そべ神は、よき日まつれば、あすよりは、あけの衣を、けごろもにせん。


神楽歌(湯立・末)


承前。「そべ神」は「すめ神」と同じ。清浄な神をよい日にお祭りしたので、明日からは「あけの衣」を「けごろも」にしよう。民俗学では、非日常のハレと日常のケの区別をいう。そのように、ここでも「あけの衣」は神事に関るための服、「けごろも」は通常着る服、と解して差し支えなかろう。今日ではごくわずかな場所でのみ着用されている、神事用の装束として明衣(みょうえ)があるが、この歌の「あけの衣」と同じものだろう。