも要因はあるように思えるが、そもそも本人を紐解く絶好の機会に焦点を当てようとしなかったメディアに問題がある。当ブログでは何か有ると大体メディアに責任を押し付けるが、今回に限っては本当に強く言っておく。サブタイトルを見れば一目瞭然、この時点でもう何年活動してきているか知らぬはずはないだろう。


 [ボニーピンク]といえば『A Perfect Sky』というイメージがあまりにもまとわりついてしまった。その曲がベストアルバムの最終盤となると、オリジナルアルバムを後から取り上げるには進行上苦しい。かと言ってオリジナルアルバムを先行させるにも知名度が結構厳しい。だから今回の構成は普段よりも難しいものであった。


 今現在作品のリリースは5年余り遠ざかってはいるが、他のアーティストの楽曲制作に関わったりして活動自体は継続している。前回神出(新出)鬼没と表現したようにまた不意打ちともとれるタイミングで発信する可能性もなくはないと思っている。(完)