ルーティンに落とし込んだことはちゃんとやるにしても、気持ちの部分で「去る者追わず」となると、

もうそれは本当に楽でした。

 

 

他のことでもそうですが、私の場合、一所懸命やっていたことをひょいっと人に持っていかれたり、

「ぽこさんなんか」とひょいっとハシゴを外された後の方が、いいことが起きるんです。

 

不思議です。

 

断捨離したりこんまりすると、なにかちょっといいことが起きる、のと現象は似ています。

 

やはり次に行くべき時こそ、なにか起きるんです。

 

とはいえ「おれはお前じゃなくてもいい」

それが上司からの言葉なら、イコール秘書としては全く認められていないどころか、

スタートラインにも付かせてもらえない、ということですから、

かなり厳しい評価ということです。

 

ただ、それでも、上司と恋愛してるとか結婚してるわけではないのですから、必要以上に傷つく必要はありません。

 

あ、この上司は私ではなく、こちらの人がいいんだな、とだけ、理解して、それに対して、心が反応をしなければいいのです。

この「心を反応させない習慣」というのは、一見すると、秘書業務とは真逆を行くように見えますが、

実は秘書のような細部に気を遣って配慮をしなければならない仕事をする人には重要なスタンスだったりします。

自分を顧みることは必要ですけども、

ちょっと言われて喜びすぎたり、落ち込みすぎたり、

感情に支配されないことが重要です。

 

これは訓練で、いくらでもできるようになります。

 

出世するようなやり手の男性は、若い頃から女性にモテてきて、ご自分主導で女性と付き合ったり別れたりが日常茶飯事で、

女性の一人や二人泣かせることに、実はあまり罪悪感はありません。

特に優等生タイプだと、子供のころから母親にも溺愛され、自分ファーストで扱ってくれる女性ばかりに囲まれてきていたので、女性はこうすれば身を引くとか、黙って何もやり返さない、といったことが当たり前になってるのです。

 

ただ、ほんとうの意味での女の怖さをしらない、とも言えます、。それが彼らの唯一の欠点かも(爆笑)笑い泣き

数々の恋愛の修羅場を超えてきたような超絶モテ系上司は逆にそんなことはしないんですよ。

 

超絶モテ系上司は、自分のお気に入りの子を大切にしようとするときは、その周りの子にもものすごく気を遣います。気軽に話しかけたり、食事をごちそうしたり。周りをよくしないで、お気に入りにばかりあからさまに肩入れしていたら、どんどん雰囲気が悪くなって、結局そのお気に入りからも嫌われる羽目になるってことが、良くわかってるんです。

 

そこがわかってるかどうかの差。

 

 

私が気持ち的に退いたあたりから、

逆にクールさんは、私にあれこれ話しかけてくるようになりました。

これも全く不思議です。

あんなにこちらが下に出ていたときは、こちらのことをジャケンに扱っていた人がです。

今風でいうなら、クールさんはツンデレだったのかもしれないですね。

 

一方で親衛隊長さんは、コソコソするのを辞めることはなく、相変わらず美女さんのことが好きで好きでたまらない感じで、

私との距離感もすごくとったまま・・・でした。

異動の最終日も、他の上司は出発の時間を教えてくれていたのに、

親衛隊長さんは聞いても教えてくださらず、

私が数分離席している間に、身分証を私の机の上に置いていなくなっていました。

ある意味クールさんよりコワイのはこういう一途な人です。

一度思いこまれてしまうと、二度と挽回させてくれないタイプ。

 

しかし、この何を考えているのかよくわからない2人を追うことをやめたおかげで、

楽になったのは事実です。

一方で、他の3部長に関しては、心の底から誠心誠意込めて仕事ができました。

これも私の自己満足でしかなく、至らない点は多々あったと思いますが、

3人が私を見捨てずにいてくださったおかげで、副社長秘書への道へとつながっていきます。

 

美女さんの存在については、人事は扱いあぐねていたにしても、

美女の活用の仕方を間違えていた、

ということに尽きます。

 

私が副社長秘書になったら、彼女がそこで役員秘書のまま部課長室のお手伝いをする構図になるのかと思っていましたが、

そうはならず、やはり部課長室には別の秘書がきて、その秘書とも彼女は上手くやれず、

そのあとまた非常勤の相談役の秘書の部屋にいったかと思ったら、どこかに転職していなくなっていました。

 

仕事を奪う

時間を奪う

心を奪う

人と人との関係性に割って入る

 

美女さんはきっと幸せではなかった、ということに尽きるのです。

 

(長文お読みいただきありがとうございました)