耳鼻科 | *食いしん坊による食いしん坊の為のズッコケ脱線レシピ *【 HARApeco-GOHAN 】

*食いしん坊による食いしん坊の為のズッコケ脱線レシピ *【 HARApeco-GOHAN 】

メインおかずから副菜、おつまみ・おやつなど 私の日常に繰り広げられるズッコケっぷりを織り交ぜてご紹介しています。得意技は妄想。必殺技は思い込み。

本当に久しぶりに、
耳鼻科に行った。


病院勤務を退いてからは、
医療機関自体にも殆ど行っていなかったので、
病院に行く、
と言うのはちょっとどきどきした。


しかも耳鼻科は恐怖でしかない

耳鼻科は子供に嫌われる診療科
No. 1だし、
大人だって嫌いだ。


鼻の穴をぐりぐりされることを
想像しただけで、
もう背筋が凍る思いだ。




でもそれでも、
年末からずっと調子の悪い
私の鼻腔を何とかしたいし、
しなきゃだし


重い腰をあげて耳鼻科に出向いた。




近所の耳鼻科は権威ある先生が
開業しているので、
いつも混んでいるし、やかましい。


けれど、今日は何故かすんなり診療できた。

名前を呼ばれて中待合を経て、
いよいよ診察だ。

いくつか質問をされて、
先生はニヤリと笑いながらおもむろに立ち上がる。


ファイバースコープで
普段見ることない鼻の穴の奥を見たら、いよいよ次はあれだ。

あくまでも素早く、
手際よくそいつはやってくるのだ。



いよいよくるぞ、
薬のついた脱脂綿を服鼻腔に突っ込まれる。



スー…ッ

ぐりっぐりぐり
………!

一仕事終えて、先生は

沁みるでしょう?
と、私に問いかける。


声なんて出ない。
でないけど、

ゔぁい。。。

私ははい、と答えた。





これが沁みない人がいるのであれば、
遭ってみたいものだ。
普段表舞台に出ることのない粘膜が、
脱脂綿で薬を塗られているのに
沁みないはずがない。
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痛くて痛くて、涙がぼろぼろこぼれて、
先生が笑いながら私の実家の話やら何やら、自分の兄弟のことだの
色んなことを話しかけてくるけど、
全然耳に入ってこない。



ショックで耳も悪くなったのだろうか、
と心配になるくらい入ってこない。
耳鼻科に来て耳まで悪くなるなんて、
それこそ本末転倒だ。



処方される薬の飲み方なんてもはやどうだっていい。
それにどうせ調剤薬局で
今日は風邪ですか?
熱はありますか?
病院と同じ事を説明した後、
一つ一つ見せて説明してくる。

私はあの時間が苦痛でしかないのだ。



採血をしてまた一週間後に来ることになった。


看護師さんに
次は結果説明だけですか?
と質問したら、

診察もありますよ♡と言われた。


看護師さんは明らかにウフフ、
と笑った。



翼状針の管から赤い鮮血が流れたとのと同時に、
頭の中で絶望のレクイエムが
悲しげなメロディで流れ始めた。


これほど次の週末が来なければいいと思った事はない。




気持ちは既にコバルトブルーだ。
さっさと終って、あったかいものでも食べたいな、と思っていたら会計に呼ばれた。


『お会計は、8.580円になります。」


…また涙が出てきた。