【タイトル】
MOMENT
【アーティスト】
SPEED
【リリース】
1998/12/16
【トラック】
[1]White Love
[2]ALL MY TRUE LOVE
[3]STEADY
[4]Wake Me Up! (growin'up! mix)
[5]ALIVE
[6]Body&Soul
[7]ナマイキ (愛♥♥♥Version)
[8]Go!Go!Heaven
[9]熱帯夜
[10]Luv Vibration
[11]my graduation
[12]White Love (Christmas Standard)
[13]White Love (Christmas Standard)※
※…instrumetal

【総合評価】3.6


 島袋寛子、今井絵理子、上原多香子、新垣仁絵の沖縄出身4人組グループ。言わずとも…と思うだろうが、このベストアルバムで19年前。この後1年半も経たないうちに解散してしまうので、大袈裟にみると実は活動が20世紀までだったのである(再結成除く)。だから今の中高生においても知名度はまだ十分あるという認識は、かなり危険。

 振り返りも含めてリアルタイムで見たことの無い方に向けた評になる。無論若年層だけではなく、この時期が多忙で忘れている方のためでもある。そしてメンバーの今現在とは分離して考えてもらいたい、本人たちというよりはその話題に興味が無いし関係もない。


 取り上げる時期をリリースと同じ時期にする必要もないのだが、このアルバムが『White Love』で始まり『White Love』で終わるという構成になっているのでそうせざるを得ない。確かにダブルミリオンを記録した最大のヒット曲だが、個人的には『STEADY』を頭に持ってきても良かったと思う。

 『STEADY』が最初のミリオンで2ndシングル、デビュー曲は『Body&Soul』、最初の1位獲得は3rdシングルの『Go!Go!Heaven』。最大ヒット『White Love』は5thシングルと説明するにはまあまあややこしい。しかし6thシングル以降1位とミリオンが続くことから、ここで不動の地位を確立したと言っていい。

 結果的になるがその1位が続いたところまで丁度このアルバムの範囲になっている、これ以上の「良いとこどり」は無い。セールスが初動でミリオン、最終的にはトリプルミリオンに到達したのも何ら疑問は沸かない内容。


 そして[SPEED]といえば伊秩広将、プロデューサーとして[SPEED]楽曲の作詞・作曲を手掛けた人物。 シンガーソングライターでもあり、同時期同じように活躍した大物プロデューサー達と肩を並べるのだが[SPEED]だけが手掛けた中で突出していたので案外知名度が高くない。森高千里など他にも有名アーティストへの提供はあるが、主なプロデュースとして挙げられるアーティストが多くない。例えば八反安未果などを挙げられても、一部の人間が「懐かしい」と思うだけなのである。


 今考えても[SPEED]ほど男女同等に幅広く支持を集めたグループは少なくとも同時期やそれ以降では他にいない。アイドルグループだったことも感覚的に薄く、[SPEED]は例えようもなく[SPEED]だった。1995年~2000年までの活動期間が長くなかったのも余計そうさせるのかもしれない。年明けの解散発表を行ったのが秋だったので当然大晦日の番組では関心が集まり、出演時の視聴率は50%超え。

 当方が世代だった事を実感したのは『熱帯夜』を聴いた時。この楽曲はc/w曲なのだが、昔聴いた記憶が何故かあった。シングルCDを持っているわけでもなく、このベストアルバムも[SPEED]の活動時期に入手していない。しかしながら何処かで聴いたから記憶があるのであって決して勘違いではない。同じようにc/wである『ナマイキ』にはピンとこなかった。


 ここまで売れたCDをレンタル落ちで入手することになった一因は、その形状。ベストアルバムということで箱状のケースに入っており、取り出しにくい。加えてケースが紙製のため、触れる回数が多いほど劣化が早くなる。要はあまりレンタル向きではなかったのである。(完)