【タイトル】
Love Forever
【アーティスト】
JYONGRI
【リリース】
2008/7/2
【トラック】
[1]Love Forever
[2]Tender Touch
[3]Kissing Me
[4]Unchanging Love ~君がいれば~ (with Whisper)
[5]Catch me
[6]Lullaby For You
[7]私の太陽
[8]泣いてもいいよ
[9]You're the One
[10]Lovers DRIVE
[11]The Chills
[12]Still in Love
[13]STARS

【総合評価】3.1


 簡単なプロフィールは前回の1stアルバムを参照、今回は2ndアルバム。前作同様、今作も作詞・作曲を全て本人が行っている。


 前回意見したのがハーモニーの多さ、曲全体の半分もしくはそれ以上でハモってくる。本人の「重ね録り」にしても全ての楽曲にもれなく入ってくると流石にそれでいいのかと思っていた。

 今作はコーラスの割合が増えたことにより多少の緩和はした、制作側がハーモニーが多いと思ったというよりはコーラスも増やしてみてはどうかと判断したのだろう。なので、頻度としては前作とそこまで変わっていない。更に著しく増えることもなかったが。


 今回主題としたいのは前作『Close to Fantasy』との相違。前回はどちらかと言えば1990年代後半にリリースすれば結果としてもっと飛躍できたのではないか、端的にもっと早く出てきてほしかったという感想。

 『Love Forever』はどちらかと言えば時間軸が逆方向。要するに今現在もしくはここ数年の実力派と言われている女性ソロアーティストと系列が似ており、それが2008年で既に出てきてしまっていると感じた。つまり今回は10年近く先取りしてしまったという印象。前回も同じようなことを述べたが2000年代中期~後期は若手のソロアーティストとりわけシンガー・ソングライターにはかなり厳しい時期。今更言っても仕方の無い事だが勿体無い。

 総合評価が伸びなかったのも「今っぽい」部分が起因している。しかしそれは個人の好みでしかないのでマイナスな話として捉えず、今の時代の音楽が好きだという方が聴けばもっと評価は良いだろう、というプラスに考えるべきだろう。

 もしかすると全然違うと思っているのは当方だけかもしれない、タイトルが示す通り今作はそういう雰囲気の楽曲が多めなのである。故に1stアルバムとは多少毛色が異なるだけなのではと思われてもおかしくはない。期間にして1年ちょっとの違いだが自分には約20年という時間の適性の差を感じる。


 当アーティストについてもう少し音源を取り上げても良いとは思うのだが、現在の時点でオリジナルアルバムは前回と今回の2枚のみしかリリースされていない。シングルは2010年までのリリース、他に楽曲提供をするなど音楽活動は続いている模様。


 シンガー・ソングライターというところはやはり評価の1要素とすべきだろう。今でこそ様々な存在が出てきており過大評価は禁物だが、それでも凡庸な人間ではないと才能の欠片もない自分は思う。評価してもらうにもJYONGRI〈ジョンリ〉というアーティストの存在を知るというのが無論大前提だが。(完)