【タイトル】
evil and flowers
【アーティスト】
Bonnie Pink
【リリース】
1998/4/17
【トラック】
[1]Evil and Flowers (piano version)
[2]Forget Me Not
[3]Your Butterfly
[4]Hickey Hickey
[5]He
[6]Eve's Apple
[7]金魚
[8]Meddler
[9]Masquerade
[10]Quiet Life
[11]Only For Him
[12]Fallen Sun
[13]Evil and Flowers

【総合評価】3.0


 3rdアルバム。パッと見てタイトルに同じ頭文字が並んだり他に被ったりしているという第一印象、そこに秘められた意味は特に無いのだが何処か気になってしまう。


 略歴を調べていると、この作品の前あたりから注目されるようになったという記述が見られる。当方は5thシングルで2ndアルバムに収録されている『It's gonna rain!』 を既に知っていた、これは某TVアニメのエンディングテーマで使用されていたためである。オープニングテーマとは違い一定周期で曲が変わるので短期間ではあったが、地上波のゴールデンタイムでアニメが放送されていた時代なので割と覚えている方は多いのかもしれない。

 しかし「注目されるようになった」という表現は本人には大変申し訳無いが何かひっかかる。辛口の見方をしているつもりはないが、新進気鋭と呼べるほど世間が注目していたかと当時の空気を必死に思い出す。少なくともTV方面ではそれは無かったような気がする。


 この作品のトラックを見た時点でも実際に聴いた後でも良いが、果たしてこの中からシングル曲だけを「これだ」と判別が出来るのか。閲覧者の方々にわざわざ尋ねるという事は、当方はそれが出来なかったという事の裏返しである。アルバム自体は見事にオリコンのトップ10に入ったが、収録曲はそこまでの好成績は残していない。ここがまた難しいところで何をもって皆がこのアルバムを聴くようになったのか、要因がはっきり見えてこない。


 当時作品を聴いた際の評価メモに、総合評価の〈3.0〉とあり横には「肯定的に」と丸囲みして付記してある。数字だけ見れば最も低くなってしまった評価で何が肯定的だったのか、答えとしては普通の捉え方とは異なる捉え方をしていたのである。

 つまりカフェなど洒落た飲食店などでバックに掛かる音楽としてはうってつけであると直感で思ってしまった。それはそこにある空気を阻害しない分メインで聴こえることはあまりない、ふと誰が歌っているのだろうと気になって初めて日の目を見る。

 この例えが的確だとは思えないが、少なくとも読書などの目の前の作業を邪魔するような事は無くいつの間にか全曲が終わっている。逆にこれを聴くことだけに集中しようとすると《まどろみ》に引きずり込まれる可能性がある。


 先の話をしてしまうと、この後も誰もがヒットしたと思うような順位を取れない状態が続いていく。順位が全てではないのは当ブログで取り上げる作品が示しているが、こうも音楽性が理解しきれていないと強く推すことが出来ない。この時点でも[ボニーピンク]というアーティストをうまく形容しかねるのである。完全に理解した時点で述べるのならばそれは何時になるか、到底見通しなどつかない。


 この作品のシングル曲は6th『Forget Me Not』と7th『金魚』。当たった方はボニーピンクをある程度理解できた気になっても問題ない。(完)