【タイトル】
complete single collection '97‐'08
【アーティスト】
the brilliant green
【リリース】
2008/2/20
【トラック】
[1]Bye Bye Mr. Mug
[2]goodbye and good luck
[3]There will be love there -愛のある場所-
[4]冷たい花
[5]そのスピードで
[6]長いため息のように
[7]愛の♥愛の里
[8]CALL ME NAME
[9]BYE!MY BOY!
[10]Hello Another Way -それぞれの場所-
[11]angle song -イヴの鐘-
[12]Forever To Me ~終わりなき悲しみ~
[13]Rainy days never stays
[14]I'M SO SORRY BABY
[15]Stand by me
[16]Enemy
[17]Ash Like Snow

【総合評価】3.8


 デビュー11年目にしてリリース。11年という期間を長いととるか短いととるか、各々感じ方は異なるとは思うが個人的には活動からすると長かったように思える。そのあたりは後々説明する。


 まず1stアルバムを取り上げた際に触れたアルバムに『無い』もの、それはデビューシングル「Bye Bye Mr. Mug」及び2ndシングル「goodbye and good luck」の2曲。これらは当初ミニアルバム形式でそれぞれリリースされたが、日の目を見ることがなかった。
 それが3rdシングル「There will be love there -」がミリオンヒットし、グループが周知されるようになる。そして満を持して1stアルバムリリースというなかで「都合により」未収録という結果に。


 各アルバム作品を評価していくなかで一つ大きな数字というのが総合評価「4.0」。この数字を超えると『名盤』と見なすと最初から決めている。匙加減と言われればそれまでだが、あくまで1曲ずつ評価していった上での評価なので仮に作品全体としては不本意に思ったとしてもそこは変えられない。


 今回の作品は内容が濃い。《the brilliant green》の場合オリジナルアルバムにシングル曲が別バージョンで収録される事が少なくなく、原曲が収録されたベストアルバムは何処か新鮮さがある。なので中盤に差し掛かった時点で期待は大いにしていた、オリジナルアルバムを予習アルバムとして取り上げた甲斐もある。

 が、その「4.0」を超えることはなかった。『名盤』に準ずる作品には違いないのだが、その上はあと少し遠かった。普通ならば個々の楽曲に対する単純な評価に原因があるのだが、今回の場合は少し違う。


 それはグループとしての活動休止期間。まず[11]と[12]の間に9ヶ月の空きが出来ている、後に明らかにはするが別の音楽活動によるものでありメンバーが全く活動しなかった訳ではないがグループとしては活動休止である。シングルリリースとしては約1年半空いたが、評価の上でそこまで影響は出ていない気はする。

 問題は[14]と[15]の間、グループとして実に4年半の期間が空いた。この時も個々の活動で動いてはいたが流石に影響は小さくなかった。[15]以降の楽曲を聴くと今までと同じようではある、しかしながら以前の勢いがあった頃の「ギラギラ感」が感じられない。結果評価が伸びなかった、全てそうとは言えないが空白は時に「体に悪い」のである。


 故にデビュー11年でベストアルバムをリリースしたことに時間の長さを感じざるを得ない。リリースも短い間隔で出来た時代なので今に比べ短期間で十分な楽曲数とグループとして活動の充実があったはずである。もっと早い段階でベストアルバムがリリース出来たのではないか、そうすれば「思い出」のように感じることも無かったような気がしてならない。

 もっと言えば《the brilliant green》としてシングルもオリジナルアルバムも2010年を最後にリリースが無い。更にこの年の5月にギターの松井亮が脱退、川瀬と奥田という婚姻関係のある2人での構成となった。解散も活動停止も宣言していないにも関わらず、「過去」として感じてしまう事が今は無念でならない。


 それでもこのベストアルバムが屈指の作品であることに揺らぎはない。どの中で屈指かというのも説明するに難しいが、少なくとも1990年代後半にデビューしたアーティストもしくは女性ヴォーカルのバンド/グループとしてはまず間違いない。(完)