中国では、「ゼロコロナ政策」を標榜にかかげ、上海(約2500万人)を3/27からロックダウンを開始しました。約1ケ月経過後の4/29に、ようやく上海市の半分(約1200万人)の地域でロックダウンを解除すると、市当局が発表しました。(Yahooニュース

 

   その一方で、北京市の一部地域がロックダウンに入りました。中国全土では少なくとも27都市で部分的あるいは、市全体でロックダウンが実施され、最大で1億6500万人が影響を受けています。(CNN)

 

   このように、中国共産党は、あっちこっちでロックダウンを行っていますが、Covid-19など存在しないことは、百も承知であり、ロックダウンの目的は別のところにあるのは、明らかです。

 

   では、一体何が目的でロックダウンを行っているのでしょうか。

 上海の状況

    上海の状況は決して、対岸の火事ではなく、グローバリストが推し進めている「全体主義政治」のもとで、食料不足になったら、どのようになるか指し示しています。  

 

上海ロックダウン、市民の抗議動画次々と拡散 - YouTube

 

  住民の話によると、今でも上海市内の店はほとんど閉まったままで、店は開いていても買い物はできないという。ネットスーパーもいまだ多くが再開せず、食料の調達は「政府による配給」や、住民同士による「共同購入」に頼っています。yahooニュース

 

  「共同購入」は、食料不足問題を解決するため、同じ居住区画(主に集合住宅)に暮らす住民同士が作ったグループチャットです。

 

  チャット内の仕切り役が、メンバーが必要としている食料や日用品を取りまとめ、メーカーや運送会社に連絡をとり、購入します。ちなみにグループチャットに参加するには、チャット内のメンバーからの招待が必要になります。

 ロックダウンによって商業と物流は制限され、政府が発行した食料輸送可能な通行証を持つ車両はごく限られています。それゆえ、1台の車両が可能な限り多くの食料を積載して搬送することになります。
「共同購入」の参加メンバーは、その車両が運んできた大量の食料をみんなで分け合っています。

 

  ただ、共同購入の食料の価格がロックダウン前の3~4倍にも膨れ上がっており、低所得者の生活は苦しくなっていくという。(JPpress

 

  食糧不足にくわえて、何週間も自宅に閉じ込められ、愛犬も殺されるなど、人々に不満が高まっています。

 

 中国共産党員はボロ儲け

  一般住民が困っている状況の中で、中国共産党(以下、中共)の政府関係者は、防疫政策を利用し、供給保証やグループ販売において巨額の利益を貪っているという。

 

  ある政府関係者は、タバコを大量に上海に運び、1カートンにつき100元(約2000円)の利益で販売するなどして、1日に合計1万元(約20万円)を稼いでいるそうです。

 

  また、中共の居民委員会の幹部が、食料を住民に配らず、高値で転売したり、盗んでいたことが発覚し、その情報を知った多くの住民らが抗議しています。

   上海ではオンラインショップやスーパーでも
食品の不当な値上げが横行しており、5キロの野菜と卵60個が通常の約4倍の398元(約8000円強)、上海高島屋では白菜・キャベツが78元(約1250円)、無許可のスーパーではチンゲン菜が26元(約520円)で販売されるなどしています。
 

 このように中共は、上海ロックダウンを断行し、市民を家に閉じ込めて大飢饉へと追いやり、さらに食料や物資の値段を釣り上げてボロ儲けしています。

 

 

 サプライチェーンの破壊

   中国は「世界の工場」ともいわれるようになって久しいが、中国の中でも、上海は経済の中心地です。上海の経済がストップしていることで、世界的なサプライチェーンにも影響が出ています。

 

  上海の港が閉鎖され、貨物運送業者が港のどこにも入港できずにいます。

トラック、倉庫、コンテナ貨物ステーションに貨物が詰まっているため、上海では、新しいコンテナが港に到着することが出来なくなっています。ZeroHedge

(2022.4.28 上海港付近の船舶)

 

 「私たちのサプライチェーンは非常に相互に結びついており、それらは脆弱になっているため、1つの場所で1つの問題が世界中の消費者に影響を与えるでしょう」(Tiura氏)

 多くの米国メーカーが中国のサプライヤーから原材料や部品を調達しており、それが重要な
電子機器や機械部品の不足につながります。Fortune

 

  上海港封鎖による世界的な影響は間もなく見えてきます。つまり、そのコンテナに何が入っていようと、出入国できません。そして、世界のほとんどが中国で生産された商品に依存していることを考えると、この夏以降は破滅的なものになるであろう。(Newstarget

 

 世界への影響

 日本は、中国から、冷凍野菜、鶏肉加工食品、うなぎ、大豆油、野菜、水産物などを輸入しており、今後、ますます外食産業、コンビニ、加工食品業界などに影響が出始めるでしょう。

 

農林水産物輸出入概況、R4.4

 

 中国からの輸入品に頼っている100円ショップは、特に影響が大きい。また、ビニール袋など、消耗品に不足が出始めています。

 

  自動車業界にも影響が出ています。トヨタやマツダを始めとして、部品が不足しているため、工場を止めて自動車生産を減産しています。

 

  日本に限らず、世界各国は、自動車から電化製品、医療機器、さらには医薬品まで、あらゆるものが中国から輸入しており、経済的な打撃や納期の遅延が余儀なくされます。

 

 ロックダウンの戦略的目的

 上海を始めとして、中国各都市でのロックダウンによって、世界各国が多大な影響を受けていますが、ロックダウンによる中国共産党の戦略的目的は2つあります。(naturalnews

 

1つ目;江沢民派の排除

  政治的反体制者である江沢民派を飢餓させることによって排除する。たとえ、罪のない人々が飢えることになっても。

 

  ヤン博士によると、「上海は習近平の政敵、江沢民元主席の周辺グループの領土であり、習近平はゼロコロナ政策でこの地域の支配を固め、上海を乗っ取ろうとしています。中国共産党は人命など気にしません」という。

  

2つ目:西側軍需品への阻害

  西側諸国への部品や材料のサプライチェーンを混乱させ、経済を傷つけ、ウクライナに送られる軍需品や兵器システムの製造能力を阻害することです。

 

  アメリカ、NATO諸国は、ウクライナに軍人を派遣し、軍需兵器をウクライナに送っています。もはや、ロシア-ウクライナ間での紛争ではなく、ロシア-西側諸国との戦争になっています。

 

  中国は、アメリカへの軍事用部品の供給を止めることで、援護射撃をしているのです。

 

  肩から発射されるスティンガー・ミサイルは、ウクライナで熱い需要があります。このミサイルは、ロシア戦闘機からの攻撃を阻止しているが、部品不足によってアメリカの供給が縮小し、対空兵器を生産することが出来なくなっているという。(strangesounds

   中国は、米ドルに基づく現在の世界秩序を変え、アメリカを弱体化させ、西洋文明を変えたいと考えています。これは、ロシア プーチンの思惑と一致しています。

 

  今後も、軍事兵器に転用可能な半導体や電子部品などの不足は続くものと予想されます。そのため、日本でも自動車製造、電気・電子機器製造への影響が続いていくのではないでしょうか。

 

  あと、先に挙げた中国からの輸入品目として、食品加工品を始め、100円ショップで売られている品物(消耗品、小物類など)、家具他も減っていくでしょう。

 

  これから、ますます不透明な事態が想定されるので、日本は、外国に頼らず、製造品目の国内回帰(国内生産)を目指すべきでしょう。

 

  本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。