【タイトル】
CARPE DIEM
【アーティスト】
YeLLOW Generation
【リリース】
2002/12/11
【トラック】
[1]Open Your Eyes
[2]CARPE DIEM ~今、この瞬間を生きる~
[3]北風と太陽
[4]逃げ水 ~Like a road mirage~
[5]LOST Generation
[6]Another “Myself”
[7]裸の王様
[8]2880316 ~地球最後の日の皆様へ~
[9]Christmas Card
[10]鬼灯
[11]I will never forget ~もうひとつの理由~
[12]And Just Open Your Heart

【総合評価】3.1


 某有名TVプロデューサーが手掛けたという大々的な触れ込みのもとデビューした3人組女性ユニット。2002年にデビューしたものの、2006年には解散している。

 無論このアルバムが1stアルバムという事にはなるが、アルバムとしての完成度は高いと感じる。完成度が高いというよりは真面目すぎるくらいの出来、番組企画のように扱われたくないのかかなり力が入っている。


 タイトルはラテン語、楽曲リストを見れば何となく伝わってくるだろうがかなり「作り込んだ感」がある。

 正直言うとそれが重たい。更に《全曲詞先言葉責め》という副題が付き、歌詞カードは縦書き。これが余計重さを増大させている。作詞をプロデューサー自身が手掛けているのだが、シンガーソングライターが歌うような内容。遊び心が何処にも無い。

 緊張ばかりで緩和が欲しかったのだが、ジャケットに写るメンバーも真剣な表情のタイプ。ここまで来るとタイトルの意味など最早訳す気にもなれない。

 これだけの内容でメロディが軽いわけがない。逆に重々しいというのもオーバーだが、ポップだとかそういう概念は欠片程度しか見つからない。良いように捉えれば、ヘラヘラした今時のアイドルの性根を叩き直すようなスタンス。


 このようなアルバムを初見の人間にどう伝えろというのか。CD自体はレンタル落ちで入手したのだが、それは『北風と太陽』というドラマ主題歌となったデビュー曲が入っていたから。今このタイトルで検索すると別のアーティストが出てくるが、『北風と太陽』といえば[YeLLOW Generation]なのである。どちらが良いか悪いかは別として。

 それで『北風と太陽』で一定のインパクトを残した事をきっかけに取り上げたいのだが、アルバムではそこが中心に来ずむしろ浮いているので自信を持って紹介出来ない。それでいて目につくのはサブタイトルが多いという言わなくてもいいような事。

 因みに『北風と太陽』が主題歌となった昼のドラマが「ドレミソラ」。学校を舞台としたドラマだが、主要キャストを見ると当時はそこまで注目していなかったが複数の生徒役が有名になっていたりしている。当然リアルタイムで観ることが出来ない当方は録画して割と観ていた覚えがある、今となっては理由がほぼ思い出せないのだが。


 結局のところTVプロデューサーと音楽プロデューサーは畑が違ったのかなと思った。両方とも手掛けることは不可能では無いのだろうが、どちらかのイメージがどうしてもついてまわる。ただ、今となっては停滞するTV業界もしくは音楽業界にはクロスオーバーが必要なのかもしれない。(完)