【タイトル】
B [DISC 2]
【アーティスト】
SUPERCAR
【リリース】
2005/3/24
【トラック】
[1]Rainbow Rain
[2]Free Your Soul
[3]WAYDO
[4]UNIVERSE
[5]SORATOBI
[6]Row
[7]INTERMISSION
[8]HIRAMEKI INSPIRATION
[9]ANTENNA
[10]SCALE
[11]ALICE
[12]VOICE
[13]RORRIN' RORRIN' 
[14]FOX,DOGS AND DOVES

【総合評価】3.1


 c/wのみで構成されたベストアルバムの今回はDISC2、期間としては2001年~解散する2005年までの作品。繰り返しになるが、当ブログなりのプロフィールは前回もしくは評44を参照してもらいたい。


 前回説明した通り楽曲は年代順に並べられており、DISC1と2では一般に所属レーベルの違いがある。 しかしながら大きな違いはそこではなくDISC1の終盤からDISC2の冒頭にかけて音楽性が明らかに変化している点。少し戸惑うくらいにギャップのあるトラック帯が生じている。

 単純にDISC2のみだと所々異様に聴こえてしまうが、結論としてDISC1あっての音楽。この辺をうまく理解して消化できないと、『裏ベスト・アルバム』や『高すぎる作品群』などとポップで褒めちぎった店舗側の熱量を受け止めきれない。誰がこんな褒め方をしたのか、分析した上で本当にそう褒めるのならば表現した人物はかなりの強者。


 当ブログではお馴染みだが、この作品も例によってレンタル落ちの入手となった。同時期にリリースされたシングル楽曲いわゆるA面のベストアルバムは当然のごとく『A』なのだが、レンタル落ちの棚をいくら探してもその店舗では見つからなかった。『B』だけが落とされたのかとレンタル棚を確認したがそこにも『A』は無かった。他の誰かにレンタル落ちを入手された可能性を考える、『A』の方だけがそもそも置いてなかったとはあまり考えられない。

 正直な事を言えば「STROBOLIGHTS」が収録されているアルバム『HIGHVISION』 と、その後にフルカワミキこと元ヴォーカル・古川美季のソロアルバム『Mirrors』をいずれもレンタル落ちで入手してした事で何を思ったのか安堵して資料が集まったと思ってしまっている。中々他のアルバムを入手出来ないことがそういう思考にさせているのかもしれない、冷静に考えれば無論資料が集まりきってなどいない。


 [SUPERCAR]というバンドは今の30代後半くらいの世代が真ん中であったように思う。これは推測だがその下の世代に熱が思ったほど伝わっていない、更にその下になると熱どころかそもそも知られていないようになる。10年以上前に解散してしまったので今や誰かが掘り起こさないと当然埋もれてしまう、ロックフェスにも度々参加しドラマ・CM・映画で楽曲を知らず知らず聴いている可能性があるだけに勿体無い。


 「スニーカー系」というのは「ビジュアル系」の対極としての関心から成り立ったのである。物凄く大きく分けたグループに同時期活動した数々のバンドが並び、ルーツとなったであろう先人達や後に続いたバンドも同じ列に分類された。

 そして当時「スニーカー系」バンドと称されたグループが今でも活動していれば、「ビジュアル系」も実は残っている。しかし、対極関係だとかそこまでの熱が聴く側に無い。今の状況は様々な形態のアーティストが活動していると表現すれば無難だが、要はカオス状態なのである。見た目や人気ばかり気にする風潮や主題歌に引っ張られ過ぎる傾向が音楽を間違いなくダメにしている。 昔の「ビジュアル系」が見た目だけだと認識するのはそれこそ勘違いでしかなく今と一緒にされるのは困るし、主題歌がブームになるにしても一昔前であればもう少し分散する傾向があった。


 音楽を取得する方法は身近になったのと反比例して、地上波の専門的な番組や雑誌が少なくなっていったのは非常に痛い。技術や情報の発達と人間の情報収集の効率は必ずしも比例していない。だからといって人間の方に急激な向上を求めるのも酷な話である。(完)