今日は「階位検定試験」のお話をひとつ。


まず階位とは神職資格の名称であり、階位を持たなければ少なくとも神社本庁包括下にある神社で任用されることはありません。浄階、明階、正階、権正階、直階の五段階があり、階位検定委員会による検定をへて階位が与えられます。このうち、浄階は同委員会で選考、本庁の役員会の承認をえた上で検定が行われることになっているので、他の階位とは事情が異なります。逆にいうと他の階位では、上記の選考や承認は必要なく、検定委員会が直接検定を行うだけになります。


また、明階以外における検定では「無試験検定」と、「試験検定」とがあります。各養成機関を卒業、あるいは講習会を受講して無事修了すれば無試験検定をへて階位が取得できます。これは一方で、試験に合格すれば階位が得られるということでもありますが、実際にはその後、複数の実習を修了しなければ授与されることはありません。また、直階の試験ならば簡単だろうと思われるかもしれませんが、少なくとも今のところ直階の「試験検定」は行われていないのです。


では、「試験検定」を細かくみてみましょう。まず試験といっても、筆記と実地(祭式および同行事作法)、小論文、口述試験とに分かれています。ただし、正階以下では小論文と面接を省くことができる、ということになっています。それにしても、こうして実地試験まであるのをみると(ない方がおかしいですが…笑)、一般の人がいきなり資格を取ろうとしても難しいことが分かります。祭式のDVDやビデオなどもあるにはありますが、独習するのは難しいでしょう。


また、この検定の中核に位置するのは、やはり筆記試験です。明階は五日間で21科目、正階は三日間で14科目、権正階は三日間で11科目を受験します。共通して午前十時開始、一時限60分。申請すれば学歴に応じて免除されること、一度合格した科目について五年間有効であることは嬉しいですが、厳しいですね。養成機関を卒業、あるいは講習会を受講して修了し、無試験検定で階位を取得する方が、語弊があるかもしれませんが「楽」でしょう。


ともあれ、この階位検定試験は、神職たるにふさわしい学識があるかどうかを検定するための試験ですから、現任神職はみな答えることができなければならない…ハズなんですが…ちょっと問題を見ても、これが、難しいんですよね(笑)


そこでこれから、どんな問題が出されるのかをたびたびお伝えして、自分なりの解答を考え、書いてみたいと思います。