『行政情報』は『公開』が原則だ | 未来を語る新宿老人党

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2013.11.14 

 米国には「公文書公開」のルール」がある 

・被爆国日本の政権は公式には「核を持たない・作らない・持ち込まない」が、大原則だと宣言し続けてきた。1967年の沖縄返還に際しても佐藤元総理は「非核三原則は守る」と説明し続けてきたが、密使を務めたとされる若泉敬 が佐藤・ニクソン会談後の共同声明の背後に、「有事の場合は沖縄への核持ち込みを日本が事実上認める」という密約の存在明らかにした。それでも、自民党 政権は長く文書の存在を否定し続けた。

・ところが、当事者である米国には「公文書公開法」があって、いかなる「秘密文書」も所定の期間がくれば、「公開がルール」だ。国立公文書記録管理局 にて閲覧が可能になったので、戦時中の日本に関するアメリカの政府記録がすべて公開された。おそらく日本人が最も閲覧したかった、太平洋戦争に関する資料、真珠湾攻撃 宣戦布告遅延 アメリカ側の事前察知 といった疑惑の検証、 開戦前に日本の機械式暗号 が解読されていた証拠、原子爆弾 投下許可および目標都市の決定理由、スパイ・ゾルゲ 東京ローズ など謎に包まれた人物、日本の分割統治計画 極東国際軍事裁判 での戦後処理に関する資料などが公開された。とくに米国にとって「負の遺産」である書類も、指定期間を経れば、機密指定がハズされる。


 日本では、5年以上遅れた「情報公開」 

・日本でも2000 に成立した「情報公開法」によって、「沖縄密約」や「核持ち込み密約」文書も機密解除された。それでも2005年の西山事件裁判で「密約の存在があるのに違法に起訴された」として国家賠償 請求訴訟を提起したが、東京地裁 は「損害賠償請求期間 を過ぎているので、請求の権利がない」とし訴えを棄却、密約の存在には全く触れなかった。しかし、その事件 に関する膨大な量の密約証拠が戦後何十年も経って公開された。

2009年、民主党・鳩山政権の 岡田克也 外相は、外務省に「情報公開の一環として、密約関連文書を全て公開するよう」命じた。これにより2010年に、全てについて密約が存在していたことが明らかになった。このような経緯があったから、安倍などの自民党首脳は「鳩山と岡田の抹殺」に躍起となり、「特定秘密保護法」の制定を目論んできた。


 「情報公開法」の運用を活性化しよう 

情報公開法」は「国の行政機関 が保有する情報 の公開・開示義務を明確」にする画期的なもので、「国の情報は、国家と国民の共有財である」ことを前提としたものだ。

・そこで、これまでに地方自治体では「情報公開」が徐々に進み、「住民とともに歩む行政」が進展しつつある。しかし、自民党・保守系の首長である自治体では、まだ「非公開」とするところが多い。特に中央官庁や東京都では多くの問題が発生しており、「情報公開」が遅れているための住民訴訟が相次いでいる。

・だから、今回の「特定秘密保護法」の目的は、「情報公開法の形骸化」にあると考えられる。これは「国民の知る権利」の剥奪だ。国民は、この暴政に強く反対すべきだ。


 国家の秘密情報はできるだけ限定すべき 

・昔の朝日新聞の天声人語で、「憲法とは、『国民が権力を縛る』ものなのか?『権力が国民を縛る』ものなのか?」という素朴な問があった。正解は、「前者」でしかありえない。政府の情報は「お上の専有物」ではない、「国民の共有財産」なのだ。

・今回の「特定秘密保護法」の国会での議論を見ると、「まず、国家軍事情報は秘密が当然」と米軍におもねった意見がスタートにあった。このような発言する議員は「民主主義の原則」を理解していない。


 国際的には「ツワネ原則」が基本だ 

1)「国際基準」によると「国家機密」は例外の限定的規定だ

・今年になって、国家情報に関する新しい国際基準「ツワネ原則」が締結された。これは、この2013年6月に南アフリカのツワネ市で開かれた国際会議で採択された「国家安全保障分野での情報保持、あるいはそうした情報の暴露に対する処罰の権限について立法の際のガイドライン]をまとめともの。

・国家はややもすると、「国家安全保障」の名のもとに、人々の「知る権利や人権を無視」し、暴走することが懸念されるので、防衛計画や兵器開発、諜報に関する作戦などにおいて国家は情報開示を制限できる」が、「人権や人道に関わる国際法に違反する情報の制限は許されない」と明記したものだ。

・この法律制定に際しては、①独立した監視機関の設置、②秘密指定の最長期間を定め、解除を請求するための明確な手続きを作る、③公益性の高い内部告発者を守り、公務員でない者は秘密情報などの入手で罪に問われない、などを求めている。


 「軍事情報」は「一部のみ例外」が原則だ 

・すなわち、ここでは「国家情報の公開」を前提にし、「軍事情報を例外規定」として認めるが、その「範囲を厳しく制限する」ことを規定している。