「国家主義」が「戦争を造って」きた | 未来を語る新宿老人党

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1.歴史に見る「市民の権利・義務」と「国家の役割」 

そもそも世界史上の「国家」概念にあって、「国家と市民の関係」が最も重要な課題であり、その関係はトキとともに変化してきた。ギリシャ・ローマの都市国家時代は「都市間の交易中心で「国富」を創り、トキに「隣国の富の奪い合い」で富を増やした。そこで「国家」は「市民」に対して「市民権・財産権」を認め一方、納税と兵役義務」を課した。

・なお「国家のリーダー」も、古代エジプト社会では「軍事力のトップが王」として君臨し、「独裁者・貴族連合・絶対王権・民主制・議会制」などへと変化してきた。またアラブ世界にあっては「統率力」の一環として「宗教」が利用され「民族と宗教」が複雑に絡み、「国内統治と隣国との領地争い・戦争」が重要課題になってきた。



2.「国家間の領土争い」が「軍事国家」を造った 

中世西洋では「農業中心社会」となり、スペイン、プロシャ、フランクなどでより「広い農地拡大」と「軍事力強化」が求められる軍国・農業国家」中心の絶対王政時代」になった。そこでは「貿易40%」に対し、「戦争40%」に拡がった。さらに大航海技術の発展によって、「新大陸への領土進出」の時代を迎え、富の略奪のための「植民地拡大」を競い、その典型例としてスペインが南米インカからの金銀によって栄えた。

その「絶対王政を転覆」したのが、英の清教徒革命・名誉革命であり、仏ナポレオンの市民革命だ。一般に「市民革命」は現代社会の目標像」とされるが、それは「国の統治権を市民が国王から奪取」し「立憲制」を確立したからだ。ただし当時の市民とはほんの一部の貴族層と裕福な商人層中心だった。



3.産業革命以降「経済力」が国力の基準になった 

次いで近世西洋では「産業革命」起き近代資本主義国家が誕生したそこでは「工業製品の生産力争い」が「国力の基準」とされた。これによって、物々交換をベースにのんびり、ゆったり生活していた後進地域の住民も強制的に近代国家の植民地へと組み込まれ、世界中が「資本主義経済体制」に組み込まれた。



4.その後「石油資源争い」、「軍国主義化」、「軍拡競争」に突入した 

現代への幕開けは「第一次世界大戦」だった。資本主義先進諸国が“離陸”し、「経済力」と並んで「軍事力」が重要な国力となり、先進国相互間の争い「市場拡大のための植民地」争いが激化した。さらに石油資源争いが勃発し、わずか30年以内に二度の世界大戦となった。

・大戦後しばらくは「米ソ冷戦」状態にあって、核開発競争経済力が「国力基準」となった。ただし、ソ連崩壊によって「米帝国覇権」時代になり、その結果、世界各地での「内紛・テロ」が相変わらず発生し、それらは「米国の圧倒的軍事力」によって制圧されてきた。しかも米帝国による世界制覇によって貧富格差が拡大し、現代社会の重要課題になっている。

 なお現代になると「武器の技術革新」が著しく、特に「核兵器」は「国家兵士間の戦争兵器」でなく「地球破壊兵器」になっている。そこで「核兵器は戦争抑止力」るとインチキ日本語を使いながら、「兵器開発争い」を続けてきた。さらに「宇宙開発争い」を取り込み、現代社会の国家的シンボル産業としている。今、日本の「原発産業」も次に儲かるビジネスとして『軍拡産業』を狙っている。



5.「ナショナリズム・国家主義」はヒットラーの遺産だ 

・最近日本の自民党保守派の中で、「ナショナリズム・国家主義」指向が強まっている。実はこれは85年前に登場したヒットラーがもたらした概念であり、もともとは「西洋文明の市民民主主義」の長い歴史に逆流して、英仏に対抗して日独伊が「暴走・戦争」のために持ち込んだものだ。同盟国は軍事力は強かったが、いかんせん多くのヒトビトの犠牲を伴うもので、「市民の支持は得られな敗北」した。日独は同時に敗北したが、その後の責任の取り方が大きく異なった。独国でも敗戦直後は、やはり「自分たちには責任がない、ナチがやったことだ」という態度も見えたが、敗戦40周年の記念日にヴァイツゼッカー大統領が議会で「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる」という有名な演説をし、「今生きているドイツ人にはナチの直接的な責任はないけれども、そのドイツ人の名において行なわれた犯罪の過去を一人ひとりのドイツ人が心に刻んで、それから教訓を汲み取って未来につなげる」と「責任」を明確にした。ところが日本では、トップ政治家が靖国参拝したり、慰安婦の強制連行問題を否定しており、過去に目を閉ざして、歴史の反省がない。「国家主義への復古」を謀っている。ただし、「強いニッポン」を政治アドバルーンに掲げるとなぜか支持率が上がるという現代選挙制度の矛盾があることも選挙民として自らを律する必要がある。

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