【タイトル】
ヘルプ/バナナラマ・グレイテスト・ヒッツ
【アーティスト】
バナナラマ
【リリース】
1989/4/16
【トラック】
[1]VENUS
[2]I HEARD A RUMOUR
[3]LOVE IN THE FIRST DEGREE
[4]I CAN'T HELP IT
[5]I WANT YOU BACK
[6]LOVE,TRUTH AND HONESTY
[7]NATHAN JONES
[8]HELP
[9]REALLY SAYING SOMETHING
[10]SHY BOY
[11]ROBERT DE NIRO'S WAITING
[12]CRUEL SUMMER
[13]IT AINT WHAT YOU DO
[14]NA NA HEY HEY (KISS HIM GOODBYE)
[15]ROUGH JUSTICE
[16]TRICK OF THE NIGHT
[17]AIE A MWANA
[18]VENUS (12” HELLFIRE MIX)
[19]LOVE IN THE FIRST DEGREE (EUROBEAT STYLE)

(意訳邦題)
[3]/[19]第一級恋愛罪
[11]愛しのロバート・デ・ニーロ
[12]ちぎれたハート
[14]キスしてグッバイ

【総合評価】3.3


 1981年に結成されたイギリスの女性ユニット、バナナラマ[BANANARAMA]。カレン・ウッドワード、サラ・ダリン、シヴォーン・ファーイが結成メンバー。今作品は1982年~1989年の楽曲で構成、日本でも大ヒットした。


 入りは上々。『VENUS』はタイトルでも知名度がある上に聴けば誰でもピンとくる、本当はオランダのロックバンド[The Shocking Blue]のカヴァーになるのだがバナナラマ版がバブルとディスコブームに乗っかって定着した。『I HEARD A RUMOUR』もタイトルだけでは難しいかもしれないが聴いたことがあるかもしれないと思う人間は多い楽曲。『LOVE IN THE FIRST DEGREE』もそんな感じ。


 何というか序盤の流れを崩したくないのか前半はどうしても似たような曲調で偏っている構成になっているなという印象は受ける、リリースされた時代が時代なので恐らく「ノリ」はかなり重視されていると思うのだが。

 その「ノリ」を大事にし過ぎたのか、マイナー調の楽曲がほとんど無い。怪我の功名と言おうか、かえってそこが際立ったため評価が良くなるという結果になった。惜しい楽曲もあったのだが、サビになってメジャー調にわざわざ戻したことが仇となった。


 アルバムタイトルに「ヘルプ」が付き、その『HELP』が新曲と触れ込みがある。しかしこれは[THE BEATLES]のカヴァー。『VENUS』と『I HEARD A RUMOUR』の二本槍では心許なかったので一応〈★4〉評価としたが正直この曲は誰がやってもうまくいく名曲、これで〈★3〉になるようでは駄作としか言いようがない。

 [18]のアレンジは率直に失敗と断言する。9分を超える楽曲になって完全に間延びした、収録楽曲が多い点を踏まえれば必要がなかったという表現も過言ではない。[19]のユーロビートに期待はしたが、テンポは速くならず遅めのユーロビート風と表現したくなる。これはこれで当時の最先端だったのだろうか。


 年代が年代なのか、それともレンタル落ちで抜けていたのか日本語のライナー・ノーツが無かった。歌詞カードも何故か無く、そうなると当然日本語訳の歌詞も付いていない。前回[KULA:SHAKER]のような妙な熱が入ったライナー・ノーツも戸惑うが、無かったら無いでこれも困る。


 [バナナラマ]は解散しておらず現在はカレンとサラの2人で活動している模様。(完)