僕のいるアリゾナルーキーリーグでは数々の小さな問題が起こります。
アリゾナに今いる選手は、序列では一番上のビッグリーグ(メジャー)から数えると、上から順番に、
ビッグリーグ→3A→2A→highA→lowA→アリゾナルーキー→ドミニカアカデミー
となりますので、日本で言う6軍に相当します。
まあでも、日本流でいう6軍でも、単純に速い球を投げる、凄い変化球を投げる、パワーのある打撃、足の速さなど、ポテンシャルは日本人がイメージするレベルとは桁違いです。
6軍相当とはいえ、右投手はほぼ全員150kmは投げれます。160kmを超える投手もいます。笑
"荒削り"なので試合での結果はまだまだですがね。
(でも、ここにいる選手ほとんどは日本だと素材だけ見ればドラフト上位候補かも⁉︎)
そして、このアリゾナでは年齢も若い選手が多く、ここアメリカとは価値観の違うラテン系の選手も多く、そして精神的にもまだ成熟していない選手が沢山いるので、小さな問題が頻繁に起こります。
野球でのプレーはもちろん、プレー以外の取り組みやチームルールの違反、私生活の態度などです。
僕も2011年から4年間ホークス三軍の投手コーチをしてきましたので、その時のことを最近よく思い出します。笑
ひとりの大人として、社会人として、そしてプロ野球選手として、どうあるべきか。
プレー以外のことでもよく問題に直面してきましたから、当時三軍選手に僕が頻繁に言っていた言葉を思い出します。
みんなを集めて
「野球以外のことばかり注意したくない!」
「いいかげん、野球の話をさせてくれ!」
「ここはプロ野球だぞっ!」
ってね。
懐かしいです。笑
でも、今思えば野球以外のことで指導したり、時には厳しく注意などしていくことが、その後の選手の人間的にもプレーヤーとしても成長には不可欠だと思うんですよね。
実は僕はホークスを辞めた後、一つだけ自分が後悔していたことがあります。
13年間もの長い期間でコーチの役割を頂いてきましたが、
「もっとプレー以外の教育もできたんじゃないか⁉︎しなければ︎ならなかった…」
野球だけが人生の全てではないし、現役を辞めてからの方が長く人生を歩みます。
だから、もっとその部分にも目を向けてアプローチすることが、プロ野球のコーチという特殊な⁉︎専門的な仕事であったとしても、大切な役割の一つではないかと思いました。
そしてそういう人間的な成長が、実はプレーにも影響しているということに気づくのです。
アメリカの現場でも野球を辞めてからどうしていけばいいのか、いまどうあるべきか、などの講話は全体ミーティングとしてありますし、
パフォーマンスを上げるための
「メンタルパフォーマンスコーチ」
と、それとは別の役職で、コーチングや人生についてアドバイスしてくれる
「リーダーシップ、ライフスキルメンタルコーチ」
がチームスタッフとして常時います。
先日もメンタルコーチからこういう話がありました。
「メジャーリーガーになりたければ、メジャーリーガーのマインドセットを持つこと、メジャーリーガーの振る舞いをすること。
メジャーリーガーになってからそうなるのではなく、そうであったからメジャーリーガーになれたのだと。」
僕が日本で感じていたことがここアメリカでは、もっと具体的に明確にアプローチしていたことに気づくことができました。
これには何か無性に嬉しさも感じましたね。
僕はここアリゾナでもプレーやプレー以外の部分の問題に対するのに、特別驚くことはないし、そんな選手を受け入れることのできる自分がいます。
これも長く色々なポジションでのコーチ業を経験させてもらったおかげですね。。