アメリカの現場でも、科学がコーチのアプローチには欠かせなくなったとはいえ、やはり選手の問題や課題になるのがメンタルの部分ですね。

選手の取り組み方を見ていれば、この選手は伸びる!とか、難しいかも…とか、長年この仕事をしているとその予想が当たることも多いです。

そして、こちらではよく
「マインドセット」という言葉が出てきます。
マインドセットとは、ちゃんと意味を調べてみると、
「信念や価値観による考え方」ということです。

また「メンタル」は、マインドセットとは違い、
「心の状態」のことを示すようです。

ちゃんと調べると、マインドとメンタルの言葉の違いがよく分かりますね。
(大きな意味では全てメンタルに含まれると思いますが)

こちらでは、メンタルコーチが5人くらいいて、各カテゴリー(メジャーからマイナーまで)を巡回して、選手やスタッフのサポートをしていますので、いかに選手の心の状態=メンタルを大事にしているのかがよく分かります。

そしてマインドセットですが、その選手の考え方=マインドセットによって、成長のスピードが大きく違ってくるな、と日本でもアメリカでも感じます。

なので、コーチから見るとその選手のマインドセットがどうなのかで、今後の期待値が変わってくるのです。

選手のマインドセットはすぐには変えられないと思いますが、様々な経験やきっかけで、考え方は変わっていくものだと思います。

だから僕らコーチは、その選手をどうやってより良い方向に導いていけるのかも、一つの役割ではないかと改めて感じているところです。

ちなみに僕は、選手に対してのコーチングとして、基本的に技術4割、メンタル6割くらいの割合でアプローチします。(もちろん選手によって変わります)

よく、
「メンタルが弱いのは練習が足りないからだ!」
「自信がないんだったら、自信がつくまで練習するんだ!」
と、僕自身も耳にしてきました。

確かに、そうとも言えると思いますが、僕は現役時代、自分ではかなり練習をしてきたつもりです。
そしていくら練習して練習では上手くいっても、肝心な本番でビビってしまい、(ビビるのにも実は理由がありますが長くなり過ぎるのでここでは割愛します笑)、練習でできたことが中々できない選手でした。

だから、僕は自信を持つこと、メンタルが弱い(と言われる)のは、
「意識的には直せない"性格"からきているものなのだからしようがない!」
という考えに、何年もかかって苦しんだ末に辿り着いたんですね。

「じゃあ、そういう性格の自分だけど、どうしていけばいいのか?」
ただそれだけを考えて実行していった訳です。

そうすると、成功することが増え、いつしかメンタルの部分に左右されることが少なくなっていったんですね。
これが僕の今のマインドセットに繋がりました。

ちなみに今のこのアメリカでは、僕の英語力では、メンタルへのアプローチがほとんど満足にできないので、僕のコーチングの能力は半分以下ですね。笑

でも片言の英単語並べたり、思いっきり大げさにボディランゲージしたりして、何とか選手に伝わるようにと一生懸命接しています。
逆に、こういうメンタルへのアプローチの方が、実は良い場面が沢山ある!と、また新たな発見と経験を積んだ僕だったのでした。。