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BOφWY [Analog]
7,800円
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見事にコステロ拝借。
シングルにはなっていないものの、BOOWYファンなら誰もがフェイバリットソングとして挙げる曲、ドリーミン。
マイナーバンドだった彼らが勝負をかけた3rdアルバムの幕開けを飾った曲でもあり、BOOWYの歴史、布袋氏の歴史を語る上で欠かせない名曲です。
まず、ポイントとなるのが、イントロのホーンセクション。この音で彼らがスターダムへの狼煙を上げたといってもいいくらいの衝撃を受けました。初期BOOWYの、こじんまりとしたサックスとはぜんぜん違い、新しくゴージャスな世界に連れてってくれるような大きな期待を感じたものです。
で、その正体なのですが、ピーヒャラ、ピーヒャラというホーンのフレーズは、もうこれしかない。踊るポンポコリンではなく、これ!
Elvis Costello & The Attractions - Let Them All Talk
エルヴィス・コステロの1983年リリースのパンチ・ザ・クロックというアルバムのオープニング曲。まー、うまく拝借しましたね。歌が始まれば、ほぼ別の曲といっていいのですが、この出だしのインパクト勝負みたいなところを見事にオマージュ(上手くパクった?)しました。
ドリーミンは、全体的に数々のニューウェーブバンドの影響を感じますが、やはり、コステロの存在は大きいといえます。メロディアスなコステロの曲達をうまくBOOWY流に消化していると思えるのですが、そんな中でも、この
Oliver's Army
オリバーズ・アーミーは、ヤバいです.メロディ、歌声、曲の完成度、どれをとっても素晴らしい、優れた1曲でありますが、サビのメロディーや、最後(2'38"あたり)のoh oh oh oo oh~♪ みたいなところ、キテますね。パクったというより、感覚的に無意識に歌ってしまったって感じですかね。
コステロはメロディやヴォーカル重視のアーティストですが、パンク・ニューウェーブの流れで出てきた人なので感覚的に布袋アンテナにひっかかりやすかったんだと思います。
1985年、BOOWYが心機一転を試みた3rdアルバムの1曲目として、それまでの尖ったニューウェーブ感をキープしながらも、ポップでメロディアスであること、キャッチーであることを付け加える手段として、そのスパイスがコステロだったんじゃないかと予測するわけです。
3rd以降、BOOWYは、どんどんポップになり、メロディアスでキャッチーな曲が多くなっていきます。それは、氷室京介の絶対的な歌唱力がもたらす部分もあるのですが、パンク・ニューウェーブの栄養をしっかりと吸収した布袋という男がいたことで、その時代の歌謡曲や王道ロック的な流れに沿わずに独自のオンリーワン路線を突っ走ることができたといえます。
それにしても、パクるのが上手い。というか、そこいきますか?っていう感じの抜き取りセンスがいいですね。抜き取った素材を料理して、違う味付けにして美味しく仕上げるというのは、なかなかできるもんではありません。
美味しくパクることこそミュージシャンの本質であります。