このブログの上の方には、当社の本殿の写真が載っています。下方にはお神輿の上部や提灯、仮設テントが見えるのですぐに例祭のときの写真と分ります。それが分るのは、私のような職員や関係者くらいだと言われればそれまでなのですが(笑)、この写真を見て、「新川皇大神社」だと分らない方はいても、すぐに「神社」だと気づかない方は、まずいないのではないでしょうか。




それは、やっぱりこの本殿に、ある特徴があるからだと思います。




まず、中央の向拝部分(みなさんがお参りされる場所)の屋根に、角のようなものが二本突き出ています。これを千木(ちぎ)と言います。二種類ありまして、当社のように先端部分が地面と平行になっているものを「内削(そ)ぎ」、地面と垂直になっているものを「外削(そ)ぎ」と言います。大昔は屋根の建材の一部を×形にし、そこを縄などで縛って固定していたのですが、今ではほとんどの場合、装飾になっています。このように、千木のみを(屋根の外の部分だけを)別に作って設置するものを「置き千木」と言います。




それから、屋根の上にも何かありますね。写真のキャプションの「神社にまつわる」の「る」の部分、「徒然なる」の「る」の部分に見える(パソコンでしか確認できないかもしれません)ものは上でお話しした「千木」です。そして、その両側の千木に挟まれたものを鰹木(かつおぎ)と呼びます。「堅緒木」や「堅魚木」など、漢字ではいろいろな書き方をします。昔は屋根のおもしとして補強するものだったのですが、これも千木同様、今では装飾化しています。写真では見づらいのですが、円柱の胴の部分が外にふくらんだような形状をしています。そんな形状が、かつおぶしに似ているから鰹木と呼ぶという説もあります。




この千木と鰹木で、御祭神の性別が分ると言う人がいます。男の神様なら千木が外削ぎで鰹木が奇数、女の神様は千木が内削ぎで鰹木が偶数。奇数は陽の数で偶数は陰の数だということです。でも、神様が一柱だけならばよいのですが、多くの神社は複数の神様をお祭りしています。男女混ざっているなら、どっちにすればよいか迷いますね。また、主にお祭り申し上げている神様の性別によるとしても、例外が多いようです。さらには、古事記や日本書紀を読んでみても、男女いずれかはっきりしない場合もあります。したがって、千木と鰹木で性別が完全に判明するとは思えませんが、大まかな傾向であるとは言えるかもしれません。




さて、我が社の千木と鰹木はどうでしょうか。写真からすぐに千木が内削ぎであることは分りますね。鰹木は隠れて見えない部分もありますが、本殿の屋根に六本、向拝の屋根には四本、置かれています。




(ごんねぎ)