むかーしお仕えした上司で、手土産や、会食先のレストランを、直前に「ダメだ」と取り消す上司がいました。

私の前任は、この手土産と会食先のダメ出しキャンセルを何度も何度もやられて、ノイローゼのようになってしまって、異動希望を出して異動してしまったというような、嘘のようなホントの話で。といいますか、その方の秘書は誰も1年続かないのです。

 

大抵秘書室ではどこどこの何がおいしいとか、この前これをもっていったとか、ここのレストランは会食向き、ランチMTG向き・・・そういった情報を共有しています(社内でも内緒の案件は別)、そのリストから、前回は中華だったから、今回は和食、お肉続きだからさっぱり系・・・と選ぶ参考にしたり、お土産も、この時期になると季節ものが出るからそろそろ予約しておこうか?と計画を立てます。

 

社としての色合いが濃い会合の場合は、ベテラン上級の秘書さんに「こういう時は小分けのお菓子」「こういう時は職場向けではなく、個人向けのほうがいい」とアドバイスをいただいたり、場合によっては、自腹でレストランを見に行ったり、お菓子を買って試食したりと個人レベルでも研究しています。

 

やりやすい上司だと、最初に「こういう感じで」といった大まかな展望があるので、それをもとに、いくつかリストアップができるのですが、

この上司には事前に相談をしようとしても「なんでもいい」「まかせる」「会長秘書と相談して」

とか、割とぶっきらぼうで、こちらの相談には耳を貸さないのです。

 

指示を真に受けて、「適当に無難なものを見繕う」ではダメなのです。

 

で、今日中には外商に伝えなければならないし、会長秘書のOKもいただいたし、これでいいでしょうと、リストをお見せすると

 

「ほんとにこれ?これなの?これでいいと思うの?」

 

と納得のいかないお顔。

 

結局その時は、お菓子じゃなくて、しょっぱいものにしろという話になり、慌ててデパートの外商に電話をかけて相談。。。出発の1時間前にやっと商品が届くというギリギリセーフ。

 

結局その日は午後全く仕事にならなかったのです。

 

①単純に私のことが気に入らないので、やることなすことケチをつけて、自信を失わせて、さっさとやめてもらいたい、あるいは、担当を変えてもらいたい

②自分はすごいんだぞと知らしめたい(実は小心者で自分に自信がない、あるいは部下に馬鹿にされたくないという気持ちが強い)

③秘書に自分のやり方を教え込むために、あえて簡単な対応はしない、Aと言ったりBと言ったり、常にいろんなケースに備えておけと成長をうながしている

 

前任もみな異動かやめているので、①のような私個人に向けた攻撃ではない

②というのは十分あり得る。秘書になめられないようにまずはマウントを取っている

ご自身がずっと③のスタンスでやってきた。1をいったら10を知れではないけど、100も1000も知って備えておけというスタンス。

 

私もまだ若く、素直でしたので、③だと思って(自分を成長させるためだと思って)対応していました。

 

しかし、この上司はどれだけいろいろ調べても、最初にもっていったものは、そんなんじゃダメ!とダメ出しをして、相手を焦らせる、焦らせて本気にならせて、2度か3度かで初めてOKを出す。

だったら余裕をみて、3日前、1週間前にやればいいじゃないかといってもそれは「まかせた!」「考えておいて!」で取り合わない。

そして一番困ったのは、最初に、その会合がどういう位置づけで設定されたかという背景の説明も全くなくて、超早口でわ~~っとまくしたてる感じ。

この早口でワーッとまくしたてる感じ、一切口を挟ませないというところがポイントだと後々気づきました。

 

いやあ、これも③式に考えれば、背景の説明などなんで俺がいちいちしなくちゃいけないの?そこは自分で情報収集するなり勉強するべきことじゃないの?秘書なんだから・・・と言われてしまえばその通りなのですが。