新宿区ホームレス生活保護裁判(新宿七夕訴訟)勝訴判決の御報告と御礼〜支える会より〜 | 新宿区ホームレス生活保護裁判を支える会blog

新宿区ホームレス生活保護裁判(新宿七夕訴訟)勝訴判決の御報告と御礼〜支える会より〜

既に各方面にていろいろな方が報告しているのでご存知の方がほとんどだとは存じますが
昨日、11月8日に新宿七夕訴訟(新宿区ホームレス生活保護裁判)の判決があり、
ほぼ全面勝利の「勝訴判決」となりましたことを遅ればせながらご報告いたします。

これまでのみなさまからのさまざまなご支援やご協力、傍聴の応援などがこの裁判を支えていました。
本当にありがとうございます。
昨日も多くの方に傍聴にきていただきました。ありがとうございました。
毎回毎回東京地裁103号の大きな法廷を埋められるのかというドキドキハラハラしながら期日を迎えていたのも事実です。
原告、弁護団、支援者だけではこのような訴訟を続けることはできず、このような判決は出なかったと思っています。
裁判の行く末をしっかりと見届けてくれている多くの方たちの熱い思いが、裁判官にも伝わっていたと私は確信しています。

この判決は、新宿区だけではなく、路上生活から脱するために生活保護を受けたいと願いながらも
原告と同じように保護申請を却下されたり水際でとめられたり、
希望しない施設に半ば強制的に入所させられる全国のホームレス状態の方・野宿や路上生活中の方たちへの誤った福祉事務所の対応・生活保護行政の「闇」に輝く光を照らす判決だったのではないかと思いました。

また、判決の主文には「居宅保護」という言葉があり
まさに路上からの生活保護申請と居宅で生活保護を受けることを求めることが
「当然の権利」であることが宣言されていると思います。
私はこの言葉を法廷で聞いたときに一瞬何か別の言葉と聞き間違えたのかと思いましたが、
「居宅保護の方法で保護せよ」という趣旨だとわかり、裁判長が「居宅保護」という言葉を発したのだ、その言葉が判決文の主文に入っているのだ、ということに身震いがして感動しました。
全国で数万人単位の方が無料低額宿泊所や、劣悪な施設などに入所させられ何年も放置されている。
路上から生保申請すると必ず施設入所を強いられる。
「居宅保護」を阻む差別的な現場の運用を覆していくことができる判決文だと思います。

現在、弁護団などは新宿区に控訴を断念させるべく厚労省や東京都、新宿区への申し入れに奮闘しています。
どうぞみなさまも「控訴するな」というムードを盛り上げていただきたいと思います。
また、弁護団と支援者グループでは近いうちにこの判決をうけて七夕訴訟の報告会を開催したいと考えております。
日程など決まりましたら、追ってお知らせいたしますので、どうぞご参加ください。

原告のYさんは、昨日は本当にほっとした表情で、久しぶりに満面の笑みを浮かべていました。
この3年間、過重なストレスを背負わせてしまい、精神的に非常につらい時期もあったと思います。
「個人がどんなにがんばっても、裁判で行政を相手になんて勝てっこないよ。相手は天下の東京、新宿だよ」
そんな言葉をたびたび口にされることもありました。
ストレス性の胃炎になったり、体調を崩したり、気分が落ち込んだり、
判決直前には心から笑うことができなくなっており、判決まで乗り切れるか・・・周囲がかなり心配したこともありました。

ですが、昨夜の判決後は、本当にほっとした様子で、笑顔でほころんだ表情で
「みなさんのおかげだ、たくさんの人が応援してくださったからここまでがんばれた、あきらめないでいられた、ありがとう」
と明るく元気に、そして朗らかにたくさんの人と挨拶をかわされていました。
もし原告に会う機会のある方がいらっしゃいましたら、この3年間の苦労をねぎらってさしあげてください。
全国で多くの方が見守っている、応援しているということが原告を支えてきた部分もあると思いますが
実際にお会いするみなさんと握手したり「おめでとう!」「がんばりましたね!」と言ってもらえることでさらに勇気づけられると思います。

これまでのご支援ご協力に深く感謝いたしますとともに
今後とも、七夕訴訟の原告、弁護団をどうぞよろしくお願いいたします。

                          新宿区ホームレス生活保護裁判を支える会