初めて | 秋田慎治オフィシャルブログ「one moment in my life」by Ameba

初めて

今でも忘れもしない、名古屋スターアイズさんに初出演は今出宏さんのバンドだった。
あれから10年。
今日は初めて、ここでのソロピアノ。

18時になって知った顔もちらほら。
岡崎Jazzでお世話になった方も来て下さって、その方とは4年ぶりの再会!
春のツアーでいつもお世話になっている堀さんや、いつも来て下さる方々、初めて来て下さったとおぼしき方々…。大阪からわざわざ来て下さった方も!

最近はセットリストも作って。
一曲目は"MY FOOLISH HEART"と書いてあるにもかかわらず、ピアノに向かった瞬間、頭になった音楽は“Piece to Peace"だった。まぁ、そんなもんでしょ。
ところが、すでにこの時、戦いは始まってた。
1曲目のイントロからずーっと一組のお客さんからぼそぼそと話し声が聞こえる。
実はさぁ。普段そういう環境に慣れてなくて。修行が足りない、としかいいようがないんだけど、そして、その瞬間、これは、修行だ!とも自覚してたんだけど、でも気になって仕方ない。

今日はこういう日なんだな。

前半が終わって団体のお客さんが来られて。
大丈夫かなぁと思ってた。特にソロピアノだしね。にぎやかしいバンドならともかく。

で、まぁ、ほら、今日はこういう日じゃないですか。案の定ざわざわしててね。

僕の問題だな。そういう人を招き入れてしまう。日頃の行いなんでしょう。
そういう意味では純粋にピアノを聴いてやろう、と思って来て下さった方に本当に申し訳なかった。
いくつかメッセージもいただいた。"何か、消化不良に終わってしまいました" "今度は名古屋以外の場所でききます(これ、名古屋の人ですよ)" "秋田さんのせいじゃないけど、気になってしかたなかった"

どうかなぁ。これって例えば、ステージ上から怒ったほうがいいんだろか?

演奏者から見たら、いつもどおりライブを楽しんでくれてるお客さんも、ふと来て会話も音楽も楽しむお客さん、同じようにイーブン。お客さん。問題はお店のスタンス思った。どういう店か。
後で聞いたら、お店の人、注意してくださってたんだってね。全然知らなかったけど。知らないくらいざわざわはいっこうに変わらなかったから。
本当に申し訳ない。音楽聴きに来て音楽に集中できないなんて。
酒のつまみに音楽っていうなら、スターアイズに来るな!くらいの事を言っていいのか?
いいんだろね。やっぱり、ほら、言い方が悪いけど、"豚に真珠"、どんな音楽やっていようと、興味のない人にはどうでもいいもんね。でも女性に真珠、だとしたら女性はしっかり真珠を大事にしたいだろうし。

でも、あえて言うとね。

僕はお金払って音楽聴く以上、そこがライブハウスと謳っている以上、それに満足できないならそれを言っていいと思うし、なんならお金払わなくたっていいと思う。
レストランで弾いてるなら別だよ?あくまでも"添え物"なんだから。

ライブでざわざわ、なんて初めての夜でした。
だからこれは、修行なんだな、と、ちゃんと音楽に集中して演奏しなきゃ、せっかく来てくれたみなさんに申し訳ない、という気持ちで演奏するのが精一杯でした。
今度そんな事があったら、きっと言っていいんだろな、聴けないなら、帰れって。

せっかく音楽を聴きにきてくれたみなさん、本当にごめんなさい。
音楽を楽しみに今日を楽しみにしてくれてたみなさん、申し訳ない。
ジャズの裾野を拡げる、なんてもっともらしいけど、僕は一見のそういう人たちより、音楽を聴いてくれる人を大事にしたい。